pertaining to

訳:

~に関して、~に関する

意味合い:

pertaining to(~に関して、~に関する)は:
英文契約書において、ある特定の主題、契約内容、紛争、または権利義務に対して、何らかの「関連性(結びつき)」があることを示す前置詞的な定型表現です。通常、契約書内のすべての条項、特に準拠法・裁判管轄条項(Governing Law and Jurisdiction)や紛争解決条項において、対象となるトラブルや請求の範囲を、解釈の抜け漏れなく包括的に網羅するための核心的な接続キーワードとして登場します。

法的解釈:

pertaining to(~に関して、~に関する)は:
指定された名詞(例:subject matter:対象事項)との間に、法的な関連性や影響が少しでも及ぶすべての事象を規制の網の中に引き入れる、非常に広いカバー力を有します。本表現が裁判管轄条項などに用いられた場合、契約書の文言そのものを巡る争い(直接的紛争)だけでなく、契約の成立プロセスに関する不法行為や不当利得の請求(間接的紛争)など、その対象事項に「関連するすべての訴訟(lawsuits)」が指定された裁判所の専属管轄にバインドされるという強力な法的効力を形作ります。

実務のヒント:

pertaining to(~に関して、~に関する)は:
実務上、自社を法的に防御、あるいは相手方の義務を広く網羅したい場面(例:秘密情報の範囲、免責される損害の範囲、管轄の対象となる紛争など)において、この表現を「arising out of(〜に起因する)」などの直接的な原因を表す言葉とセットで併記するドラフトが定石です。これにより、相手方から「この紛争は契約書の直接の不履行ではなく、事前の交渉段階のトラブルだから管轄外だ」というような屁理屈(解釈の抜け道)を言われるリスクを完全に封じ込めることが、実務上最大の紛争予防策となります。

類似・関連する用語との違い:

  • relating to(~に関連する)との違い:
    relating toは、pertaining toと並んで、ある事象との間に何らかの関連性があることを広く指す、英文契約書で最も多用される表現の1つです。法的な効果としては実務上ほぼ同義(交換可能)ですが、pertaining toの方が「その主題に直接属している、または密接に固有の関係がある」という、対象物に対する結びつきの強さやフォーマルな厳格性をやや強く意識させるというニュアンスの違いがあります。
  • arising out of(~に起因する)との違い:
    arising out ofは、ある事象が原因となって「直接的に発生した(因果関係がある)」という、縦の因果の結びつきに焦点を当てる言葉です。これに対してpertaining toは、直接の原因であるか否かを問わず、その主題の「周辺に存在し、何らかの形で関係している」という、横の関連性に焦点を当てる言葉です。法的な関係として、原因を絞る前者(arising out of)に対し、その周辺の関連トラブルまで一括して網羅する後者(pertaining to)という、カバー範囲の広さにおける明確な相違点があります。
  • governed by(~に準拠する)との違い:
    governed byは、特定の法律や規則が、その契約や行為に対する「法的な支配・判断基準となること」を直接宣言する述語的な表現です。これに対してpertaining toは、あくまで「〜に関する(対象物)」という、修飾を行うための前置詞的な表現です。法的な相違点として、法的な支配関係そのものを決定する前者に対し、後者はその支配を受ける対象(紛争や訴訟の範囲)を特定・修飾するという機能の違いがあります。

用法:

pertaining to(~に関して、~に関する)は: 主にGoverning Law and Jurisdiction(準拠法および裁判管轄条項)などで使われます。

  • (文脈):契約そのものや、その対象事項の周辺から発生するあらゆる紛争・訴訟を、日本の法律の支配下(準拠法)に置き、かつ東京地方裁判所の管轄へ一本化して逃がさないようにする文脈です。
  • (例文での役割):紛争や訴訟の範囲を、契約の文面だけでなくその「成立(formation)」や「対象事項(subject matter)」に関係するすべての周辺領域(pertaining to)にまで包括的に拡張し、法的な逃げ道を塞ぐ役割を果たしています。

例文  pertaining to(~に関して、~に関する):

【Governing Law and Jurisdiction(準拠法および裁判管轄条項)より】
This Agreement and any dispute or claim arising out of or pertaining to its subject matter or formation shall be governed by and construed in accordance with the laws of Japan. The parties hereto agree that the Tokyo District Court shall have exclusive jurisdiction over any lawsuits pertaining to such disputes.

(日本語訳)
本契約、および本契約の対象事項または成立に起因または関する紛争もしくは請求は、日本法に準拠し、同法に従って解釈されるものとする。当事者は、当該紛争に関する訴訟について、東京地方裁判所が専属的管轄権を有することに合意する。

例文の注記:

  • arising out of or pertaining to(~に起因または関する)は: 直接の因果関係(arising out of)と、周辺の広範な関連性(pertaining to)の双方を重ねて指定することで、解釈の隙間を完全に埋めるための実務上必須の包括フレーズです。
  • subject matter or formation(対象事項または成立)は: 契約が結ばれた後の話だけでなく、契約を結ぶ前の交渉段階のやり取りや契約自体の有効性に関する争いまでをも対象に含めるための法的な拠点です。
  • shall be governed by and construed in accordance with(~に準拠し、同法に従って解釈されるものとする)は: 紛争を解決するための法的な物差し(準拠法)として特定の国の法律を決定し、裁判官がその法律に基づいて文言を読み解くことを強いる強力な定型合意表現です。
  • exclusive jurisdiction(専属的管轄権)は: 世界中の他のどこの裁判所でもなく、指定された裁判所(東京地方裁判所)だけでしか裁判を起こすことを認めないという、訴訟の提起場所を一本化して防御するための実務上極めて重要な表現です。