• at its own expense

    訳:

    自らの費用負担で、自己の費用で

    意味合い:

    at its own cost とほぼ同義ですが、「支出・経費」というニュアンスが強く、義務履行のために外部へ支払う費用(送料、外注費、手数料など)も含めて自らが負担することを強調します。実務上は at its own cost and expense と併記されることが非常に多いです。

    用法:

    主に 是正条項(Remediation Clause)補償条項(Indemnification Clause) において、実費の負担者を定める際に使用されます。

    1. (欠陥部品の交換): 不備があった際の部品交換について、費用だけでなくその作業に伴うリスク(責任)も自らが負うことを定める。

    例文(是正条項から):

    The Contractor shall promptly replace the defective components at its own expense and risk.

    (訳) 請負業者は、自己の費用と責任において、欠陥のある部品を速やかに交換するものとする。

    【注記】

    • at its own expense and risk: 自己の費用と責任(危険)において。金銭負担だけでなく、作業中に発生した事故などの責任も負うことを示すセットフレーズです。
    • defective components: 欠陥のある部品。
  • at its own cost

    訳:

    自らの費用負担で、自己の費用で

    意味合い:

    特定の行為を行う際にかかる費用を、相手方に請求することなく、自らが全額負担することを指します。不備の修正や義務の履行に伴う金銭的コストの所在を明確にします。

    用法:

    主に 是正条項(Remediation Clause)保証条項(Warranty Clause) において、欠陥の修正義務を負う側を特定する際に使用されます。

    1. (製品不適合の是正): 納入した製品に不備があった場合、売主が自らの費用でそれを直す義務を定める。

    例文(是正条項から):

    The Seller shall promptly correct any non-conformity of the Products at its own cost and expense.

    (訳) 売主は、自らの費用負担で、製品の不適合を速やかに是正するものとする。

    【注記】

    • at its own cost and expense: cost expense を重ねることで、直接的な実費だけでなく、あらゆる支出を網羅する定型的な表現です。
    • non-conformity: 不適合。契約で定めた仕様と異なる状態。
  • at any time for any reason

    訳:

    いつでもいかなる理由に基づいても、理由の如何を問わず随時

    意味合い:

    「タイミング」の自由(at any time)に加え、「理由」の自由(for any reason)を付与する強力なフレーズです。相手方に過失がない場合でも、自らの都合だけで契約を終わらせることができる「自己都合解約(Termination for Convenience)」の根拠となります。

    用法:

    主に 任意解除条項(Termination for Convenience Clause) において、解約権を一方的に認める際に使用されます。

    1. (無理由による即時解約): 特段の理由を説明することなく、また時期を問わずに理由の如何を問わず随時、サービスを解約できる権利を定める。

    例文(解除条項から):

    The Customer may terminate the service provided under this Agreement at any time for any reason, with immediate effect upon written notice to the Supplier.

    (訳) 顧客は、サプライヤーに対し書面で通知することにより、いつでもいかなる理由に基づいても、本契約に基づいて提供されるサービスを即時解約することができる。

    【注記】

    • for any reason: いかなる理由に基づいても。これがあることで、相手方の義務違反(Breach)を証明することなく解約が可能になります。
    • immediate effect: 即時発効。通知と同時に契約を終了させる、非常に強い権利です。
  • at any time

    訳:

    いつでも、随時、時期を問わず

    意味合い:

    特定の条件や期限に縛られず、当事者の裁量によって「いつであっても」その権利を行使できることを指します。ただし、これだけでは「理由が必要かどうか」が曖昧な場合があるため、解除条項などでは後述の for any reason と組み合わされることが多いです。

    用法:

    主に 解除条項(Termination Clause)変更条項(Amendment Clause) において、手続きを開始できるタイミングを定める際に使用されます。

    1. (任意解除のタイミング): 予告期間を置けば、契約期間の途中であってもいつでも(時期を問わず)解約できることを定める。

    例文(解除条項から):

    The Company may terminate this Agreement at any time by giving thirty (30) days’ prior written notice to the Contractor.

