frustration of purpose

訳:

契約目的の達成不能

意味合い:

契約締結時には予想できなかった事態が発生し、契約の履行自体は物理的に可能であっても、その履行によって得られるはずだった「主要な目的」が根本から失われてしまった状態を指します。

法的解釈 (Legal Interpretation):

英米法における「契約の終了」に関する法理の一つです。有名な「パレード観覧のための部屋の賃貸」の例(パレードが中止になり、部屋を借りる意味が消失した)のように、契約の基礎(foundation)が崩壊した場合に、当事者を履行義務から解放するものです。不可抗力(Force Majeure)と密接に関連しますが、「できない(不可抗力)」ではなく「やる意味がない(目的達成不能)」という点に特徴があります。

実務のヒント (Practical Tip):

実務上、この法理が認められるハードルは非常に高いです。そのため、例文のように「法改正や政府規制によって目的が達成できなくなった場合」を解除事由(Termination for Cause)として明記しておくことが、予期せぬ事態への備えとなります。

類似・関連する用語との違い:

・impracticability (履行困難) との違い:
impracticability は、過度な費用や困難により「履行することが現実的ではない」状態を指します。一方、frustration は履行はできるが「価値がゼロになった」状態を指します。

・関連フレーズ:without liability(責任を負うことなく):
frustration of purpose が発生した場合に、損害賠償などを支払わずに「クリーンに契約を終了させる」ための決まり文句です。

用法:

Termination(契約解除条項)において、不測の事態による契約継続の無意味化に対処する文脈で使われます。「当事者のコントロールを超えた事由による救済」の役割を持ちます。

例文(frustration of purpose :契約目的の達成不能):

【契約解除条項(Termination)より】
Either party may terminate this Agreement without liability if any change in law or government regulation results in a frustration of purpose regarding the performance of this Agreement.

(日本語訳)
法改正または政府規制により、本契約の履行に関する契約目的の達成が不可能(履行不能)となった場合、いずれの当事者も責任を負うことなく本契約を解除することができる。

例文の注記:

  • terminate this Agreement without liability:責任を負うことなく本契約を解除する。債務不履行責任を問われることなく、法的ペナルティなしで離脱できることを保証しています。
  • change in law or government regulation:法改正または政府規制。契約目的を根底から覆す「外部的かつ不可避な要因」の具体例です。
  • frustration of purpose:契約目的の達成不能。契約が目指していた「経済的な合理性」や「便益」が完全に消滅した状態を指す法的なキーワードです。