Background IP (Background Intellectual Property)

訳:

背景知的財産、バックグラウンド知的財産

意味合い:

本契約やプロジェクトの開始前(またはプロジェクトとは無関係)に、各当事者が既に所有していた、あるいは独自に開発した知的財産を指します。本契約によって生み出される成果物(Foreground IP)と区別し、「所有権は移転せず、元の持ち主に留まる」ことを明確にするために極めて重要な概念です。

用法 :

主に 知的財産権条項(Intellectual Property Clause) で使用されます。

  1. (成果物への混入): プロジェクトの成果に、両当事者が元々持っていた背景知的財産が含まれることを確認する。(例文1)
  2. (権利の不移転): 背景知的財産の所有権は移転せず、利用のためのライセンスのみが付与されることを定める。(例文2)

例文(知的財産権条項から):

No ownership of Background IP is transferred under this Agreement; only a limited license for its use is granted to the extent necessary for the Project.

(訳) 本契約に基づき、背景知的財産の所有権が移転することはない。プロジェクトに必要な範囲において、その利用に関する限定的なライセンスのみが許諾されるものとする。

例文2(ライセンス条項から):

No ownership of Background IP is transferred under this Agreement; only a limited license for its use is granted.

(訳) 本契約に基づき、背景知的財産の所有権が移転することはない。その利用に関する限定的なライセンスのみが許諾されるものとする。

【注記】

  • incorporate: 組み込む、包含する。成果物の中に既存の技術(Background IP)が混ざることを指します。
  • limited license: 限定的なライセンス。所有権を渡さない代わりに、本契約の目的の範囲内だけで使って良いという「利用権」を付与する際に使われます。
  • Intellectual Property Clause: 知的財産権条項。既存の権利(Background)と新規の権利(Foreground)を峻別し、それぞれの所有権の帰属と利用権限を明確に定義することが、紛争回避の要となります。務上の最重要ポイントの一つです。