• copy

    訳:

    ①(動詞)複製する、コピーする
    ②(名詞)複製品、写し、コピー

    意味合い:

    ①既存の著作物やデータと同一のものを作成することを指します。 ②作成された複製物そのものを指します。

    ※ Legal Interpretation:

    • Confidential Information: 秘密保持条項において copies に言及する場合、単なる紙のコピーだけでなく、デジタルデータとしての複製やバックアップも含まれます。契約終了時には、これら全ての「複製物」を破棄または返還する義務が生じます。

    💡 Practical Tip: ソフトウェアライセンスや著作権関連の契約では、copy(複製)を許可するのか禁止するのかが核心となります。また、機密保持では 「copies thereof in its possession or control(自己の占有または管理下にある複製品)」 という表現により、社内のサーバーや個人のPC内に残っているデータも漏れなく対象に含めるのが実務です。

    用法:

    1. (複製禁止): 知的財産権条項(IP Clause) 等で、許可なくソフトウェア等を複製することを禁止する。
    2. (複製物の返還): 機密保持条項(Confidentiality Clause) 等で、終了時に全ての複製品(コピー)の返還・破棄を命じる。

    例文1(知的財産権条項:Intellectual Property Clause から:①動詞用法):

    Licensee shall not copy, modify, or distribute the Software, in whole or in part, without the prior written consent of Licensor.

    (訳) ライセンシーは、ライセンサーの事前の書面による承諾なく、本ソフトウェアの全部または一部を複製、改変、または頒布してはならないものとする。

    例文2(機密保持条項:Confidentiality Clause から:②名詞用法):

    Upon termination, Recipient shall return or destroy all Confidential Information and all copies thereof in its possession or control.

    (訳) 本契約の終了時、受領当事者は、その占有または管理下にあるすべての機密情報およびその一切の複製品(コピー)を返還または破棄しなければならない。

    【注記】

    • in whole or in part: 全部または一部を。
    • thereof: それの(Confidential Informationの)。
    • possession or control: 占有または管理。
  • Cooperation Clause

    訳:

    協力義務条項、協力条項

    意味合い:

    契約の目的を円滑に達成するために、双方が誠実に協力し合うことを定めた条項です。具体的には、必要な書類への署名や情報の提供などが含まれます。

    ※ Legal Interpretation:

    • Further Assurance: 米英法では Further Assurance とも呼ばれます。契約締結後に、例えば役所への登録手続き(特許登録など)が必要になった際、相手に「協力して書類を書いてください」と法的に請求できる根拠になります。

    💡 Practical Tip: 単なる「仲良くしましょう」という精神規定ではなく、実務上は「事後的な手続きを拒否させない」ための防衛手段です。例えば譲渡した特許の移転登記に相手が協力してくれない場合、この条項を根拠に履行を迫ることができます。

    用法:

    主に 協力義務条項(Cooperation Clause) 一般条項 で使用されます。

    1. (契約目的達成のための協力): 契約の意図を完全に実現するために必要な協力と文書作成を義務付ける。

    例文(協力義務条項:Cooperation Clause から):

    Each Party shall cooperate with the other Party and execute such documents as may be reasonably necessary to give full effect to the intent of this Agreement.

    (訳) 各当事者は、本契約の意図を完全に実現するために、互いに協力し、合理的に必要な文書を作成(署名・捺印)するものとする。

    【注記】

    • execute such documents: (契約書や申請書などの)文書を作成(執行・署名)する。
    • give full effect to: ~を完全に実現する、~に十分な効力を与える。
  • convey

    訳:

    ~を譲渡する、~を移転する、~を引き渡す

    意味合い:

    権利や財産を他人に移すことを指します。特に不動産や知的財産権の「完全な移転」という文脈で好まれる、格式高い重厚な表現です。

    ※ 比較解説(実務的深掘り):

    • Transfer / Assign との比較: assign が「契約上の権利の譲渡」、transfer が「一般的な移転」を指すのに対し、convey 「(物理的・象徴的に)引き渡す、授ける」というニュアンスを含みます。知的財産権の譲渡条項では、漏れがないように assign, transfer, and convey と3つセットで使われるのが伝統的です。

    💡 Practical Tip: IP(知的財産)譲渡条項でこの3語セットが出てきたら、それは「一切の例外なく、その権利の『全て(Right, Title, and Interest)』を渡す」という強い意思表示です。譲受側(Buyer/Assignee)としては、この convey が入っていることで、より包括的な権利移転が行われたと主張しやすくなります。

    用法:

    主に 知的財産権条項(IP Clause)譲渡条項(Assignment Clause) で使用されます。

    1. 包括的な権利譲渡): 知的財産権に関する一切の利益を完全に譲渡・移転することを宣言する。

    例文(知的財産権条項:Intellectual Property Clause から):

    Assignor hereby assigns, transfers, and conveys to Assignee all of Assignor’s right, title, and interest in and to the Intellectual Property.

