ordinance

訳:

条例

意味合い:

ordinance(条例)は:
国が制定する「法律(Law / Statute)」や、政府機関が定める「規則(Regulation)」とは異なり、地方自治体(市、町、村、区、あるいは米国のカウンティやシティなど)の議会が、その地域内の事務や住民に対して独自に制定する地方的・局所的な法規範を指します。英文契約においては、企業が特定の地域で事業を行う(または受託業務を履行する)際に遵守しなければならない法規制の一環として表現されます。

法的解釈:

ordinance(条例)は:
法的な効力の階層としては連邦法や州法(法律)の下位に位置しますが、その地域内で業務を行う当事者に対しては「法律と同等の完全な法的拘束力」を持ちます。したがって、地方自治体の環境条例(排水規制や騒音規制)、建築条例、または労務に関する地方条例に違反した場合、それはそのまま契約書上の「法令違反(Violation of Laws)」として扱われ、契約解除や損害賠償の直接的な原因(デフォルト事由)となります。

実務のヒント:

ordinance(条例)は:
「法令遵守(Compliance with Laws)」条項において、federal(連邦)、state(州)、local(地方)といった地理的なレイヤー(階層)と並び、municipal ordinance(市町村条例)などの形で網羅的に列挙されます。実務上、受託業者(Contractor)は、国の法律だけでなく、実際に作業を行う「その現場の自治体の条例」まで自社費用で調査・遵守する必要があり、これに伴うサンクション(罰則や操業停止)のリスクはすべて受託業者が負う(顧客を免責する)という厳格なリスク配分がなされます。

類似・関連する用語との違い:

  • law(法律)との違い:
    law は、国や州などの広範な主権国家レベルで制定される法(連邦法・州法など)や、判例法・慣習法までを含む最も広い一般概念です。これに対して ordinance は、その配下にある「地方自治体(市町村等)が制定した法(条例)」にターゲットを絞った限定的な言葉です。
  • statute(制定法)との違い:
    statute は、連邦議会や州議会といった「国・州レベルの公式な立法機関」によって可決・制定され、法典化された成文法を指します。これに対して ordinance は、よりミクロな地方の自治体議会が制定する条例を指すため、管轄する行政レベルが明確に異なります。
  • regulation(規則・取締り規則)との違い:
    regulation は、主に政府の行政機関(省庁や委員会など)が、法律(statute)の委任を受けて詳細な執行ルールを定めた「行政規則・政令」を指します。これに対して ordinance は、行政機関ではなく「地方自治体の立法機関(議会)」が定める成文法(条例)である点に違いがあります。

用法:

ordinance(条例)は:
主にCompliance with Laws(法令遵守条項)で使用されます。

  • (文脈):受託業者が契約に基づく義務(建設、ITシステムの運用、製造など)を履行するにあたり、あらゆる法的規制の枠組みを自ら進んで守るべきであるという包括的なコンプライアンス義務を課す文脈で使用されます。
  • (例文での役割):国や州の法律(laws, statutes)や行政規則(regulations)と並べて、地方レベルの「市町村条例(municipal ordinance)」を遵守対象として明確に組み込むことで、あらゆる法規制の抜け漏れを無くし、違反があった場合は顧客(Client)を一切の責任から完全に守る(hold harmless)ための適用範囲を完成させる役割を果たしています。

例文 ordinance(条例):

【Compliance with Laws(法令遵守条項)より】
The Contractor shall, at its own sole expense, strictly comply with all applicable federal, state, and local laws, statutes, regulations, and any municipal ordinance in the performance of its obligations under this Agreement, and shall hold the Client completely harmless from any and all liabilities arising from any violation thereof.

(日本語訳)
受託業者は、本契約に基づく義務の履行にあたり、適用されるすべての連邦、州、および地方の法律、ならびに制定法、規則、および市町村条例を自己の費用負担において厳守するものとし、それらの違反に起因する一切の責任から顧客を完全に免責するものとする。

例文の注記:

  • at its own sole expense(自己の費用負担において)は: 法令や条例を守るために必要な許認可の取得費用、設備の改修費、役所への手数料などをすべて受託業者が自腹で支払うものとし、後から顧客に対して追加費用の請求(請求上乗せ)をすることを一切禁じる実務的リスク負担の取り決めです。
  • strictly comply with(厳守するものとし)は: 「努力する」や「配慮する」といった曖昧な姿勢ではなく、1ミリの違反も許されない「絶対的な遵守義務」を受託業者に課し、違反があった時点ですぐに契約違反(デフォルト)が成立する厳しい文言です。
  • hold the Client completely harmless(顧客を完全に免責するものとする)は: 万が一、受託業者が地方自治体の条例などに違反して役所から罰金を科されたり、第三者から訴えられたりした場合、そのすべての法的・金銭的責任(損害賠償、弁護士費用など)を受託業者が身代わりに引き受け、顧客には一切の迷惑(火の粉)を及ぼさないことを約束する強力な防衛条項です。
  • in the performance of its obligations(義務の履行にあたり)は: 契約に基づくメインの作業時間中だけでなく、準備段階、輸送中、または後片付けに至るまで、この契約に関連して受託業者が動くすべてのプロセスが法令・条例遵守の対象期間となることを明確にする表現です。