訳:
~を条件として
意味合い:
subject to the conditions that(~を条件として)は:
契約上の特定の権利(補償の請求権や免責の享受など)を行使するための明確な前提条件を提示し、その後に続く複数の条件(that節以下の文章)をすべて満たすことを義務付ける接続表現です。
法的解釈:
subject to the conditions that(~を条件として)は:
権利発生のための「停止条件」または履行義務の「効力発生要件」を規定する法的効果を持ちます。that節で列挙された条件が1つでも不成就となった場合、相手方は補償義務や保証責任などの履行を合法的に拒絶できる法的な対抗手段を得ることになります。
実務のヒント:
subject to the conditions that(~を条件として)は:
Indemnification(補償条項)や Termination(解除条項)などで多用されます。補償義務者側の立場では、第三者訴訟が起きた際「迅速な通知(prompt notice)」「防衛権の付与(sole control of defense)」「合理的な協力(reasonable assistance)」の3条件を本セットとし、これらを守ることを補償の絶対条件として本用語で規定する設計が定石です。
類似・関連する用語との違い:
- provided that(ただし~であることを条件として)との違い: provided thatは本文の一般的規定に対する但し書きの形で条件を付け加えます。これに対し、subject to the conditions thatは条件の内容が複数あることや具体的履行要件であることを強調して明示する点に違いがあります。
- on condition that(~という条件で)との関係: on condition thatも同様に条件を設定しますが、文章表現として単一の条件を導くことが多いです。これに対し、subject to the conditions thatは複数の細かな条件列挙に適した表現である点に違いがあります。
- subject to(~に従って・〜を条件として)との関係: subject toは直後に名詞や条項番号を置きます。これに対し、subject to the conditions thatは直後にthat節(S+Vを含む文章)を従えて具体的な行為要件を書き込める点に違いがあります。
用法:
subject to the conditions that(~を条件として)は:
主に、英文契約書のIndemnification(補償条項)などで使用されます。
- (文脈): 第三者から権利侵害で訴えられた買主を売主が補償する際、買主側が守るべき即時通知や防衛活動への協力を補償の前提条件とする文脈で使用されます。
- (例文での役割): 売主が補償義務を負担するための前提要件(通知・防衛権譲渡・協力)を明示し、買主の勝手な訴訟対応による損害拡大を防止する役割を果たしています。
例文 subject to the conditions that(~を条件として):
【Indemnification(補償条項)より】
The Seller’s obligation to indemnify and hold harmless the Buyer from any third-party claims arising from intellectual property infringement shall be subject to the conditions that the Buyer provides immediate notice of the claim, allows the Seller to handle the legal defense, and provides reasonable assistance throughout the entire litigation process.
(日本語訳)
知的財産権の侵害に起因する第三者からの請求について、売主が買主を補償し免責する義務は、買主が当該請求について直ちに通知を行い、売主による法的な防御活動を容認し、かつ訴訟手続の全期間を通じて合理的な協力を行うことを条件とする。
例文の注記:
- obligation to indemnify and hold harmless the Buyer(買主を補償し免責する義務)は: 第三者訴訟による金銭的損害を買主に被らせない保護義務を定める規定です。知的財産保証取引における中心的な救済手段として機能します。
- shall be subject to the conditions that(~であることを条件とする)は: 補償義務を発生させるための必須前提を定める要件規定です。条件不成就による補償拒絶の法的根拠を明確にする作用を持ちます。
- provides immediate notice of the claim(請求について直ちに通知を行い)は: 訴訟発生時の迅速な情報共有を買い主に義務付ける規定です。防御体制の遅れによる不利益を防ぐ効果をもたらします。
- allows the Seller to handle the legal defense(売主による法的な防御活動を容認し)は: 補償義務者である売主に訴訟主導権を与える規定です。適切な防衛活動を通じて無用な和解や損害の膨張を回避する機能を果たします。