post bond or other security

訳:

担保またはその他の保証を預託する

意味合い

post bond or other security(担保またはその他の保証を預託する)は:
英文契約書において、裁判所に対して仮処分や差止命令を申し立てる際、相手方に不当な損害が生じた場合の補償として、事前に保証金(ボンド)の積み立てや担保を差し入れる手続き行為を指します。通常、契約違反への対抗手段を定める「差止命令条項(Injunction)」において、秘密保持義務違反などの緊急を要する事態に、非違反当事者が「保証金の預託という手続き的・金銭的ハードルなしに」即座に法的救済を受けられるようにするための核心的な定型表現として登場します。

法的解釈

post bond or other security(担保またはその他の保証を預託する)は:
裁判手続きにおいて通常要求される「不利益補償のための担保提供義務」を、当事者間の合意によってあらかじめ免除(免除の合意)させる法的効果を有します。契約書内で「without… being required to post bond or other security(保証の預託を要求されることなく)」と合意しておくことで、非違反当事者は実際の損害額の立証(proving actual damages)や多額の保証金預託を行うことなく、管轄裁判所から即座に違反行為を差し止める命令(injunction)を勝ち取るための法的な拠点を形作ります。

実務のヒント

post bond or other security(担保またはその他の保証を預託する)は:
実務上、自社の重要な秘密情報や知的財産が競合他社に漏洩するリスクが生じた場合、通常の損害賠償請求では手遅れになるため、即座にその行為を止める「差止命令」が必要です。しかし、裁判所に申し立てる際に多額の保証金(bond)の預託を求められると、資金の手当てに時間がかかり、その間に情報が拡散してしまう重大な不利益を被るリスクがあります。これを防ぐため、秘密保持義務や知的財産権の保護を謳う条項には、この保証金預託義務を「要しない(without the necessity)」とする免除規定を必ず組み込んでおくことが、実務上最大の紛全予防策となります。

類似・関連する用語との違い

  • provide collateral(担保を提供する)との違い:
    provide collateralは、一般の金銭債務や融資取引において、債務の履行を確実にするために不動産や資産などの物的担保を提供する行為を広く指す表現です。これに対してpost bond or other securityは、主として訴訟手続きや裁判所への申し立てに伴い、保証会社の発行するボンドや保証金を「預託する」という手続きに特化して使用されるという違いがあります。
  • seek an injunction(差止命令を求める)との関係:
    seek an injunctionは、契約違反行為を強制的に停止させるよう裁判所に申し立てる権利そのものを指す言葉です。法的な関係として、この差止命令を求める(seek an injunction)手続きを迅速に進めるための要件緩和として、post bond or other security(保証の預託)の免除がセットで規定されるという関係にあります。
  • proving actual damages(実際の損害を立証する)との違い: proving actual damagesは、違反によって自社に具体的にどれだけの金銭的損害が出たかを客観的な証拠で証明する行為です。法的な関係として、秘密漏洩のような実害の計算が極めて困難なケースにおいて、損害の立証も、保証の預託(post bond or other security)もどちらも不要(without the necessity)にして差止を可能にするという並列の関係にあります。

用法

post bond or other security(担保またはその他の保証を預託する)は:
主にInjunction(差止命令条項)で使われます。

  • (文脈):秘密保持義務などの重大な違反が発生、または発生する恐れがある緊急事態において、金銭賠償では解決できない損害を防ぐため、裁判所へ迅速に差止の仮処分を申し立てる文脈です。
  • (例文での役割):非違反当事者が差止命令を求める際、実際の損害を証明することや、多額の保証金・担保を預託する(post bond or other security)という通常の手続き要件を一切不要にすることで、救済措置のスピードを最大限に高める役割を果たしています。

例文  post bond or other security(担保またはその他の保証を預託する):

【Injunction(差止命令条項)より】
In the event of a breach or threatened breach of any confidentiality obligations under this Contract, the non-breaching party shall be entitled to seek an injunction from a court of competent jurisdiction to prevent such breach without the necessity of proving actual damages or being required to post bond or other security.

(日本語訳)
本契約に基づく秘密保持義務の違反または違反の恐れが生じた場合、非違反当事者は、実際の損害を立証することや、担保またはその他の保証を預託することを要することなく、当該違反を防止するために管轄裁判所に対して差止命令を求める権利を有する。

例文の注記:

  • threatened breach(違反の恐れ)は: 実際に違反が完了して被害が拡大する前であっても、その兆候や危険がある段階で予防的に法的措置を講じることを可能にするための防御文言です。
  • or being required to post bond or other security(または担保その他の保証を預託することを要求されることなく)は: 差止の緊急申し立て時に手続き的なネックとなる、裁判所への法的な保証金積立義務を当事者間で事前に免除し、迅速な救済を可能にする役割を持っています。
  • shall be entitled to seek(求める権利を有する)は: 契約上の明確な救済手段として差止請求権が当事者間で合意されていることを裁判所に示し、手続きを有利に進めるために実行を厳格に指定する役割を持ちます。
  • without the necessity of(〜を要することなく)は: 差止を求める側の立証負担や経済的負担をあらかじめ取り除き、違反者に対して即座にプレッシャーをかけることで実務の確実性を維持する役割を持ちます。