• assumption

    訳:

    前提条件、仮定;(義務・負債などの)引き受け、承継

    意味合い:

    文脈により、大きく分けて2つの重要な法的意味を持ちます。

    1. 前提条件: 合意や提案の基礎となる事前の仮定や事実(前提)。これが崩れると契約内容の再調整が必要になります。
    2. 義務の引き受け: 他者が負っていた負債や義務を、自らが引き受けて負担すること。M&Aなどの資産譲渡で頻出します。

    用法:

    一般条項(Miscellaneous Clauses) や提案書では「前提条件」として、 資産譲渡契約(Asset Purchase Agreement)譲渡条項(Assignment Clause) では「義務の引き受け」として使用されます。

    1. (事実の前提): 提案内容が「顧客からデータが提供されること」を前提条件としていることを示す。(例文1)
    2. (負債の引き受け): 買収に伴い、買主が被買収会社のすべての負債を承継(引き受け)することを定める。(例文2)

    例文1(コンサルティング契約等から):

    This proposal is based on the assumption that the Client will provide all necessary data by July 31, 2025.

    (訳) 本提案は、顧客が2025年7月31日までにすべての必要なデータを提供することを前提条件として策定されている。

    例文2(M&A契約から):

    Upon the closing of the acquisition, the Buyer shall effect the assumption of all liabilities of the acquired company.

    (訳) 本買収のクロージングをもって、買主は、被買収会社のすべての負債を承継する(引き受ける)ものとする。

    【注記】

    • assumption of liabilities: 負債の引き受け。契約上の権利だけでなく、マイナスの財産である負債も引き継ぐことを明示する表現です。
    • based on the assumption: 〜という前提に基づいている。前提が満たされない場合の責任回避に繋がる重要なフレーズです。
  • associated with

    訳:

    ~に関係する、~に関連する、〜に伴う

    意味合い:

    ある事象、行為、または損害が、特定の対象と結びついていること(関連性)を広く示す表現です。caused by(〜によって引き起こされた)よりも範囲が広く、直接的な原因だけでなく、付随的に発生した関連事項まで網羅するために使用されます。

    用法:

    主に 補償条項(Indemnification Clause)責任制限条項(Limitation of Liability Clause) において、補償の対象となる損害の範囲を画定する際に使用されます。

    1. (関連損失の補償): ライセンスシステムの運用に関連して(伴って)発生する、あらゆる損失や費用を補償の対象とすることを定める。

    例文(補償条項から):

    Party A shall indemnify Party B from any losses, damages, or expenses associated with the operation of the Licensed System.

    (訳) 当事者Aは、ライセンスシステムの運用に関連して発生する一切の損失、損害、または費用について、当事者Bを補償するものとする。

    【注記】

    • associated with: 〜に関連する。直接の故障だけでなく、運用に伴う派生的な費用なども広く含むニュアンスがあります。
    • indemnify from…: 〜から補償する。損失から相手方を守る(補填する)という強い法的義務を示します。
  • assist

    訳:

    ~を支援する、~に協力する、〜を助ける

    意味合い:

    一方の当事者が特定の義務を遂行したり、権利を保護したりする際に、他方の当事者がその遂行を助ける(協力する)ことを指します。通常、単なるボランティアではなく、契約目的を達成するために「合理的な範囲(reasonably)」で行われるべき義務として規定されます。

    用法:

    主に 秘密保持条項(Confidentiality Clause)知的財産権条項(Intellectual Property Clause) において、情報漏洩の防止や権利侵害への対応のために協力する文脈で使用されます。

    1. (情報の保護支援): 開示当事者が機密情報を保護する活動を行う際、受領当事者が合理的な範囲で協力・支援する義務を定める。

    例文(秘密保持条項から):

    The Receiving Party shall reasonably assist the Disclosing Party in protecting the Confidential Information.

    (訳) 受領当事者は、開示当事者による秘密情報の保護に関し、合理的な範囲で開示当事者を支援(協力)するものとする。

    【注記】

    • reasonably assist: 合理的な範囲で支援する。無限の負担を負うのではなく、ビジネス上妥当な範囲での協力を求める限定的な表現です。
    • in protecting…: 〜の保護において。支援が必要となる具体的な活動内容を示しています。
  • assignor

    訳:

    譲渡人(ゆずりわたしにん)

    意味合い:

    契約上の権利や財産を、第三者(譲受人:assignee)に対して譲り渡す当事者を指します。譲渡が行われた後は、その権利を失う(あるいは義務から解放される)立場にあります。譲渡の対象物が自分のものであること(所有権)を表明保証する役割を担うことが多いです。

    用法:

    主に 知的財産権譲渡契約(IP Assignment Agreement)譲渡条項(Assignment Clause) で、権利を放出する側を特定する際に使用されます。

    1. (所有権の表明保証): 譲渡人が、譲渡対象となる権利の唯一の所有者であることを保証する。

    例文(知的財産権譲渡契約から):

    The Assignor hereby represents and warrants that it is the sole and exclusive owner of the Intellectual Property Rights subject to this assignment.

