• assume

    訳:

    ①(責任・義務・負債などを)引き受ける、負う

    ②(〜と)仮定する、想定する

    意味合い:

    大きく分けて2つの重要な法的意味を持ちます。

    1. 義務の引き受け: 他者が負っていた負債や法的義務を、自らが譲り受けて負担すること。
    2. 事実の仮定: ある事柄が真実である、または将来発生すると(証拠が確定する前に)前提として置くこと。この想定(Assumption)が崩れた場合、契約の履行条件や価格の再交渉を求める根拠となります。

    用法:

    意味に応じて、以下の条項で使用されます。

    1. (負債の引き受け): 資産譲渡契約(Asset Purchase Agreement) 等において、買主が売主の債務を承継することを定める。(例文1)
    2. (事実の想定): 業務範囲条項(Scope of Work / SOW)計算条項(Calculation Clause) において、価格や納期を決める際の前提条件を明示する際に使用される。(例文2)

    例文1(資産譲渡契約から):

    The Buyer shall assume and agree to perform all of the Seller’s liabilities and obligations relating to the Business arising after the Closing Date.

    (訳) 買主は、クロージング日以降に発生する事業に関する売主のすべての債務および義務を引き受け、履行することに合意する。

    例文2(事実の仮定:価格改定・計算条項から)

    For the purposes of calculating the Service Fee, the Parties assume that the exchange rate shall remain within the range specified in Exhibit A.

    (訳) サービス料金を算出する目的において、両当事者は、為替レートが別紙Aに定める範囲内に留まるものと想定(仮定)する

    【注記】

    • assume and agree to perform: 引き受けて履行することに合意する。単に義務を引き受けるだけでなく、実際に実行(履行)することまでセットで約束する定型表現。
    • assume that…: 〜と想定する。ビジネス上の見積もりや計画において、「もしこの前提が崩れたら責任は負えない」という防衛線として機能します。
  • assure

    訳:

    ~を確保する、~を保証する、~を確約する

    意味合い:

    assurance の動詞形であり、相手方に対して「間違いなく〜であることを保証する」、あるいは「〜という状態を確実にする」という積極的な行為を指します。契約において当事者が責任を持って特定の状態を維持することを宣言する際に使われます。

    用法:

    主に 表明保証条項(Representation and Warranty Clause)履行保証条項 において、ライセンスや許可の有効性を保証する文脈などで使用されます。

    1. (ライセンスの有効性保証): 事業運営に必要な許可等がすべて有効であることを、買主に対して保証(確約)することを定める。

    例文(表明保証条項から):

    The Seller assures the Buyer that all necessary licenses and permits required for the operation of the Business are valid and in full force and effect.

    (訳) 売主は、事業の運営に必要なすべてのライセンスおよび許可が有効であり、完全に効力を有していることを買主に対して保証(確約)する。

    【注記】

    • assures the Buyer: 買主に対して保証する。誰に対して確約を行っているのかを明示しています。
    • licenses and permits: ライセンスおよび許可。事業譲渡やM&Aにおいて、事業の適法性を担保するための最重要チェック項目です。
  • assurance

    訳:

    保証、確約、確信させること

    意味合い:

    相手方に対して、ある事実が真実であることや、特定の義務が必ず果たされることを確約し、安心感を与えることを指します。warranty よりも「確かな約束」というニュアンスが強く、相手方の懸念を払拭するための表明として使われます。

    用法:

    主に 表明保証条項(Representation and Warranty Clause)協力義務条項(Cooperation Clause) において、契約の有効性や履行の確実性を保証する際に使用されます。

    1. (契約の有効性の保証): 事業運営に不可欠な全契約が有効であることを、買主に対して全面的に保証(確約)することを定める。

    例文(表明保証条項から):

    The Company provides full assurance to the Purchaser that all material agreements necessary for the operation of the Business are in full force and effect.

