訳:
~が支払うべき、~が負担している
意味合い:
owed by(~が支払うべき、~が負担している)は:
特定の当事者が、法律上または契約上の義務に基づいて、相手方や第三者(政府機関など)に対して金銭の支払義務を現実に負っている(負債・債務がある)という帰属状態を指し示すフレーズです。英文契約においては、発生した諸費用や各種の税金について、「最終的に誰の財布から支払われるべきか」という法的な責任の主体を100%明確にする目的で使用されます。
法的解釈:
owed by(~が支払うべき、~が負担している)は:
支払債務の「真の負担者(主たる債務者)」を法的に決定づける効果を持ちます。この表現が契約に組み込まれることで、たとえ手続き上は別の当事者が立替払い(advance payment)をしたとしても、実質的な経済的負担は owed by の後に指定された当事者に帰属することが法的に確定し、不当利得の返還請求や費用精算(reimbursement)の強力な法理的根拠となります。
実務のヒント:
owed by(~が支払うべき、~が負担している)は:
実務上、支払条件条項(Payment Terms)や税金負担条項(Taxation)において、当事者間の予期せぬコスト転嫁を防ぐための防衛ワードとして機能します。例えば、取引に伴う公的課金は原則として法定の納税義務者が支払うとした上で、買主が負担すべき特定の取引税(transaction taxes owed by the Buyer)を例外として切り出し、「適正な請求書の受領後、直ちに補填する」と連動させることで、売主側の持ち出しリスクを確実に排除する実務を担います。
類似・関連する用語との違い:
- due((支払期日が到来して)支払われるべき、満期の)との関係:
dueは、金銭を支払うべき正当な期限が到来しており、今すぐに決済しなければならないという「時間的な切迫性や期日の到来」に焦点がある言葉です。owed byは、期限が今であるか将来であるかを問わず、その支払義務が「そもそも誰の肩にかかっているのか」という義務の主体・帰属を明確にする言葉であるため、焦点の当たり方が異なります。 - payable(支払われるべき、支払うべき性質の)との違い:
payableは、契約に基づいて将来的に支払う義務が存在しているという「債務の客観的な性質」を広く指す言葉です。owed byは、そのpayableな債務が、具体的に「誰によって(by whom)背負われているか」という当事者の紐付けをより強調して規定する点で異なります。 - incurred by(~によって被られた、~に発生した)との違い:
incurred byは、損害や費用が誰の行為やプロセスの過程で「現実に発生したか」という事実関係を表す言葉です。これに対し、owed byは、発生した費用を「誰が法的に支払うべきか」という最終的な義務の所在を表すため、incurred by(発生元)とowed by(支払者)が契約によって別々に設計されることも多く、実務上厳格に区別されます。
用法:
owed by(~が支払うべき、~が負担している)は:
主にPayment Terms(支払条件条項)で使用されます。
- (文脈): 取引に関連して発生する公的課金や税金について、原則として法的な義務者が負担すると規定しつつ、特定の取引税が買主側の負担となる場合の精算手続きを厳格に規律する文脈で使用されます。
- (例文での役割): 買主が最終的に負担すべき税金の種類を「買主が支払うべき(owed by the Buyer)」としてピンポイントで特定し、その金額が売主からの請求書に基づいて即座に補填(reimburse)されるべき法的対象であることを確定させる主語の修飾語として機能しています。
例文 owed by(~が支払うべき、~が負担している):
【Payment Terms(支払条件条項)より】
All taxes, duties, and other governmental charges imposed on or with respect to the Transactions shall be paid by the Party upon whom they are legally imposed; provided, however, that any specific transaction taxes owed by the Buyer under this Agreement shall be paid or reimbursed immediately upon the receipt of a proper invoice.
(日本語訳)
本取引に課される、または本取引に関連するすべての税金、関税、およびその他の公的課金は、法的にそれらの納付義務を負う当事者が支払うものとする。ただし、本契約に基づき買主が支払うべき特定の取引税については、適正な請求書を受領次第、直ちに支払うか、またはその支払額を補填するものとする。
例文の注記:
- imposed on or with respect to(〜に課される、または〜に関連する)は: 取引に直接的に課される税金だけでなく、間接的・付随的に発生するあらゆる性質の公的負担を漏れなく網羅し、負担のグレーゾーンを無くすための網羅的なフレーズです。
- legally imposed(法的にそれらの納付義務を負う)は: 税法などの強行法規によってあらかじめ定められている「本来の納税義務者」のステータスを指し、契約上の取り決めを行う前の一次的な責任ラインを明確に画定しています。
- provided, however, that(ただし、〜)は: 前文で定めた「原則として法的な納税者が払う」という大原則に対して、特定の条件(買主負担の取引税)という「重要な例外」を強力に割り込ませて結合するための法的な接続フレーズです。
- upon the receipt of a proper invoice(適正な請求書を受領次第)は: 買主が精算に応じるための手続き的なトリガー(前提条件)を定めたものであり、内容や計算根拠が正しい公式な書類が届くまでは、支払いを拒否できるという買主側の防衛線として機能します。