    (訳) 譲渡人は、本知的財産に関する譲渡人の一切の権利、権限および利益を、譲受人に対し、ここに譲渡し、移転し、引き渡すものとする。

    【注記】

    • right, title, and interest: (財産に対する)一切の権利、権限、および利益。(完全な所有権を指す3点セット)
    • hereby: (この契約書によって)ここに、これをもって。
  • controversy

    訳:

    論争、紛争、争議

    意味合い:

    当事者間での見解の相違や言い争いを指します。契約書では通常 dispute(紛争)や claim(請求)と並べて、「あらゆる揉め事」を網羅する表現として使われます。

    ※ Legal Interpretation:

    • Scope of Arbitration: 紛争解決条項において Any controversy or claim と表現することで、契約の有効性そのものに関する争いや、契約に基づく不法行為責任など、契約に関連する全ての法的な争いをカバーしようとする意図があります。

    💡 Practical Tip: 単に「Dispute」と書くよりも、controversydifference などの類語を並べることで、将来の揉め事が「これは契約書の言葉の定義に当てはまらないから仲裁の対象外だ」と逃げられる隙をなくします。

    用法:

    主に 紛争解決条項(Dispute Resolution Clause)仲裁条項(Arbitration Clause) で使用されます。

    1. (仲裁対象の定義): 本契約から生じる一切の論争を仲裁によって解決することを定める。

    例文(紛争解決条項:Dispute Resolution Clause から):

    Any controversy or claim arising out of or relating to this Agreement shall be settled by arbitration in accordance with the rules of JCAA.

    (訳) 本契約から生じる、または本契約に関連するいかなる論争または請求も、JCAA(日本商事仲裁協会)の規則に従い、仲裁によって解決されるものとする。

    【注記】

    • arising out of or relating to: ~から生じる、または~に関連する。(紛争の範囲を広げる定型句)
    • settled by arbitration: 仲裁によって解決される。
    • in accordance with: ~に従って。
  • controlling

    訳:

    ①(言語・法律・規定が)優先する、決定的な、正文となる
    ②支配している、管理している、統制している

    意味合い:

    • ①優先・正文: 複数の言語(例:日英併記)や規定がある場合に、矛盾が生じた際の「最終的な基準」となることを指します。
    • ②支配・管理: ある法人の議決権を多数保有するなど、その経営を実質的に「支配」している状態を指します。

    ※ Legal Interpretation:

    • ①のケース: 裁判所は controlling version(正文)を唯一の根拠として解釈を行います。翻訳版に誤りがあっても、この語で指定された言語が絶対的な効力を持ちます。
    • ②のケース: 「支配株主(controlling shareholder)」のように、法的な責任主体や関連会社の範囲を特定する際に不可欠な概念です。

    💡 Practical Tip: 契約実務において最も頻出するのは①の「言語の優先」です。一方、M&Aやコンプライアンスの文脈では②の「支配」が重要になります。読者がどちらの文脈でこの語に出会っても迷わないよう、両方の側面を理解しておく必要があります。

    用法:

    1. (正文の指定): 言語条項(Language Clause)優先順位条項で、解釈の基準となる言語を特定する。
    2. (支配関係の定義): 定義条項(Definitions Clause)支配権変更条項で、企業の支配主体を特定する。

    例文1(言語条項:Language Clause から:①優先・正文の意味):

    This Agreement is prepared in English and Japanese. In the event of any discrepancy, the English language version shall be controlling.

    (訳) 本契約は英語および日本語で作成される。解釈に相違(不一致)がある場合は、英語版が優先(基準)するものとする。

    例文2(定義条項:Definitions Clause から:②支配・管理の意味):

    “Parent” means any entity that owns a controlling interest in the voting securities of the Company.

