• assign

    訳:

    【動】(権利・義務などを)譲渡する、移転する 【名】(正当な)譲受人、承継人

    意味合い:

    契約上の地位や、そこから生じる権利(売掛債権など)を第三者に移すことを指します。動詞としては、相手方の同意なく勝手に譲渡することを禁じる文脈で多用されます。また、名詞としての assigns は、契約の当事者だけでなく、将来その権利を適法に譲り受けた者(譲受人)も契約の効力に縛られ、同時に利益を享受することを示すために使われます。

    用法:

    主に 譲渡制限条項(Assignment Clause)効力発生条項(Successors and Assigns Clause) で使用されます。

    1. (譲渡の禁止): 相手方の書面による事前の同意なしに、本契約を譲渡(assign)することを禁じる。(例文1)
    2. (譲受人への効力): 契約の効力が、当事者だけでなくその譲受人(assigns)にも及ぶことを定める。(例文2)

    例文1(譲渡制限条項から):

    Neither Party may assign this Agreement, in whole or in part, without the prior written consent of the other Party.

    (訳) いずれの当事者も、相手方当事者の事前の書面による同意なしに、本契約の全部または一部を譲渡することはできない。

    例文2(効力発生条項から):

    This Agreement shall be binding upon and inure to the benefit of the Parties hereto and their respective permitted assigns.

    (訳) 本契約は、本契約の当事者およびそれぞれの認められた譲受人を拘束し、その利益となるものとする。

    【注記】

    • permitted assigns: 認められた譲受人。相手方の同意を得た、または契約上例外として認められた正当な権利承継者。
    • binding upon and inure to the benefit of: 〜を拘束し、その利益となる。契約の効力が誰に及ぶかを規定する決まり文句。
  • Asset Purchase Agreement

    訳:

    資産譲渡契約

    意味合い:

    会社の事業の一部または全部を構成する「資産」を個別に指定して譲渡する形式の契約です。会社そのものを売買する「株式譲渡(Stock Purchase)」とは異なり、買主は特定の資産(設備、在庫、取引先など)と、合意した負債のみを引き継ぐことができるため、リスクをコントロールしやすいという特徴があります。実務では頭文字をとって APA と呼ばれます。

    用法:

    契約書のタイトルや、関連する取引を参照する 本契約の目的(Scope of Agreement / Subject Matter Clause) などで使用されます。

    1. (契約の締結確認): 製造施設などの取得を目的として、資産譲渡契約(Asset Purchase Agreement)を締結したことを確認する。

    例文(資産譲渡契約から):

    The Buyer and the Seller entered into an Asset Purchase Agreement for the acquisition of the manufacturing facility and its related machinery.

    (訳) 買主と売主は、製造施設および関連機械の取得に関する資産譲渡契約を締結した。

    【注記】

    • acquisition of…: 〜の取得。契約の目的が特定の資産の購入であることを示している。
    • manufacturing facility: 製造施設。工場などの物理的な資産がAPAの対象となる典型例。
  • asset

    訳:

    資産、財産

    意味合い:

    会社や個人が保有する、経済的価値のあるすべてのリソースを指します。現金、不動産、設備などの有形資産(tangible assets)だけでなく、特許権、著作権、ブランド、顧客リストなどの無形資産(intangible assets)も含まれます。契約において「資産(Asset)」という言葉が使われる場合、その範囲がどこまで及ぶかは定義条項や目録(Schedule)で厳密に管理されます。

    用法:

    主に 資産譲渡契約(Asset Purchase Agreement)表明保証条項(Representation and Warranty Clause) で、譲渡の対象物や、保証の対象となる会社財産を特定する際に使用されます。

    1. (資産の譲渡合意): 事業に関連するすべての資産(assets)、財産、権利を売買することに合意する。

    例文(資産譲渡契約から)

    The Seller hereby agrees to sell and the Buyer hereby agrees to purchase all the assets, properties, and rights related to the Business.

