訳:
財務状況
意味合い:
企業の資産、負債、資本の状況など、主に貸借対照表(B/S)で示される経済的な実態を指します。
法的解釈(Legal Interpretation):
契約上は、当事者が「債務を履行できるだけの資力を有しているか」を判断する客観的な指標となります。日本の民法における「支払不能(Insolvency)」の状態に陥っていないかを監視し、万が一財務状況が悪化した場合には「不安の抗弁権」に基づく履行拒絶や「解除権」を行使するための法的根拠として機能します。
実務のヒント(Practical Tip):
実務では、単に「財務状況」とするだけでなく、「overall(全体的な)」という言葉を添えることで、特定の事業部門だけでなく、企業全体の健全性を監査の対象に含めることが一般的です。相手方の倒産リスクを早期に察知するために、この財務状況の確認権(Audit Rights)を確保しておくことが重要視されます。
用法:
主に、監査権(Audit Rights)条項や、表明保証(Representations and Warranties)条項で使用されます。
- (資力の確認):相手方が契約上の義務(支払や供給)を継続できるかを確認するため、帳簿の閲覧や報告を求める権利として規定されます。(Audit Rights Clause)
例文(財務状況:監査権(Audit Rights)条項):
The Seller shall permit The Buyer to review The Seller’s books and records concerning compliance with each Contract and The Seller’s overall financial condition.
(日本語訳)
売主は、各契約の遵守状況および売主の全体的な財務状況に関して、買主が売主の会計帳簿および記録を閲覧することを認めるものとする。
例文の注記:
- permit … to review:~が閲覧(調査)することを許可する。相手方に受忍義務を課す表現です。
- books and records:会計帳簿および記録。法的な監査やデューデリジェンスの対象となる資料一式を指します。
- overall:全体的な。財務実態を包括的に把握するための限定語です。