訳:
秘密情報の返還・廃棄条項
意味合い:
Return or Destruction of Information Clause(秘密情報の返還・廃棄条項)は:
契約終了時や開示当事者からの請求があった際に、受領当事者が保有している相手方の秘密情報(物理的書類、電子データ、試作品等)を「返還」するか、あるいは復元不能な形で「廃棄・消去」することを義務付ける契約条項そのものを指します。
法的解釈:
Return or Destruction of Information Clause(秘密情報の返還・廃棄条項)は:
秘密保持契約(NDA)や各種ライセンス契約において、取引関係の終了に伴い秘密情報の受領者が正当な占有権原を失うことを法的に明確化する効力を持ちます。この条項を設置することで、契約終了後の情報漏洩リスクや無断使用を差し止め、知的財産および企業秘密の漏洩を未然に防ぐ重要な防壁として作用します。
実務のヒント:
Return or Destruction of Information Clause(秘密情報の返還・廃棄条項)は:
実務上、単に「返還または廃棄すること」と定めるだけでなく、「廃棄完了を証明する役員署名付きの証明書(Certificate of Destruction)の提出義務」「バックアップテープ等に自動保存されたデータの例外(消去不能な場合の厳重保管維持義務)」などをセットで規定することが標準的です。これにより履行の確認と実務的なデータの取り扱いに関する明確性を担保します。
類似・関連する用語との違い:
- Confidentiality Clause(秘密保持条項)との関係:
Confidentiality Clauseは取引期間中および終了後における秘密情報の開示・漏洩禁止全般を命じる包括的な条項です。これに対し、Return or Destruction of Information Clauseは情報の「物理的・電子的な処理方法(返還・消去)」に特化した具体的な手続規定という関係にあります。 - Survival Clause(存続条項)との関係:
情報の返還・廃棄が完了した後も秘密保持義務自体は存続することが多いため、本条項の効力を契約終了後も維持させる目的でSurvival Clause(存続条項)の対象として指定される関係にあります。 - Term and Termination Clause(期間および終了条項)との違い:
Term and Termination Clauseは契約の有効期間や解約条件を定める条項です。これに対し、Return or Destruction of Information Clauseは契約終了後に生じる「事後処理」に特化した条項である点に違いがあります。
用法:
Return or Destruction of Information Clause(秘密情報の返還・廃棄条項)は:
本用語は「条項(Clause)」そのものであり、そのまま契約書内の独立した出典条項として、Return or Destruction of Information Clause(秘密情報の返還・廃棄条項)が置かれます。
- (文脈): 秘密保持契約(NDA)や各種ビジネス提携契約において、相手方に開示した秘密情報の管理・処理方法を明確にする文脈で使用されます。
- (例文での役割): 開示当事者からの書面請求があった場合に、受領当事者が自己の費用で速やかに情報を返還または廃棄し、14日以内に役員による書面証明を行う義務を一体として規定する役割を果たしています。
例文 Return or Destruction of Information Clause(秘密情報の返還・廃棄条項):
【Return or Destruction of Information Clause(秘密情報の返還・廃棄条項)より】
Upon the written request of the disclosing Party at any time, the receiving Party shall promptly, at its own expense, return or destroy all Confidential Information provided under this Agreement, and an authorized officer of the receiving Party shall certify such compliance in writing to the disclosing Party within fourteen days.
(日本語訳)
開示当事者から書面による請求があった場合、受領当事者は、いつでも、自己の費用負担において、本契約に基づき提供されたすべての秘密情報を速やかに返還または廃棄しなければならず、かつ、受領当事者の権限ある役員は、当該措置を講じた旨を書面により開示当事者に対して14日以内に証明しなければならない。
例文の注記:
- at any time(いつでも)は: 契約の存続期間中であっても開示当事者の判断で請求できる権限を与える文言です。情報漏洩の懸念が生じた際などに即座に情報を回収・消去できる柔軟性を担保します。
- at its own expense(自己の費用負担において)は: 情報の返還や廃棄作業にかかる費用(郵送代、データ消去作業費等)を受領当事者が負担することを明確にする規定です。費用負担をめぐる紛争を防ぎます。
- certify such compliance in writing(当該措置を講じた旨を書面により証明する)は: 返還・廃棄の履行を単なる自己申告にとどめず、客観的な書面として提出させる規定です。情報の消去が確実に完了したことを証明させる強い履行担保機能を果たします。
- an authorized officer of the receiving Party(受領当事者の権限ある役員)は: 証明書への署名主体を役員級の責任者に限定する表現です。組織としての厳格なコンプライアンス責任を課し、適正な履行を確実にする作用を果たします。