    (訳) 会社は買主に対し、本件事業の運営に不可欠なすべての主要契約が、有効かつ存続していることを全面的に保証(確約)するものとする。

    【注記】

    • full assurance: 全面的な保証(確約)。曖昧さを排除し、強い確実性を付与する強調表現です。
    • in full force and effect: 完全に有効で存続している。契約が法的に有効な状態にあることを示す定型句。
  • assumption of risk

    訳:

    リスクの引き受け、危険の引受

    意味合い:

    ある行為に伴う潜在的な損害や危険を、自らの責任として受け入れることを指します。法的には、相手方の過失を問わないことや、発生した損害について自ら全責任を負うことを承諾する「免責」の根拠として機能します。

    用法:

    主に 免責条項(Disclaimer Clause / Limitation of Liability Clause) において、特定の技術やサービスの使用に伴うリスクをユーザー側が負うことを明示する際に使用されます。

    1. (自己責任の確認): ライセンス技術の使用が単独の責任で行われることを確認し、これによりリスクの引き受けが成立することを定める。

    例文(免責条項から):

    The Licensee hereby acknowledges and confirms that the use of the Licensed Technology is at its sole risk, which constitutes an assumption of risk by the Licensee.

    (訳) ライセンシーは、本ライセンス技術の使用が自らの単独の責任において行われるものであることを、本契約により確認するものとし、これにより当該使用に係る一切の危険を引き受ける(リスクの引き受けを構成する)ものとする。

    【注記】

    • at its sole risk: その単独の責任において。相手方に一切の責任を転嫁しないことを意味します。
    • constitutes an assumption of risk: リスクの引き受けを構成する。法的な免責の効果が発生していることを宣言する表現です。
  • assumption

    訳:

    ① 前提条件、仮定
    ②(義務・負債などの)引き受け、承継

    意味合い:

    文脈により、大きく分けて2つの重要な法的意味を持ちます。

    1. 前提条件: 合意や提案の基礎となる事前の仮定や事実(前提)。これが崩れると契約内容の再調整が必要になります。
    2. 義務の引き受け: 他者が負っていた負債や義務を、自らが引き受けて負担すること。M&Aなどの資産譲渡で頻出します。

    用法:

    一般条項(Miscellaneous Clauses) や提案書では「前提条件」として、 資産譲渡契約(Asset Purchase Agreement)譲渡条項(Assignment Clause) では「義務の引き受け」として使用されます。

    1. (事実の前提): 提案内容が「顧客からデータが提供されること」を前提条件としていることを示す。(例文1)
    2. (負債の引き受け): 買収に伴い、買主が被買収会社のすべての負債を承継(引き受け)することを定める。(例文2)

    例文1(コンサルティング契約等から):

    This proposal is based on the assumption that the Client will provide all necessary data by July 31, 2025.

    (訳) 本提案は、顧客が2025年7月31日までにすべての必要なデータを提供することを前提条件として策定されている。

    例文2(M&A契約から):

    Upon the closing of the acquisition, the Buyer shall effect the assumption of all liabilities of the acquired company.

    (訳) 本買収のクロージングをもって、買主は、被買収会社のすべての負債を承継する(引き受ける)ものとする。

    【注記】

    • assumption of liabilities: 負債の引き受け。契約上の権利だけでなく、マイナスの財産である負債も引き継ぐことを明示する表現です。
    • based on the assumption: 〜という前提に基づいている。前提が満たされない場合の責任回避に繋がる重要なフレーズです。
  • associated with

    訳:

    ~に関係する、~に関連する、〜に伴う

    意味合い:

    ある事象、行為、または損害が、特定の対象と結びついていること(関連性)を広く示す表現です。caused by(〜によって引き起こされた)よりも範囲が広く、直接的な原因だけでなく、付随的に発生した関連事項まで網羅するために使用されます。

    用法:

    主に 補償条項(Indemnification Clause)責任制限条項(Limitation of Liability Clause) において、補償の対象となる損害の範囲を画定する際に使用されます。

    1. (関連損失の補償): ライセンスシステムの運用に関連して(伴って)発生する、あらゆる損失や費用を補償の対象とすることを定める。

    例文(補償条項から):

    Party A shall indemnify Party B from any losses, damages, or expenses associated with the operation of the Licensed System.

