• at the time of receipt

    訳:

    受領時に、受取時に

    意味合い:

    通知や書類が、相手方の手元に届いた(受領した)瞬間を指します。英文契約では、通知が「発送された時(Dispatch)」に効力が生じるのか、それとも「届いた時(Receipt)」に生じるのかが重要であり、後者を明確にするために使われます。

    用法 :

    主に 通知条項(Notice Clause) において、通知の効力発生時期を規定する際に使用されます。

    1. (通知の有効性): 通知が相手方に届いた(受領した)時点で、正式に通知がなされたものとみなす(到達主義)。

    例文(通知条項から):

    Any notice shall be deemed to have been duly given at the time of receipt by the designated recipient.

    (訳) いかなる通知も、指定された受領者による受領時に、有効に通知されたもの(届いたもの)とみなされる。

    【注記】

    • deemed to have been duly given: 有効に(適切に)与えられたものとみなされる。
    • at the time of receipt: 電子メールの場合は「サーバーへの到達時」などを指すよう別途定義することもあります。
  • at the time of delivery

    訳:

    引渡し時に、納入時に

    意味合い:

    売主から買主へ物品が物理的または法的に引き渡される、「引渡し」の瞬間を指します。この時点は、単なる荷物の受け渡しだけでなく、「所有権の移転」や「危険負担の移転」の基準点として、契約実務上の最重要ポイントの一つとなります。

    用法:

    主に 所有権移転条項(Passing of Title Clause)引渡条項(Delivery Clause) で使用されます。

    1. (所有権の移転): 製品の所有権が、売主から買主へ引渡し(納入)が行われた瞬間に移転することを定める。

    例文(所有権移転条項から):

    Title to and ownership of the Products shall pass from the Seller to the Buyer at the time of delivery.

    (訳) 本製品の権原および所有権は、引渡し時に売主から買主に移転するものとする。

    【注記】

    • Title and ownership: 権原および所有権。
    • pass from A to B: AからBへ移転する。この移転のタイミングを逃すと、倒産時の差し押さえリスクなどに影響します。
  • at the time of

    訳:

    ~の時に、~の時点で

    意味合い ある事実が真実であるべき基準点や、義務が発生する特定のタイミング(時間的基準点)を指します。契約書では、特に「表明保証」がどの時点で正確である必要があるかを確定させるために極めて重要な役割を果たします。

    用法:

    主に 表明保証条項(Representations and Warranties Clause) 契約締結条項 で使用されます。

    1. (基準時点の特定): 表明保証事項が、契約締結時やクロージング(決済)時点において真実であることを保証する。

    例文(表明保証条項から):

    The Seller represents and warrants that all representations and warranties set forth herein are true and correct at the time of the Closing.

    (訳) 売主は、本契約に定めるすべての表明および保証事項が、クロージング時点で真実かつ正確であることを表明し、保証する。

    【注記】

    • at the time of the Closing: クロージング(取引完了)の時点で。契約署名時だけでなく、実際の取引完了時にも事実が変化していないことを求める重要な表現です。
    • true and correct: 真実かつ正確な。表明保証の定番フレーズです。
  • at the risk of

    訳:

    ~の危険負担で、~が危険を負担して、〜の責任(リスク)において

    意味合い:

    物品の滅失、損傷、または紛失といった不可抗力による損害を、どちらの当事者が負担するか(危険負担)を指します。例えば、輸送中に事故で製品が壊れた際、代金を支払う必要があるか、あるいは代替品を無償で送る必要があるかは、この「リスク」がどちらにあるかで決まります。

    用法:

    主に 危険負担条項(Risk of Loss Clause) において、リスクが売主から買主に移転するタイミングを規定する際に使用されます。

    1. (引渡しまでのリスク): 製品が買主に引き渡されるまでは、売主がその滅失や損傷のリスクを負担することを定める。

    例文(危険負担条項から):

    The Products shall remain at the risk of the Seller until the time of delivery to the Buyer.

    (訳) 本製品は、買主に引渡しされるまで、売主の危険負担となる(売主がリスクを負担し続ける)ものとする。

    【注記】

    • at the risk of: 法的には「危険負担(Risk of Loss)」という概念を指し、どちらかが悪いわけではない事故の損害負担を意味します。
    • until the time of delivery: 引渡し時まで。これ以降はリスクが買主に移転(Pass)するのが一般的です。
  • at the rate of

    訳:

    ~の割合で、~の率で、〜の速度で

    意味合い:

    金利、手数料、あるいは特定の速度など、数量や金額を計算するための「比率・基準」を提示する際に使用されます。計算の客観的な根拠を定めるための基礎となります。

    用法:

    主に 支払い条項(Payment Clause)遅延利息条項(Late Payment/Interest Clause) で使用されます。

    1. (遅延利息の計算): 支払遅延が発生した際、月利1%という具体的な割合で利息が発生することを定める。

    例文(支払い条項から):

    Any overdue payment shall bear interest at the rate of one percent (1%) per month from the due date until the date of actual payment.

    (訳) 支払いが遅れた場合は、支払期日から実際の支払い日まで、月1パーセント(1%)の割合で遅延利息が発生するものとする。

    【注記】

    • bear interest: 利息を生む(発生する)。
    • at the rate of … per month: 月につき〜の割合で。計算の単位(月、年など)を併記するのが実務上のルールです。
  • at one’s own risk

    訳:

    自己の責任で、自らのリスク負担で、自らの危険において

    意味合い:

    特定の行為を行う際、そこから生じる可能性のある損害や不利益について、すべて自らが責任を負い、相手方には一切の責任を問わないことを承諾する表現です。法的な「免責」を成立させるための重要な根拠となります。

    用法:

    主に 免責条項(Disclaimer Clause)使用許諾条項(License Clause) で使用されます。

    1. (ソフトウェア利用のリスク): ソフトウェアの利用に伴うすべての結果をユーザーが自ら引き受け、提供者側を免責することを定める。

    例文(免責条項から):

    The User agrees that any use of the Software is entirely at its own risk, and the Company shall not be liable for any damages arising therefrom.

