訳:
(企業の信用力、ブランド力など)のれん、業務上の信用
意味合い:
企業の商標や評判などから生じる、「目に見えない信用力」という資産価値を指します。長年の営業活動によって築かれた付加価値が、収益の源泉として評価されたものです。
法的解釈 (Legal Interpretation):
ライセンス契約において、商標の使用により高まった価値(のれん)を「すべて元の権利者に帰属させる」ことで、使用権者による権利主張を未然に防ぐ役割を持ちます。
実務のヒント (Practical Tip):
M&A(企業買収)では、買収価格から純資産を差し引いた差額が「のれん代」として計上されます。実務上は、商標の不正使用によってこの goodwill が傷つけられた(毀損した)場合に、「信用の失墜」に対する損害賠償を請求する根拠としても重要視されます。
類似・関連する用語との違い:
- intangible assets(無形資産) との関係:
goodwill は無形資産の代表的なものですが、特許権などのように明確に登録できるもの以外の「全体的な信用力」を特に指します。 - trademark(商標) との関係:
商標は goodwill を象徴する器であり、商標の価値と goodwill は密接に連動します。
用法:
Intellectual Property(知的財産権条項) や M&A(買収契約) において、価値の帰属先を定めるために使われます。「目に見えないブランド価値の防衛」を目的とします。
例文(goodwill:のれん):
【知的財産権の帰属条項(Ownership of Intellectual Property)より】
All goodwill arising from the Licensee’s use of the Trademarks shall inure to the benefit of the Licensor, and the Licensee shall acquire no ownership interest in such goodwill.
(日本語訳)
ライセンシーによる本商標の使用から生じるすべてののれん(業務上の信用)は、ライセンサーの利益に帰属するものとし、ライセンシーは当該のれんについていかなる所有権も取得しないものとする。
例文の注記:
- arising from the use of:~の使用から生じる。ビジネス活動を通じて自然に積み上がっていく価値を対象としています。
- inure to the benefit of:~の利益に帰属する。発生した価値が、法的に「誰の持ち物になるか」を確定させる格調高い表現です。
- no ownership interest:いかなる所有権(持分)もない。使用権者が将来的に「自分の努力で価値を上げたのだから、一部は自分のものだ」と主張することを未然に防ぐための文言です。