訳:
原契約
意味合い:
original agreement(原契約)は:
すでに締結されて有効に存在している既存の契約書を意味します。後から内容を一部変更したり、特約を追加したりするために新たな「修正契約書(Amendment)」や「覚書(Memorandum)」を作成する際、その変更のターゲットとなる「大元(ベース)の契約」を明確に指し示すために使用される用語です。
法的解釈:
original agreement(原契約)は:
修正契約(Amendment)との関係において、主従関係の「主」となる法的な基礎を構成します。変更条項においては、この原契約(Original Agreement)の存在を特定した上で、「変更された部分以外は、原契約のすべての効力がそのまま存続する」と規定することで、修正によって大元の契約全体が意図せず失効したり、白紙に戻ったりするリーガルリスクを防止する役割を持ちます。
実務のヒント:
original agreement(原契約)は:
取引内容の変更や期間延長を行う実務において、過去のどの契約を修正しているのかを確実に特定するために不可欠です。実務書面上では、単に「Original Agreement」と書くだけでなく、その契約がいつ締結されたのか(例:dated as of [日付])を併記して一意に特定します。これがないと、過去に複数の類似契約がある場合に、どの契約を変更したのかが曖昧になり、後日の紛争(ambiguity)の原因となります。
類似・関連する用語との違い:
- prior agreement(事前の合意)との違い:
prior agreementは、現在の契約を締結するよりも前に存在していたすべての合意や交渉を指します。通常は「完全合意条項」によって消滅させられる対象です。これに対して、original agreementは、これから行う「修正」の大元として「今も有効に生きている契約」を指す点で異なります。 - master agreement(基本契約)との違い:
master agreementは、将来行われる複数の個別取引に共通して適用される共通ルールを定めた包括的な契約です。これに対して、original agreementは基本契約か個別契約かを問わず、単に「修正を受ける前の元の契約」という相対的な関係性を表す言葉です。 - amended agreement(修正後の契約)との違い:
amended agreementは、元の契約に変更が加えられた後の「修正が反映された状態の契約全体」を指します。original agreementは修正が加わる前の「大元の状態」を指すため、時系列の前後において明確に相反する概念です。
用法:
original agreement(原契約)は: 主にAmendment(変更条項)で使用されます。
- (文脈): 既存の契約内容の一部を修正するにあたり、その修正書面と大元の契約書との力関係や、修正されていない残りの部分の効力を整理する文脈で使用されます。
- (例文での役割): 修正契約が「原契約(original agreement)」の不可分の一部になることを宣言し、修正箇所以外の元の条項はすべてそのまま有効(in full force and effect)であり続けるという構造を確定する役割を果たしています。
例文 original agreement(原契約):
【Amendment(変更条項)より】
This Amendment shall be attached to and form an integral part of the Original Agreement, and except as otherwise expressly amended or modified by this Amendment, all terms, conditions, and provisions of the Original Agreement shall remain in full force and effect and shall apply to this Amendment.
(日本語訳)
本修正は、原契約に添付され、その不可分の一部を構成するものとする。本修正により明示的に修正または変更された場合を除き、原契約のすべての条件および規定は、引き続き完全な効力を有し、本修正にも適用されるものとする。
例文の注記:
- form an integral part of(不可分の一部を構成するものとする)は: 独立した別個の契約として扱うのではなく、大元の契約の中に完全に組み込まれて一体化し、一つの大きなルールとして機能することを法的に束ねる表現です。
- except as otherwise expressly amended(明示的に修正または変更された場合を除き)は: この修正書面に文字としてはっきりと書き込まれたピンポイントの変更点だけが例外であり、それ以外の記載がない部分については一切変更を認めないという限定をかける安全弁です。
- remain in full force and effect(引き続き完全な効力を有し)は: 修正を行ったからといって元の契約全体がリセットされるわけではなく、変更のない残りのすべての義務や権利はこれまで通り強力に当事者を縛り続けることを再確認する実務的な文言です。
- shall apply to(にも適用されるものとする)は: 原契約に定められている一般的なルール(秘密保持、合意管轄、準拠法など)が、この新しい修正書面(Amendment)でのやり取りや解釈に対しても自動的にそのまま適用されることを保障する連結フレーズです。