    (訳) 売主は、本契約に基づき、本事業に関連するすべての資産、財産および権利を売却することに合意し、買主は、これらを買い受けることに合意する。

    【注記】

    • assets, properties, and rights: 資産、財産および権利。譲渡対象を漏れなく網羅するために併記される定型的なセットフレーズ。
    • related to the Business: 事業に関連する。譲渡される資産の範囲を「特定の事業に関連するもの」に限定している。
  • assessment

    訳:

    資産評価、査定、課税評価、賦課

    意味合い:

    物事の価値、数量、または税額などを客観的に評価・決定するプロセスや、その結果を指します。M&Aにおける企業価値評価(Valuation)や、不動産・知的財産の価値査定、さらには税務当局による税額の決定(Tax assessment)など、金銭的な基準を定める際に使用されます。

    用法:

    主に 資産譲渡契約(Asset Purchase Agreement)価格決定条項(Pricing Clause / Valuation Clause) で使用されます。

    1. (価値の査定): 買収前に、第三者機関などによる株式の市場価値の評価(assessment)について合意することを定める。

    例文(M&A契約から):

    The Parties shall mutually agree on an independent assessment of the market value of the shares prior to acquisition.

    (訳) 両当事者は、買収に先立ち、株式の市場価値に関する独立した評価(査定)について相互に合意するものとする。

    【注記】

    • independent assessment: 独立した(第三者による)評価。公平性を担保するために、利害関係のない専門家による査定を求める表現。
    • prior to acquisition: 買収に先立ち。評価を行うべきタイミングを特定している。
  • assert

    訳:

    (権利、請求などを)主張する、断言する、行使する

    意味合い:

    単に何かを述べるだけでなく、自己の権利や法的地位を「強く主張する」「(法的手段を辞さない形で)断言する」というニュアンスを含みます。紛争解決や知的財産権の文脈において、第三者が権利侵害を訴えてくる(権利を主張してくる)場面や、当事者が補償を請求する権利を行使する場面で多用されます。

    用法:

    主に 知的財産権条項(Intellectual Property Clause)補償条項(Indemnification Clause) で、権利の侵害主張や損害賠償の請求権に関連して使用されます。

    1. (第三者からの権利主張): 第三者が知的財産権の侵害を主張(assert)してきた際の通知義務を定める。(例文1)
    2. (補償請求の行使): 規定の期間内に補償を主張・請求(assert)しなかった場合の権利失効について定める。(例文2)

    例文1(知的財産権条項から):

    The Licensee shall promptly notify the Licensor of any claim or threatened claim by a third party asserting that the Licensed Product infringes such third party’s intellectual property rights.

    (訳) ライセンシーは、ライセンス製品が第三者の知的財産権を侵害している旨を主張する当該第三者からの請求、またはかかる請求のおそれについて、速やかにライセンサーに通知するものとする。

    例文2(補償条項から):

    The Indemnified Party shall not assert any claim for indemnification if such claim is not made within the period specified in this Section.

    (訳) 被補償当事者は、本条に規定する期間内に補償請求を行わなかった場合、当該補償を請求(主張)することはできないものとする。

    【注記】

    • asserting that…: 〜であると主張する。分詞構文として、どのような内容を主張しているかを説明する。
    • threatened claim: 請求のおそれ(予兆)。実際に訴訟が起きる前の「警告」などの段階も含む広範な表現。
  • as to

    訳:

    ~に関して、~について

    意味合い:

    対象となる範囲を明確に限定するためのフレーズです。regarding about と同様ですが、より特定の事実や特定の法的な点について焦点を絞る際に好んで使用されます。

    用法:

    主に 表明保証条項(Representation and Warranty Clause) で保証の対象を特定する際や、 紛争解決条項(Dispute Resolution Clause) で争点の範囲を定義する際に使用されます。

    1. (保証の対象): 売却される資産の「所有権」に関してのみ表明保証することを定める。(例文1)
    2. (紛争の対象): ロイヤリティの「金額」に関して生じた紛争の解決方法を定める。(例文2)

    例文1(表明保証条項から):

    The Seller represents and warrants as to the title to all the assets being sold hereunder.

    (訳) 売主は、本契約に基づき売却されるすべての資産の所有権に関して表明保証する。

    例文2(支払い条項から):

    Any disputes as to the amount of royalties payable shall be resolved by an independent auditor.

