respecting

訳:

~に関して、~に関する

意味合い:

respecting(~に関して)は:
特定の対象、事柄、または範囲を限定して指し示すために用いられる前置詞的な表現です。一般的な「about」や「regarding」と同様の意味を持ちますが、より格式高く、契約書などの法的書面において対象となる情報や義務の適用範囲を厳密に定義する際に使用されます。

法的解釈:

respecting(~に関して)は:
条項の中で定義される義務や制限(例:秘密保持義務)が、具体的に「どのような事柄や対象にまで及ぶのか」という法的射程を確定させる役割を持っています。この言葉に続く名詞の範囲がそのまま契約上の責任の境界線となるため、義務の範囲を不当に広げたり狭めたりしないための重要な結節点となります。

実務のヒント:

respecting(~に関して)は:
例文のように「information respecting the business operations(事業運営に関する情報)」といった形で使用され、開示される情報のカテゴリーを制限・特定する際に役立ちます。実務上、対象を絞り込みたい場合は、この後に続く名詞を具体的に指定することで、過大な責任を負うリスクを回避します。

類似・関連する用語との違い:

  • regarding(~に関する)との違い:
    regardingも同様に対象を指し示す前置詞ですが、respectingの方がやや古風で、より特定の対象に密接に関連しているニュアンスが強く、契約書において対象を厳格に指定したい場合に使われる傾向があります。
  • concerning(~に関して)との違い:
    concerningは対象について「関わりがある」という広いニュアンスを含みます。これに対し、respectingは対象となる特定の枠組みや事柄を「ピンポイントで見据えて限定する」という、より引き締まった印象を与えます。
  • in respect of(~に関して)との関係:
    in respect ofは「~の点において、~に関して」という意味の群前置詞です。respectingはこれを一語で簡潔に表現したものであり、実務上はどちらも同じ目的で使用されます。

用法:

respecting(~に関して)は:
主に、英文契約書のConfidentiality(秘密保持条項)などで使用されます。

  • (文脈): 相手方から開示される膨大な情報のうち、秘密として管理すべき対象が「どのような事業や内容に関するものであるか」を限定・特定する文脈で使用されます。
  • (例文での役割): 秘密保持の対象となる情報の範囲を、単なる一般情報ではなく「相手方の事業運営に直接関連するもの」へと明確に限定する役割を果たしています。

例文  respecting(~に関して、~に関する):

【Confidentiality(秘密保持条項)より】
Each party shall maintain the strict confidentiality of all intellectual property, proprietary data, and information respecting the business operations disclosed by the other party under this Agreement, and shall not use such materials for any purpose other than the direct performance of its specific obligations under this Agreement.

(日本語訳)
各当事者は、本契約に基づき相手方から開示されたすべての知的財産、独自のデータ、および事業運営に関する情報を厳重に秘密として保持するものとし、かつ、本契約に基づく特定の義務を直接履行する目的以外には、当該資料を使用しないものとする。

例文の注記:

  • shall maintain the strict confidentiality(厳重に秘密として保持するものとする)は: 開示された情報を外部に漏洩させないという、契約における最も基本的な不作為義務を課す表現です。情報の不正流出による企業の経済的損失を未然に防ぎます。
  • information respecting the business operations(事業運営に関する情報)は: 秘密保持義務の対象を「事業の運営に関連する具体的な情報」へと紐付ける規定です。対象範囲を契約書上で明確に特定し、保護すべき情報の漏れをなくす機能を持ちます。
  • shall not use such materials for any purpose other than(~以外の目的には当該資料を使用しないものとする)は: 開示された情報の目的外流用を厳格に禁止する規定です。受領当事者が情報を利用して自社の利益を不正に得るリスクを遮断する効果を発揮します。
  • direct performance of its specific obligations(特定の義務を直接履行する)は: 情報を使用してもよい唯一の許容範囲を定義する文言です。利用目的を契約上の義務の遂行だけに限定し、情報の濫用を確実に防止します。