proxy

訳:

①(株主総会に出席する)代理人
②(株主総会の)代理委任状

意味合い:

①proxy((株主総会に出席する)代理人)は:
株主総会などの集会において、本来の株主に代わって出席し、質問や議決権の行使を行う「受任者(人)」を指します。

②proxy((株主総会の)代理委任状)は:
株主が自らの議決権行使を第三者に委任したことを公的に証明し、授権する「書面・権限(委任状)」を指します。

法的解釈:

①proxy((株主総会に出席する)代理人)は:
代理人に選任された者が株主総会で投じた票を、あたかも株主本人が直接行使したかのように法的な効力を発生させる「授権関係」を成立させます。

②proxy((株主総会の)代理委任状)は:
議決権の拘束や譲渡を伴う取引において、買主等の指定する者が株主総会で自由に議決権を行使できるようにするための「無因的・不可撤回的な権利授権書」としての効力を持ちます。

実務のヒント:

①proxy((株主総会に出席する)代理人)は:
株主間協定や議決権行使条項において、代理人の資格(他の株主に限定するか等)や選任手続きを明確に規定するために用いられます。

②proxy((株主総会の)代理委任状)は:
M&Aや担保権設定の実務において、義務履行の担保として相手方に「取消不能な代理委任状(irrevocable proxy)」を交付・差し入れさせる目的で明記されます。

類似・関連する用語との違い:

  • attorney-in-fact(任意代理人・委任代理人)との違い:
    attorney-in-factは委任状(power of attorney)により一般的な取引全般の代理権を与えられた代理人を指します。これに対し、①のproxyは主に「株主総会での議決権行使」という限定された場面での代理人を指すという違いがあります。
  • power of attorney(委任状)との違い:
    power of attorneyは契約締結や財産管理など一般的な法行為全般に関する委任状を指します。これに対し、②のproxyは主に株主総会等の議決権行使に特化した「代理委任状」を指すという違いがあります。
  • agent(代理人)との関係:
    agentは英米法上の代理人全般を指す最上位の概念です。①のproxyは代理人(agent)の一種であり、株主権行使の文脈に特化した専門用語という関係にあります。

用法:

①proxy((株主総会に出席する)代理人)は:
主に、Voting Rights(議決権条項)などで使用されます。

  • (文脈): 株主が自ら株主総会に出席できない場合に、第三者を代理人として指名して議決権を行使させる権利を規定する文脈で使用されます。
  • (例文での役割): 株主総会で本人に代わって議決権を行使する「代理人(人)」を選任する権利と条件を定める役割を果たしています。

②proxy((株主総会の)代理委任状)は:
主に、Voting Rights(議決権条項)などで使用されます。

  • (文脈): 契約に基づく義務履行を保全するため、株主が買主に対して自らの議決権行使権限を「代理委任状」として事前に交付・授与する文脈で使用されます。
  • (例文での役割): 買主に対して対象株式の議決権を自由に行使できる「取消不能な代理委任状(書面・権限)」を直接授与する役割を果たしています。

例文1  proxy((株主総会に出席する)代理人):

【Voting Rights(議決権条項)より】
Every shareholder entitled to vote at a meeting of shareholders may authorize another person or persons to act for such shareholder by appointing a proxy, provided that such appointment is made in writing and executed by the shareholder or their duly authorized attorney-in-fact in accordance with applicable laws.

(日本語訳)
株主総会において議決権を行使する権利を有する株主は、代理人を選任することにより、当該株主のために行動する者を指名することができる。ただし、当該選任は書面により行われ、かつ、適用法に従って、当該株主または正当な権限を有するその代理人によって署名されることを条件とする。

例文1の注記:

  • by appointing a proxy(代理人を選任することにより)は:
    本人以外の人物に株主総会での行動権限を付与するための基本的な選任メカニズムを規定しています。
  • authorize another person or persons to act for such shareholder(当該株主のために行動する者を指名することができる)は:
    選任された代理人が株主本人を代理して意思表示や決議参加を行う法的権限を持つことを明確にしています。
  • provided that such appointment is made in writing(ただし、当該選任は書面により行われ)は:
    口頭での不確実な代理指定を排除し、必ず文書形式で選任を行わなければならないという形式要件を設けています。
  • executed by the shareholder or their duly authorized attorney-in-fact(当該株主または正当な権限を有するその代理人によって署名される)は:
    委任の真正性を担保するため、本人または正式な代理人の署名・押印を必須条件として義務付けています。

例文2  proxy((株主総会の)代理委任状):

【Voting Rights(議決権条項)より】
To secure the full and faithful performance of its obligations under this Agreement, each shareholder hereby grants to the Purchaser an irrevocable proxy to vote all shares owned by such shareholder at any annual or special meeting of shareholders, which may be exercised in the Purchaser’s sole discretion from time to time.

(日本語訳)
本契約に基づく義務の完全かつ誠実な履行を確保するため、各株主は、自らが保有するすべての株式について、年次株主総会または臨時株主総会において議決権を行使するための取消不能な代理委任状を、ここに買主に付与する。当該委任状に基づく議決権の行使は、買主の独自の裁量により、随時行われるものとする。

例文2の注記:

  • grants to the Purchaser an irrevocable proxy(買主に取消不能な代理委任状を付与する)は:
    株主側が後から一方的に委任を撤回・キャンセルできない強力な代理権限(代理委任状)を買主へ授与しています。
  • To secure the full and faithful performance of its obligations(義務の完全かつ誠実な履行を確保するため)は:
    代理委任状の付与が単なる代行ではなく、契約上の約定履行を担保するための法的な対価・目的を持っていることを明示しています。
  • at any annual or special meeting of shareholders(定時株主総会または臨時株主総会において)は:
    株主総会の種類を問わず、すべての株主集会においてこの代理委任状が有効に行使可能であることを包括的に定めています。
  • exercised in the Purchaser’s sole discretion(買主の独自の裁量により行使される)は:
    株主本人の意向や指示を受けることなく、買主が自らの判断のみで議決権を自由に行使できる権限を与えています。