    (訳) 「親会社」とは、会社の議決権を有する証券(株式)の支配的な利害関係(支配株)を所有する法人を意味する。

    【注記】

    • discrepancy: 相違、不一致。
    • shall be controlling: 優先するものとする、支配的な効力を持つものとする。
    • controlling interest: 支配的利害(支配権)。通常は50%超の議決権を指します。
    • voting securities: 議決権のある証券(株式など)。
  • Control Clause

    訳:

    支配条項、支配権変更条項(Change of Control Clause)

    意味合い:

    契約当事者の経営権や株主構成に重大な変化(買収、合併、主要株主の交代など)が生じた場合の扱いを定める条項です。

    ※ Legal Interpretation:

    • Change of Control (CoC): 経営主体が変わることで、契約相手が「予期せぬ第三者(ライバル企業など)」と取引を継続せざるを得なくなるリスクを防ぐための規定です。通常、通知義務と、他方当事者による「解除権」の付与がセットになります。

    💡 Practical Tip: M&Aが活発な業界では、この条項の有無が買収価格やスキームに影響を与えることがあります。相手方が「Change of Control」を解除事由に入れたがる場合、自社が買収された際でも契約を維持できるよう、解除権ではなく「事前承認制」に留めるなどの交渉が行われます。

    用法:

    主に 支配権変更条項(Change of Control Clause)一般条項 で使用されます。

    1. (経営権変更時の解除権): 当事者に支配権の変更が生じた際、相手方に解除の選択肢を与える。

    例文(支配条項:Change of Control Clause から):

    If a Change of Control occurs with respect to a party, the other party may terminate this Agreement upon written notice.

    (訳) いずれかの当事者について経営権の変更(支配権の変更)が生じた場合、他方当事者は、書面による通知をもって本契約を解除することができるものとする。

    【注記】

    • with respect to: ~に関して。
    • upon written notice: 書面による通知をもって(通知次第)。
  • control

    訳:

    ①(名詞)支配、支配権、コントロール
    ②(動詞)支配する、管理する、統制する

    意味合い:

    ある者が、他の方針や経営を決定できるほどの権限や影響力を持っている状態を指します。法的には、議決権(voting rights)の50%超の所有や、取締役の過半数を任命する権利などがこれに該当します。

    ※ Legal Interpretation:

    • Affiliate(関連会社)の定義: 英文契約において「関連会社」を定義する際、この control という概念が核となります。直接・間接を問わず、相手を支配しているか、支配されているか、あるいは共通の支配下にあるかで関連性の有無を判断します。

    💡 Practical Tip: 「支配権の変更(Change of Control)」条項は極めて重要です。契約相手がライバル企業に買収され、経営主体(Control)が変わってしまった場合に、契約を終了させることができるようにするための防衛手段となります。

    用法:

    主に 定義条項(Definitions Clause)支配権変更条項(Change of Control Clause) で使用されます。

    1. (支配の定義): 経営や方針を指図する権限(支配)の定義を明確にする。
    2. (関連会社の定義): 支配関係の有無によって関連会社の範囲を定める。

    例文1(定義条項:Definitions Clause から:①名詞用法):

    Control” means the possession of the power to direct the management and policies of a person, whether through ownership of voting securities or otherwise.

    (訳) 「支配」とは、議決権を有する証券の所有によるか否かを問わず、ある者の経営および方針を指図する権限を有することをいう。

    例文2(定義条項:Definitions Clause から:②動詞用法):

    “Affiliate” means any entity that directly or indirectly controls, is controlled by, or is under common control with the subject entity.

    (訳) 「関連会社」とは、対象の法人を直接間接を問わず支配し、支配され、又は共通の支配下にある法人を意味する。

    【注記】

    • possession of the power: 権限を有すること。
    • voting securities: 議決権のある証券(株式など)。
    • directly or indirectly: 直接または間接に。
  • contravention

    訳:

    (法律・規則・命令などへの)違反、抵触、反抗

    意味合い:

    単なる契約違反(breach)よりも、「公的な法律、規制、政府の命令などへの抵触」というニュアンスが強い言葉です。

    ※ 比較解説(実務的深掘り):

    • Breach との比較: Breach は当事者間の「約束(契約)」を破ることを指しますが、Contravention は社会の「ルール(法規)」を破ることを指す際によく使われます。
    • In contravention of: 「~に違反して」という熟語として頻出します。

    💡 Practical Tip: コンプライアンス条項や解除条項において、相手方が法令違反(Contravention of laws)を犯した場合、ビジネス上のレピュテーションリスク(評判リスク)を避けるため、直ちに契約を解除できるように規定しておく必要があります。

    用法:

    主に 契約解除条項(Termination Clause)コンプライアンス条項 で使用されます。

    1. (法令違反による解除): 相手方が公的な規制に抵触した場合に即時解除を可能にする。

    例文(契約解除条項:Termination Clause から):

    Either party may terminate this Agreement immediately if the other party acts in contravention of any applicable laws, rules, or government regulations.

