訳:
認められた譲受人、適法な譲受人
意味合い:
permitted assigns(認められた譲受人、適法な譲受人)は:
英文契約書において、契約上の地位、あるいはそこから生じる権利や義務を、相手方の事前の承諾を得るなどして「適法に譲り受けることが認められた第三者(後継の当事者)」を指します。通常、契約書の末尾にある一般条項(承継人および譲受人条項:Successors and Assigns)において、契約の効力が及ぶ法的な範囲を特定する定型フレーズとして登場します。
法的解釈:
permitted assigns(認められた譲受人、適法な譲受人)は:
契約の直接の当事者(Signatory)ではないものの、適法な手続きを経て権利を引き継いだ者として、大元の契約書に書かれているすべての条件、制限、および利益に「直接拘束され、かつその利益を享受できる(inure to the benefit of)」という、例外的な契約の当事者準拠(Privity of Contractの拡張)を成立させる強力な法的効果を持ちます。これに該当しない無断の譲受人は、契約上の権利を相手方に主張することができません。
実務のヒント:
permitted assigns(認められた譲受人、適法な譲受人)は:
実務上、企業のM&A、事業譲渡、グループ内の組織再編などが起きた際に、契約関係をスムーズに新会社へ引き継がせるために必要不可欠な概念です。譲渡条項(Assignment)で「原則として譲渡禁止」と厳しく制限する一方で、この承継人条項において「ただし、適法に認められた譲受人(permitted assigns)に対しては、本契約の効力と義務がそのまま自動的に引き継がれ、彼らを拘束する」と逃げ道(受け皿)を作っておくことが、ビジネスの継続性を維持するための標準的なドラフト手法です。
類似・関連する用語との違い:
- Successors(承継人、包括承継人)との違い:
Successorsは、法人の合併(M&A)や個人の死亡などにより、その法律上の地位や権利義務の全体を「法律の規定に基づいて丸ごと自動的に引き継ぐ者(包括承継人)」を指します。これに対してpermitted assignsは、法律の自動的な効果ではなく、当事者間の「契約行為(譲渡手続き)」に基づき、相手方の明示的な許可を得て特定の権利義務を「個別に譲り受ける者」を指すという違いがあります。 - Assigns(譲受人全般)との違い:
Assignsは、適法か違法かを問わず、また相手方の同意の有無にかかわらず、単に権利を譲り受けようとした(または受けた)「すべての第三者・譲受人」を広く指す言葉です。これに対してpermitted assignsは、そのAssigns(譲受人)の中から、契約内のルール(事前の書面同意など)を正しくクリアして「契約上、正式に認められた適法な譲受人」だけを厳格に限定して指す言葉です。法的な相違点として、単なるAssignsは契約違反の対象になり得ますが、permitted assignsは本契約上の正当な権利者として保護されるという違いがあります。 - Third Party Beneficiaries(第三者受益者)との関係:
Third Party Beneficiariesは、契約の当事者ではないものの、その契約の成立によって「おこぼれ(利益)を預かることが最初から意図されている第三者」を指します。これに対してpermitted assignsは、元々は契約に関係していなかった者が、後から当事者に「代わって(またはその地位に収まって)」契約の当事者そのものになる者を指します。法的な関係として、枠外から利益だけを得る第三者受益者に対し、permitted assignsは契約の枠組み(当事者の席)そのものを適法に乗っ取る(引き継ぐ)という責任の重さにおける明確な違いがあります。
用法:
permitted assigns(認められた譲受人、適法な譲受人)は:
主にSuccessors and Assigns(承継人および譲受人条項)で使用されます。
- (文脈):契約の有効期間中、または企業の組織再編等において、本契約が持つ法的な拘束力と利益が、当事者本人だけでなく、その適法な後継者や「認められた譲受人」に対しても漏れなく引き継され、彼らを縛り続けることを確定させる文脈です。
- (例文での役割):承継人および譲受人条項において、契約の効力が各当事者の「適法な承継人」および「認められた譲受人」を拘束し、その利益のために効力を有することを宣言するとともに、これに該当しない無断の第三者への権利譲渡を厳格に禁止する役割を果たしています。
例文 permitted assigns(認められた譲受人、適法な譲受人):
【Successors and Assigns(承継人および譲受人条項)より】
This Agreement shall be binding upon and inure to the benefit of each of the Parties hereto and their respective successors and permitted assigns. Neither Party shall assign any rights under this Agreement to any third party who is not classified as one of the permitted assigns hereunder.
(日本語訳)
本契約は、各当事者、およびそのそれぞれの承継人ならびに本契約に基づき認められた譲受人を拘束し、その利益のために効力を有するものとする。いずれの当事者も、本契約に基づく権利を、本契約において認められた譲受人に該当しない第三者に譲渡してはならない。
例文の注記:
- shall be binding upon(〜を拘束するものとする)は: 契約書に書かれたすべての義務やペナルティが、指定された対象者に対して法律上の強制力を持ってのしかかり、彼らを法的に縛りつけることを宣言する極めて重要な定型文言です。
- inure to the benefit of(〜の利益のために効力を有する)は: 契約から生じるあらゆる権利、保護、代金の請求権などの「メリット」が、その指定された対象者(承継人や譲受人)のものとして正当に帰属し、彼らがそれを行使できることを保証する英米法特有の法務表現です。
- Parties hereto(本契約の当事者)は: 契約書の冒頭(前文)に名を連ね、署名欄にサインをした当事者そのものを指す言葉であり、後述する第三者とを区別するための大元となる起点です。
- classified as(〜に該当する/〜として分類される)は: 契約書に定められた厳格な条件や定義(この場合は許可を得ていること)に客観的に当てはまるか否かを判定し、その特定の法的なステータスを付与されていることを意味する表現です。