    (訳) 会社は、請負業者に対し30日の事前の書面による通知を行うことにより、いつでも本契約を解除することができる。

    【注記】

    • at any time: ここでは「契約期間満了を待たずに」という意味が強く含まれます。
    • prior written notice: 事前の書面による通知。いくら「いつでも」であっても、相手方の準備期間(この場合は30日)を設けるのが一般的です。
  • at all times

    訳:

    常に、いかなる時も、終始

    意味合い:

    契約期間中、一時的な中断もなく継続的に義務を負うことを指します。一瞬の油断も許されない機密情報の保持や、法令遵守、保険の維持など、状態を常にキープすべき義務について使用されます。

    用法:

    主に 秘密保持条項(Confidentiality Clause)法令遵守条項(Compliance Clause) で使用されます。

    1. (継続的な秘密保持): 秘密情報の漏洩防止策を、特定の作業時だけでなく常に(いかなる時も)講じ続けることを義務付ける。

    例文(秘密保持条項から):

    The Receiving Party shall, at all times, keep the Confidential Information in strict confidence and prevent any unauthorized access or disclosure.

    (訳) 受領当事者は、常に(いかなる時も)、秘密情報を厳格に秘密として保持し、不正なアクセスまたは開示を防止するものとする。

    【注記】

    • at all times: 「契約期間中ずっと」という時間的な継続性を強調します。
    • strict confidence: 厳格な秘密。単なる秘密保持よりも高い注意義務を課すニュアンスがあります。
  • at all reasonable times

    訳:

    合理的な時間内に、妥当な時間に、随時(ただし常識的な範囲で)

    意味合い:

    「いつでも」という意味を含みつつも、相手方の通常の業務時間を考慮し、過度な負担や妨害を与えない範囲内であることを指します。主に、相手方の施設への立ち入りや帳簿の閲覧など、相手方の協力が必要な権利を行使する際の制約条件として機能します。

    用法:

    主に 監査権条項(Audit Clause)閲覧・検査条項(Inspection Clause) において、権利行使のタイミングを規定する際に使用されます。

    1. (帳簿の閲覧): 監査人が会計帳簿を確認する際、相手方の業務を妨げない合理的な時間内に行うことを義務付ける。

    例文(監査権条項から):

    The Company shall allow the Auditor to inspect its books and records at all reasonable times upon prior written notice.

    (訳) 会社は、事前の書面による通知があった場合、合理的な時間内において、監査人が会社の会計帳簿および記録を閲覧することを認めるものとする。

    【注記】

    • at all reasonable times: 通常、土日祝日や深夜を除いた「通常の営業時間内」を指すと解釈されます。
    • upon prior written notice: 事前の書面による通知があった場合。抜き打ち検査ではなく、事前の調整を前提としていることを示します。
  • assume

    訳:

    (責任・義務・負債などを)引き受ける、負う;(〜と)仮定する、想定する

    意味合い:

    大きく分けて2つの重要な法的意味を持ちます。

    1. 義務の引き受け: 他者が負っていた負債や法的義務を、自らが譲り受けて負担すること。
    2. 事実の仮定: ある事柄が真実である、または将来発生すると(証拠が確定する前に)前提として置くこと。この想定(Assumption)が崩れた場合、契約の履行条件や価格の再交渉を求める根拠となります。

    用法:

    意味に応じて、以下の条項で使用されます。

    1. (負債の引き受け): 資産譲渡契約(Asset Purchase Agreement) 等において、買主が売主の債務を承継することを定める。(例文1)
    2. (事実の想定): 業務範囲条項(Scope of Work / SOW)計算条項(Calculation Clause) において、価格や納期を決める際の前提条件を明示する際に使用される。(例文2)

    例文1(資産譲渡契約から):

    The Buyer shall assume and agree to perform all of the Seller’s liabilities and obligations relating to the Business arising after the Closing Date.

    (訳) 買主は、クロージング日以降に発生する事業に関する売主のすべての債務および義務を引き受け、履行することに合意する。

    例文2(事実の仮定:価格改定・計算条項から)

    For the purposes of calculating the Service Fee, the Parties assume that the exchange rate shall remain within the range specified in Exhibit A.