    (訳) いずれの当事者も、相手方が適用ある法令、規則または政府規定に抵触(違反)する行為を行った場合、直ちに本契約を解除することができる。

    【注記】

    • applicable laws: 適用ある法令。
    • government regulations: 政府規定、行政規制。
  • contrary to public policy

    訳:

    公序良俗に反する、公の秩序または善良の風俗に反する

    意味合い:

    社会一般の道徳や公共の利益に反しているため、私人間(しじんかん)の契約であっても法的に無効とされる状態を指します。

    ※ Legal Interpretation:

    • Unenforceability: 契約自体は成立していても、裁判所が「その内容は社会的に許容できない」と判断した場合、unenforceable(執行不能・強制できない)となります。
    • 競業避止との関係: 例文2のように、個人の職業選択の自由を過度に制限する内容は、この contrary to public policy を理由に無効とされる代表例です。

    💡 Practical Tip: 分離条項(Severability)において、ある条項がこの「公序良俗違反」などで無効になったとしても、他の健全な条項までは道連れにしない(有効に存続させる)ためのセーフティネットとして機能します。

    用法:

    主に 分離条項(Severability Clause)競業避止条項(Non-compete Clause) で使用されます。

    1. (一部無効の宣言): 条項が公序良俗に反するとされた場合の他条項への影響を限定する。
    2. (過度な制限の警告): 範囲が広すぎる制限が公序良俗違反として無効になる可能性を指摘する。

    例文1(分離条項:Severability Clause から):

    If any provision of this Agreement is held to be invalid or contrary to public policy by a court of competent jurisdiction, the remaining provisions shall remain in full force and effect.

    (訳) 本契約のいずれかの条項が、管轄裁判所によって無効であるか公序良俗に反すると判断された場合でも、残りの条項は完全に効力を有するものとする。

    例文2(競業避止条項:Non-compete Clause から):

    A non-compete clause that is excessively broad in scope or duration may be deemed contrary to public policy and unenforceable.

    (訳) 範囲または期間において過度に広範な競業避止条項は、公序良俗に反するとみなされ、執行不能とされる場合がある。

    【注記】

    • court of competent jurisdiction: 管轄裁判所。
    • deemed: ~とみなされる。
    • unenforceable: (法的に)執行不能な。
  • contractual relationship

    訳:

    契約関係

    意味合い:

    当事者間に有効な契約が存在している状態、またはその法的つながりを指します。

    ※ Legal Interpretation:

    • Privity of Contract: 「契約の相対性」とも呼ばれ、この contractual relationship がある当事者間でのみ、契約に基づく請求が可能であるという原則です。
    • Survival of Obligations: 例文のように、この「関係」が終わった後(契約終了後)も一定の義務を存続させる場合、その範囲を明確に規定する必要があります。

    💡 Practical Tip: 勧誘禁止条項(Non-solicitation)において、「契約関係がある間」だけでなく「終了後○年間」という文言を加えるのが実務上の定石です。これにより、ビジネス上のつながりを利用して優秀な人材を引き抜かれるリスクを防止します。

    用法:

    主に 勧誘禁止条項(Non-solicitation Clause)一般条項 で使用されます。

    1. (不当な引き抜きの禁止): 顧客との契約関係がある期間中、従業員への勧誘行為を禁止する。

    例文(勧誘禁止条項:Non-solicitation Clause から):

    The Company agrees that during the present contractual relationship with Customer, not to recruit, solicit, or induce, or attempt to recruit, solicit, or induce, any employee of Customer to terminate their relationship with Customer.

    (訳) 会社は、顧客との現行の契約関係の存続期間中、顧客の従業員に対し、当該従業員と顧客との関係を終了させるよう、直接または間接を問わず、勧誘、募集もしくは誘引を行わず、またこれらを試みないことに同意する。

    【注記】

    • recruit, solicit, or induce: 募集、勧誘、または誘引する。(引き抜き行為を網羅する表現)
    • terminate their relationship: (ここでは従業員と顧客との雇用)関係を終了させる。