portion

訳:

部分、一部

意味合い

portion(部分、一部)は:
英文契約書において、条項や契約書全体を構成する要素のうち、特定のフレーズ、文言、または一部分の規定を指します。通常、契約全体の有効性を守るための「分離可能性条項(Severability)」において、裁判所などによって特定の契約文言が無効と判断された場合でも、契約すべてが失効するのではなく、その「一部」だけを切り離して残りを存続させるための核心的な定型表現として登場します。

法的解釈

portion(部分、一部)は:
契約全体の効力と、不可分ではない個別の規定の効力とを法的に峻別する効果を有します。契約書内で「or any portion thereof(またはその一部)」が無効・違法と判断された場合、その判断の影響はその特定の「部分」だけに限定され、契約の他の有効な条項(remaining provisions)は当初からその無効部分が含まれていなかったかのように「remain in full force and effect(引き続き完全な効力を有する)」という法的な拠点を形作ります。

実務のヒント

portion(部分、一部)は:
務上、競業避止義務や損害賠償制限など、裁判所で過大であるとして無効と判断されやすい条項が含まれている場合、分離可能性条項に「portion」の文言がないと、その条項全体、最悪の場合は契約全体が丸ごと無効とされる重大な不利益を被るリスクがあります。これを防ぐため、たとえ一部の文言(portion)が否定されても、残りの合意部分を生かしてビジネスを継続できるよう、この文言を必ず一般条項に組み込んでおくことが、実務上最大の紛争予防策となります。

類似・関連する用語との違い

  • provision(条項)との関係:
    provisionは、箇条書きされた特定の第〇条や第〇項といった「規定そのもの」を指す表現です。これに対してportionは、その条項の中の一文や一つの単語といった、さらに細分化された「一部」を指します。法的な関係として、条項(provision)丸ごとの無効だけでなく、その中の特定の一部分(portion)のみが無効になったケースにも対応できるよう、双方を併記するという関係にあります。
  • remaining provisions(残りの条項)との違い:
    remaining provisionsは、無効と判断された部分を除外した後に残る、契約書内の「他のすべての有効な規定」を指す言葉です。法的な関係として、一部(portion)が無効となった際に、その影響が及ばない領域としてremaining provisionsが定義され、それが存続することを保証するという対比関係にあります。
  • in full force and effect(完全な効力を有する)との関係:
    in full force and effect is、契約が法律上有効であり、当事者を拘束している状態そのものを指す言葉です。法的な関係として、portion(一部)の無効によって契約全体が破綻することを防ぎ、有効な残りの部分が引き続き「in full force and effect」であり続けることを分離可能性条項によって達成するという関係にあります。

用法

portion(部分、一部)は:
主にSeverability(分離可能性条項)で使われます。

  • (文脈):裁判所や管轄機関によって契約の一部分が違法や執行不能と判断された際に、その影響を最小限に食い止め、契約全体の破綻を防いで合意を存続させる文脈です。
  • (例文での役割):いずれかの条項、またはその一部分(portion)が無効と判断された場合を想定し、その無効な部分をはじめから含まれていなかったもの(as if… never been contained herein)とみなして残りの規定を有効に存続させる役割を果たしています。

例文  portion(部分、一部):

【Severability(分離可能性条項)より】
If any provision of this Contract, or any portion thereof, is held to be invalid, illegal, or unenforceable by a court of competent jurisdiction, the remaining provisions of this Contract shall nevertheless remain in full force and effect as if such invalid provision had never been contained herein.

(日本語訳)
本契約のいずれかの条項またはその一部が、管轄権を有する裁判所によって無効、違法、または執行不能と判断された場合であっても、本契約の他の条項は、当該無効な条項が当初から含まれていなかったものとして、引き続き完全な効力を有するものとする。

例文の注記:

  • held to be invalid(無効と判断された場合)は: 裁判所などの公的な管轄機関によって法律上の効力が否定される事態を客観的に想定し、万が一の法的リスク発生時における処理ルールを事前に定めておくための防御文言です。
  • or any portion thereof(またはその一部)は: 条項全体の無効だけでなく、文章中の一文や単語レベルの局所的な無効・違法判断に対しても分離可能性の網をかけ、契約全体の存続への影響を最小限に抑える役割を持っています。
  • nevertheless remain(それにもかかわらず存続する)は: 一部の無効というネガティブな事実が発生したとしても、それに引きずられることなく残りの契約関係を維持することを当事者間で厳格に指定する役割を持ちます。
  • as if… had never been contained(当初から含まれていなかったものとして)は: 無効部分を契約書から完全に消去したものとして扱い、残されたクリーンな条項だけで契約を再構成させることで実務の確実性を維持する役割を持ちます。