    (訳) 譲渡人は、本譲渡の対象となる知的財産権の唯一かつ排他的な所有者であることを、ここに表明し、保証する。

    【注記】

    • Assignor vs. Assignee: 語尾が “-or”(または -er)は「〜する側(行う側)」を意味します。
    • sole and exclusive owner: 唯一かつ排他的な所有者。譲渡人が本当にその権利を持っているかどうかは、譲受人にとって最大の関心事です。
  • Assignment Clause

    訳:

    譲渡条項

    意味合い:

    契約当事者が、その契約上の地位や権利・義務を第三者に譲渡することを制限、または許可する条件を定めた条項のことです。原則として「相手方の事前の書面による同意」を必要とすることが一般的ですが、グループ会社への譲渡は自由とするなどの例外(Permitted Assignment)を設けることもあります。

    用法:

    契約書の後半に配置される 一般条項(Miscellaneous Clauses) の一つとして、必ずといっていいほど含まれます。

    1. (譲渡の原則禁止と例外): 同意なしの譲渡を禁止しつつ、その同意を不当に留保しない(拒絶しない)ことを定める。

    例文(譲渡条項):

    Neither Party shall assign or delegate this Agreement or any of its rights or obligations hereunder without the prior written consent of the other Party, which consent shall not be unreasonably withheld or delayed.

    (訳) いずれの当事者も、相手方の事前の書面による同意なしに、本契約または本契約に基づくその権利もしくは義務を、譲渡または委託してはならない。ただし、当該同意は正当な理由なく拒否(留保)され、または遅延させられないものとする。

    【注記】

    • unreasonably withheld or delayed: 不当に(正当な理由なく)拒絶されたり遅延されたりしない。譲渡を希望する側に配慮した公平な調整文言です。
    • assign or delegate: 譲渡または委託。権利の譲渡(assignment)と義務の委託(delegation)を併記して網羅します。
  • Assignment by Operation of Law

    訳:

    法律の作用による譲渡

    意味合い:

    当事者の意思表示(譲渡契約)によらず、合併、会社分割、相続、破産などの法的イベントによって、権利義務が自動的に移転することを指します。通常の譲渡禁止条項だけでは、この「法律の作用による移転」を防げない場合があるため、M&Aによる事実上の当事者交代を制限したい場合には、この文言を明記することが実務上極めて重要です。

    主に 譲渡条項(Assignment Clause) において、一般的な譲渡だけでなく、合併等による移転も制限の対象に含める際に使用されます。

    用法 :

    1. (包括的な譲渡制限): 法律の作用によるものか否かを問わず、相手方の同意なしに契約上の地位を譲渡することを禁じる。

    例文(譲渡条項から):

    Neither Party shall assign this Agreement, in whole or in part, by operation of law or otherwise, without the prior written consent of the other Party.

    (訳) 両当事者は、法律の作用によるか否かを問わず、事前に相手方の書面による承諾を得ることなく、本契約の全部または一部を譲渡してはならない。

    【注記】

    • by operation of law or otherwise: 法律の作用によるか、あるいはその他の方法(通常の譲渡契約)によるかを問わず。あらゆる形態の移転を網羅する定型表現。
    • M&A対策: 相手方が競合他社に買収(合併)された際に、契約を解除したい場合などにこの文言が効力を発揮します。
  • assignment

    訳:

    (財産・権利などの)譲渡;(業務などの)割り当て、配分

    意味合い:

    大きく分けて2つの意味を持ちます。一つは、権利、財産、または契約上の地位を第三者に移転させること(譲渡)。もう一つは、プロジェクト管理などにおいて、特定の人員にタスクや責任を割り振ること(割り当て)です。英文契約では、どちらの意味で使われているかを文脈(知的財産権なのか、業務遂行なのか)で見極める必要があります。

    用法:

    知的財産権条項(Intellectual Property Clause) では「譲渡」として、業務委託契約(Service Agreement)業務範囲条項(Scope of Work Clause) では「割り当て」として使用されます。

    1. (権利の譲渡): 創作された知的財産権の完全な譲渡を受けることを定める。(例文1)
    2. (業務の割り当て): スタッフへの業務の割り当て(タスク配分)に関する責任を定める。(例文2)

    例文1(知的財産権条項から):

    The Company shall obtain a full assignment of all Intellectual Property Rights created by the Contractor during the term of this Agreement.