    (訳) サービス料金を算出する目的において、両当事者は、為替レートが別紙Aに定める範囲内に留まるものと想定(仮定)する

    【注記】

    • assume and agree to perform: 引き受けて履行することに合意する。単に義務を引き受けるだけでなく、実際に実行(履行)することまでセットで約束する定型表現。
    • assume that…: 〜と想定する。ビジネス上の見積もりや計画において、「もしこの前提が崩れたら責任は負えない」という防衛線として機能します。
  • assure

    訳:

    ~を確保する、~を保証する、~を確約する

    意味合い:

    assurance の動詞形であり、相手方に対して「間違いなく〜であることを保証する」、あるいは「〜という状態を確実にする」という積極的な行為を指します。契約において当事者が責任を持って特定の状態を維持することを宣言する際に使われます。

    用法:

    主に 表明保証条項(Representation and Warranty Clause)履行保証条項 において、ライセンスや許可の有効性を保証する文脈などで使用されます。

    1. (ライセンスの有効性保証): 事業運営に必要な許可等がすべて有効であることを、買主に対して保証(確約)することを定める。

    例文(表明保証条項から):

    The Seller assures the Buyer that all necessary licenses and permits required for the operation of the Business are valid and in full force and effect.

    (訳) 売主は、事業の運営に必要なすべてのライセンスおよび許可が有効であり、完全に効力を有していることを買主に対して保証(確約)する。

    【注記】

    • assures the Buyer: 買主に対して保証する。誰に対して確約を行っているのかを明示しています。
    • licenses and permits: ライセンスおよび許可。事業譲渡やM&Aにおいて、事業の適法性を担保するための最重要チェック項目です。
  • assurance

    訳:

    保証、確約、確信させること

    意味合い:

    相手方に対して、ある事実が真実であることや、特定の義務が必ず果たされることを確約し、安心感を与えることを指します。warranty よりも「確かな約束」というニュアンスが強く、相手方の懸念を払拭するための表明として使われます。

    用法:

    主に 表明保証条項(Representation and Warranty Clause)協力義務条項(Cooperation Clause) において、契約の有効性や履行の確実性を保証する際に使用されます。

    1. (契約の有効性の保証): 事業運営に不可欠な全契約が有効であることを、買主に対して全面的に保証(確約)することを定める。

    例文(表明保証条項から):

    The Company provides full assurance to the Purchaser that all material agreements necessary for the operation of the Business are in full force and effect.

    (訳) 会社は買主に対し、本件事業の運営に不可欠なすべての主要契約が、有効かつ存続していることを全面的に保証(確約)するものとする。

    【注記】

    • full assurance: 全面的な保証(確約)。曖昧さを排除し、強い確実性を付与する強調表現です。
    • in full force and effect: 完全に有効で存続している。契約が法的に有効な状態にあることを示す定型句。
  • assumption of risk

    訳:

    リスクの引き受け、危険の引受

    意味合い:

    ある行為に伴う潜在的な損害や危険を、自らの責任として受け入れることを指します。法的には、相手方の過失を問わないことや、発生した損害について自ら全責任を負うことを承諾する「免責」の根拠として機能します。

    用法:

    主に 免責条項(Disclaimer Clause / Limitation of Liability Clause) において、特定の技術やサービスの使用に伴うリスクをユーザー側が負うことを明示する際に使用されます。

    1. (自己責任の確認): ライセンス技術の使用が単独の責任で行われることを確認し、これによりリスクの引き受けが成立することを定める。

    例文(免責条項から):

    The Licensee hereby acknowledges and confirms that the use of the Licensed Technology is at its sole risk, which constitutes an assumption of risk by the Licensee.

    (訳) ライセンシーは、本ライセンス技術の使用が自らの単独の責任において行われるものであることを、本契約により確認するものとし、これにより当該使用に係る一切の危険を引き受ける(リスクの引き受けを構成する)ものとする。

    【注記】

    • at its sole risk: その単独の責任において。相手方に一切の責任を転嫁しないことを意味します。
    • constitutes an assumption of risk: リスクの引き受けを構成する。法的な免責の効果が発生していることを宣言する表現です。