Hardship Clause

訳:

ハードシップ条項

意味合い:

予期せぬ経済状況の変化などにより、契約の履行が当初の想定を超えて著しく困難(不均衡)になった場合、当事者が契約内容の再交渉(改定)を求めることができる条項です。

法的解釈 (Legal Interpretation):

原則として契約は厳守されるべき(Pacta sunt servanda)ですが、この条項は「事情変更の原則」を明文化したものです。不可抗力条項が「履行停止」を目指すのに対し、本条項は「契約の継続(再適合)」を目指します。

実務のヒント (Practical Tip):

どのような事態が Hardship に該当するか(コストの〇%増など)を具体的に定義しないと、単なる「わがままな再交渉」を許すリスクがあります。また、協議が不調に終わった際の「解除権」の有無も重要です。

類似・関係する用語との違い:

  • Force Majeure Clause(不可抗力条項)との違い:
    不可抗力は履行が「不可能」になった場合の免責を扱いますが、ハードシップは履行は「可能だが著しく過酷(不公平)」になった場合の再交渉を扱います。
  • Escalation Clause(価格スライド条項)との関係:
    物価上昇などに自動対応するのが価格スライド条項ですが、それだけではカバーできない予想外の事態に対応するのがハードシップ条項です。

用法:

主に Hardship Clause(ハードシップ条項) として独立して設けられます。長期契約における「経済的不均衡の是正」の役割を持ちます。

例文(Hardship Clause:ハードシップ条項):

【ハードシップ条項(Hardship Clause)】
The parties shall consult in good faith to revise this Agreement if any unforeseen event occurs that renders the performance of obligations exceptionally onerous for one party due to changed circumstances.

(日本語訳)
事情の変更により、一方の当事者にとって義務の履行が著しく困難となる予期せぬ事態が生じた場合、両当事者は、本契約を改定するために誠実に協議するものとする。

例文の注記:

  • consult in good faith誠実に協議する。ハードシップ条項における中心的な義務であり、単に話し合うだけでなく合意に向けて努力する姿勢を求めます。
  • exceptionally onerous著しく困難(過酷)。単に「少し損をする」程度ではなく、契約の公平性を根本から揺るがすような重い負担を指します。
  • unforeseen event予期せぬ事態。契約締結時に予見できた事態については、本条項の適用は認められないのが一般的です。