    (訳) 支払われるべきロイヤリティの金額に関して生じたあらゆる紛争は、独立した監査人によって解決されるものとする。

    【注記】

    • as to the title: 所有権に関して。何を保証しているのかを明確に限定している。
    • independent auditor: 独立した監査人。特定の専門領域(金額等)に関する紛争解決を託す第三者。

  • as the case may be

    訳:

    状況に応じて、場合により、適宜、ケース・バイ・ケースで

    意味合い:

    複数の選択肢や可能性がある中で、「その時の状況に当てはまるもの」を自動的に選択・適用することを示す表現です。将来の不確定な要素に対して、契約書の記述を簡潔に保つために非常に便利です。

    用法:

    主に 通知条項(Notice Clause) や、役割分担の規定 において、複数の担当者や手続きのいずれかが適用される場面で使用されます。

    1. (宛先の選択): 通知の宛先を、その時の状況に応じてCEOまたはCFOのいずれかとすることを定める。

    例文(通知条項から):

    Any notice given hereunder shall be addressed to the Chief Executive Officer or the Chief Financial Officer, as the case may be.

    (訳) 本契約に基づく通知は、状況に応じて、最高経営責任者または最高財務責任者宛に送付するものとする。

    【注記】

    • as the case may be: 状況に応じて(いずれか適切な方へ)。二者択一や複数の状況がある場合に、その時々の正解を指す便利なフレーズ。
  • as soon as reasonably practicable

    訳:

    合理的に実行可能な限り速やかに

    意味合い:

    単に「直ちに(immediately)」とするのではなく、「実務上の準備や事情を考慮した上で、可能な限り早く」という柔軟性を持たせた期限の設定です。「速やかさ」を求めつつ、現実的に不可能な期限を強いないための配慮が含まれています。

    用法:

    主に 通知条項(Notice Clause)重大な事象の報告条項 において、遅延なく情報を共有すべき場面で使用されます。

    1. (重大な違反の通知): 契約違反が発生した際、合理的に実行可能な限り速やかに相手方に報告することを義務付ける。

    例文(通知条項から):

    The Party shall notify the other Party of the occurrence of any material breach as soon as reasonably practicable.

    (訳) 当事者は、重大な違反が発生した場合には、合理的に実行可能な限り速やかに相手方当事者に通知するものとする。

    【注記】

    • as soon as reasonably practicable: 合理的に実行可能な限り速やかに。単なる “as soon as possible” よりも、ビジネス上の「合理性」が判断基準に含まれるため、実務上の負担が考慮される。
    • material breach: 重大な違反。通知のトリガーとなる深刻な事態。
  • as set forth herein

    訳:

    本契約に規定する、本契約に定めるとおり

    意味合い:

    特定の条件、定義、または詳細なルールが、「この契約書の中」の別の場所で規定されていることを指し示すフレーズです。契約書の重複を避け、各条項間の整合性を保つための強力な参照ツールです。

    用法:

    主に 定義条項(Definition Clause) や、特定の条項を他の条項に関連付ける際の 参照条項(Reference Clause)で使用されます。

    1. (定義の引用): 特定の用語(例:ライセンス技術)の意味を、別の条文で規定された通りとすることを宣言する。

    例文(定義条項から):

    “Licensed Technology” shall have the meaning as set forth herein in Section 3.1.

    (訳) 「ライセンス技術」は、本契約第3条第1項に規定する意味を有するものとする。

    【注記】

    • set forth: 規定する、述べる。法務文書で「定める」を意味する代表的な表現。
    • herein: この契約書の中に。契約書の外部ではなく、内部に規定があることを強調する。
  • as reasonably required

    訳:

    合理的に要求された、合理的に必要とされる

    意味合い:

    一方当事者の主観的な判断ではなく、「客観的に見て妥当な範囲内」で必要性が認められる場合にのみ、対応を求めるという制限付きの義務を示す表現です。不当に広範な要求を防ぎつつ、契約の目的達成に必要な協力を確保するために使われます。

    用法:

    主に 協力義務条項(Cooperation Clause)追加手続条項(Further Assurance Clause) において、権利の完全な履行に必要な書類作成などを求める際に使用されます。

    1. (追加文書の交付): 本契約の効果を確実にするため、相手方が合理的に要求する追加の書類を交付する義務を定める。

    例文(協力義務条項から):

    Each Party shall execute and deliver such further documents and instruments as may be reasonably required by the other Party to give full effect to this Agreement.

    (訳) 各当事者は、本契約を完全に履行するために、相手方が合理的に要求する追加の文書および証書を作成し、交付するものとする。

    【注記】

    • as may be reasonably required: 合理的に要求される。単なる “required” よりも、要求内容の妥当性を問うことができるため、義務を負う側にとっての防衛策となる。
    • give full effect to this Agreement: 本契約を完全に履行する(効力を発揮させる)。追加的な協力が必要な目的を定義している。