    (訳) ユーザーは、本ソフトウェアの利用がすべて自らの責任において行われることに同意し、会社は、当該利用から生じたいかなる損害についても責任を負わないものとする。

    【注記】

    • entirely at its own risk: 完全に(すべて)自己の責任で。例外なくリスクを引き受けることを強調しています。
    • shall not be liable for: 〜について責任を負わない。リスクの引き受けとセットで、相手方の免責が記述されます。
  • at one’s own discretion

    訳:

    自らの裁量で、独自の判断で

    意味合い:

    at one’s discretion と同義ですが、own を加えることで、第三者の影響を一切受けない「完全な裁量」であることをより強調した表現です。実務上は、理由の説明義務さえ負わない「絶対的な決定権」を意図する場合に好んで使われます。

    用法:

    主に 承認条項(Consent Clause)ライセンス付与条項(Grant of License Clause) で使用されます。

    1. (無制限の承認権): 承認を与えるか拒絶するかを、一切の制約なく自らの判断だけで決定できることを定める。

    例文(契約の承認条項から):

    The Licensor may grant or withhold its approval for any sublicense request at its own discretion.

    (訳) ライセンサーは、サブライセンスの請求に対する承諾または拒絶を、自らの裁量により判断することができるものとする。

    【注記】

    • grant or withhold: 与えるか、あるいは留保(拒絶)するか。ポジティブな判断とネガティブな判断の両方に裁量が及ぶことを示します。
    • at its sole and own discretion: さらに「sole(唯一の)」を加えて、裁量の絶対性を強めるバリエーションもあります。
  • at one’s option

    訳:

    その選択で、随意に、いずれかを選んで

    意味合い:

    提示された複数の選択肢の中から、どちらか一方を自らの意思で選べる権利を指します。主に義務違反が発生した際の是正方法(修理か、それとも交換か)を、権利を持つ側が選べるようにする場合に使われます。

    用法:

    主に 是正条項(Remediation Clause)保証条項(Warranty Clause) で使用されます。

    1. (是正方法の選択): 製品に欠陥があった場合、買主が「修理」か「交換」の好きな方を選べることを定める。

    例文(是正条項から):

    In the event of a breach of warranty, the Buyer may, at its option, require the Seller to either repair or replace the defective goods.

    (訳) 保証違反が発生した場合、買主は、その選択で、売主に対し欠陥品の修理または交換のいずれかを請求することができるものとする。

    【注記】

    • at its option: 選択権がどちらにあるかを明確にする言葉。これがないと、売主が安い方の是正方法(例えば修理)を勝手に選んでしまう可能性があります。
    • either … or …: …か…のいずれか。選択の対象となる具体的な項目を示します。
  • at one’s discretion

    訳:

    その裁量で、独自の判断で、任意の判断により

    意味合い:

    ある行為を行うか否か、あるいはどのように行うかを、当事者が自らの判断で自由に決定できることを指します。相手方の同意や客観的な基準を必要とせず、決定権がその当事者に委ねられている状態を明確にします。

    用法:

    主に 契約の承認条項(Consent/Approval Clause)解除条項(Termination Clause) で使用されます。

    1. (承認の判断): サブライセンスの要請に対し、ライセンサーが自らの判断(裁量)で承認できる権限を持つことを定める。

    例文(契約の承認条項から):

    The Licensor may approve the sublicensing request at its discretion, subject to the review of the Licensee’s financial stability.

    (訳) ライセンサーは、ライセンシーの財務的安定性の審査を条件として、その裁量によりサブライセンスの要請を承認することができるものとする。

    【注記】

    • at its discretion: 相手方の意向に左右されず、決定権者が判断できることを示します。
    • subject to…: 〜を条件として。裁量権を行使するための前提条件が付加されるケースもあります。
  • at law or in equity

    訳:

    法律上または衡平法上、普通法(コモン・ロー)上または衡平法(エクイティ)上

    意味合い:

    英米法における2つの救済体系を網羅する表現です。「法律上(at law)」は主に金銭賠償を指し、「衡平法上(in equity)」は差し止めや特定履行(契約通りの実行を命じること)などの金銭以外の救済を指します。このフレーズを置くことで、当事者があらゆる法的手段を用いて権利を保護できることを担保します。

    用法:

    主に 救済措置条項(Remedies Clause)累積的権利条項(Cumulative Rights Clause) で使用されます。

    1. (救済方法の累積): 契約に定める救済方法だけでなく、法体系が認めるあらゆる手段(金銭賠償も差し止めも)を併せて行使できることを定める。

    例文(救済措置条項から):

    The rights and remedies provided herein are cumulative and are in addition to any other rights or remedies available at law or in equity.

    (訳) 本契約に定める権利および救済方法は累積的なものであり、法律上または衡平法上認められる他の権利または救済方法に付加される(それらも排除されない)ものとする。

    【注記】

    • Cumulative: 累積的な。ある救済手段を選んでも、他の手段を捨てることにはならないという意味。
    • Remedies in equity: 金銭では解決できない損害に対して、裁判所が命じる特別な救済(差し止めなど)。これを含めることが実務上非常に重要です。