    (訳) 会社は、本契約期間中に受託者が創作したすべての知的財産権について、完全な譲渡を取得するものとする。

    例文2(業務委託契約から):

    The Project Manager shall be responsible for the assignment of tasks and supervision of the Contractor’s personnel.

    (訳) プロジェクトマネージャーは、業務の割り当ておよび受託者の人員の監督について責任を負うものとする。

    【注記】

    • full assignment: 完全な譲渡。一部の利用許諾(License)ではなく、権利そのものを移転させることを強調しています。
    • assignment of tasks: タスクの割り当て。この文脈では「譲渡」ではなく「配分・管理」を意味します。
  • assigning party

    訳:

    譲渡人、譲渡当事者

    意味合い:

    契約上の権利や地位を、第三者へ譲り渡そうとする当事者を指します。assignor と同義ですが、文脈上「現在譲渡の手続きを行っている当事者」というニュアンスを強める際に使われます。譲渡にあたって、相手方への通知や同意取得の義務を負う主体として記述されます。

    用法:

    主に 譲渡条項(Assignment Clause)通知条項(Notice Clause) において、譲渡の手続き的な義務(通知義務など)を規定する際に使用されます。

    1. (通知義務): 譲渡当事者が、譲渡の事実を相手方に対して速やかに通知する義務を負うことを定める。

    例文(譲渡条項から):

    The assigning party shall provide prompt written notice of any assignment to the other party to this Agreement.

    (訳) 譲渡当事者は、いかなる譲渡についても本契約の相手方当事者に対し、速やかに書面で通知を行うものとする。

    【注記】

    • assigning party: 「譲渡を行う側のパーティー」という意味で、手続き上の義務者を指す際に便利です。
    • prompt written notice: 速やかな書面による通知。譲渡の有効性や対抗要件に関連する実務上重要な手続きです。
  • assignee

    訳:

    譲受人(ゆずりうけにん)

    意味合い:

    契約上の権利や地位を、他者から譲り受ける当事者を指します。元の当事者(譲渡人:assignor)に代わって、契約上の利益を享受し、あるいは義務を承継する立場となります。譲渡制限条項がある契約では、「正当に認められた譲受人(permitted assignee)」のみがその地位を得られます。

    用法:

    主に 譲渡条項(Assignment Clause)効力発生条項(Successors and Assigns Clause) において、新たに契約当事者となる者の権利と義務を定義する際に使用されます。

    1. (契約内容の承諾): 譲受人が本契約の条件を理解し、それらに拘束されることに同意することを確認する。

    例文(譲渡条項から):

    The Assignee acknowledges that it has reviewed the terms and conditions of this Agreement and agrees to be bound by them.

    (訳) 譲受人は、本契約の条件を十分に理解したことを確認し、それらに拘束されることに同意する。

    【注記】

    • Assignee vs. Assignor: 語尾が “-ee” は「〜される側(受ける側)」を意味します。
    • bound by them: それら(契約条件)に拘束される。譲受人が元の契約内容をそのまま引き継ぐことを示す重要な表現です。
  • assign and transfer

    訳:

    譲渡する、移転する

    意味合い:

    assign transfer を並べた法的重語(Legal Doublet)です。英米法の伝統的な書法で、権利の「譲渡(assignment)」と、事実上の「移転(transfer)」を両方網羅することで、あらゆる形式の地位の移動を漏れなくカバーしようとする意図があります。現代では単独の assign で十分な場合も多いですが、包括性を強調するために現在も頻繁に使用されます。

    用法:

    主に 譲渡条項(Assignment and Transfer Clause) において、契約上の地位や権利義務の全体を第三者に移転させることを包括的に記述する際に使用されます。

    1. (包括的譲渡の制限): 権利だけでなく義務も含めた契約上の地位を譲渡・移転(assign and transfer)することを制限する。

    例文(契約譲渡条項から):

    Neither Party shall assign and transfer this Agreement or any of its rights or obligations hereunder without the prior written consent of the other Party.

    (訳) いずれの当事者も、相手方当事者の事前の書面による同意なく、本契約、または本契約に基づく権利もしくは義務を譲渡することはできない。

    【注記】

    • rights or obligations hereunder: 本契約に基づく権利または義務。単なる権利の譲渡(Assignment)だけでなく、義務の引き受けも含むことを明示している。
    • prior written consent: 事前の書面による同意。譲渡を有効にするための厳格な要件。