    (訳) 当事者Aは、ライセンスシステムの運用に関連して発生する一切の損失、損害、または費用について、当事者Bを補償するものとする。

    【注記】

    • associated with: 〜に関連する。直接の故障だけでなく、運用に伴う派生的な費用なども広く含むニュアンスがあります。
    • indemnify from…: 〜から補償する。損失から相手方を守る(補填する)という強い法的義務を示します。
  • assist

    訳:

    ~を支援する、~に協力する、〜を助ける

    意味合い:

    一方の当事者が特定の義務を遂行したり、権利を保護したりする際に、他方の当事者がその遂行を助ける(協力する)ことを指します。通常、単なるボランティアではなく、契約目的を達成するために「合理的な範囲(reasonably)」で行われるべき義務として規定されます。

    用法:

    主に 秘密保持条項(Confidentiality Clause)知的財産権条項(Intellectual Property Clause) において、情報漏洩の防止や権利侵害への対応のために協力する文脈で使用されます。

    1. (情報の保護支援): 開示当事者が機密情報を保護する活動を行う際、受領当事者が合理的な範囲で協力・支援する義務を定める。

    例文(秘密保持条項から):

    The Receiving Party shall reasonably assist the Disclosing Party in protecting the Confidential Information.

    (訳) 受領当事者は、開示当事者による秘密情報の保護に関し、合理的な範囲で開示当事者を支援(協力)するものとする。

    【注記】

    • reasonably assist: 合理的な範囲で支援する。無限の負担を負うのではなく、ビジネス上妥当な範囲での協力を求める限定的な表現です。
    • in protecting…: 〜の保護において。支援が必要となる具体的な活動内容を示しています。
  • assignor

    訳:

    譲渡人(ゆずりわたしにん)

    意味合い:

    契約上の権利や財産を、第三者(譲受人:assignee)に対して譲り渡す当事者を指します。譲渡が行われた後は、その権利を失う(あるいは義務から解放される)立場にあります。譲渡の対象物が自分のものであること(所有権)を表明保証する役割を担うことが多いです。

    用法:

    主に 知的財産権譲渡契約(IP Assignment Agreement)譲渡条項(Assignment Clause) で、権利を放出する側を特定する際に使用されます。

    1. (所有権の表明保証): 譲渡人が、譲渡対象となる権利の唯一の所有者であることを保証する。

    例文(知的財産権譲渡契約から):

    The Assignor hereby represents and warrants that it is the sole and exclusive owner of the Intellectual Property Rights subject to this assignment.

    (訳) 譲渡人は、本譲渡の対象となる知的財産権の唯一かつ排他的な所有者であることを、ここに表明し、保証する。

    【注記】

    • Assignor vs. Assignee: 語尾が “-or”(または -er)は「〜する側(行う側)」を意味します。
    • sole and exclusive owner: 唯一かつ排他的な所有者。譲渡人が本当にその権利を持っているかどうかは、譲受人にとって最大の関心事です。
  • Assignment Clause

    訳:

    譲渡条項

    意味合い:

    契約当事者が、その契約上の地位や権利・義務を第三者に譲渡することを制限、または許可する条件を定めた条項のことです。原則として「相手方の事前の書面による同意」を必要とすることが一般的ですが、グループ会社への譲渡は自由とするなどの例外(Permitted Assignment)を設けることもあります。

    用法:

    契約書の後半に配置される 一般条項(Miscellaneous Clauses) の一つとして、必ずといっていいほど含まれます。

    1. (譲渡の原則禁止と例外): 同意なしの譲渡を禁止しつつ、その同意を不当に留保しない(拒絶しない)ことを定める。

    例文(譲渡条項):

    Neither Party shall assign or delegate this Agreement or any of its rights or obligations hereunder without the prior written consent of the other Party, which consent shall not be unreasonably withheld or delayed.

    (訳) いずれの当事者も、相手方の事前の書面による同意なしに、本契約または本契約に基づくその権利もしくは義務を、譲渡または委託してはならない。ただし、当該同意は正当な理由なく拒否(留保)され、または遅延させられないものとする。

    【注記】

    • unreasonably withheld or delayed: 不当に(正当な理由なく)拒絶されたり遅延されたりしない。譲渡を希望する側に配慮した公平な調整文言です。
    • assign or delegate: 譲渡または委託。権利の譲渡(assignment)と義務の委託(delegation)を併記して網羅します。
  • Assignment by Operation of Law

    訳:

    法律の作用による譲渡

    意味合い:

    当事者の意思表示(譲渡契約)によらず、合併、会社分割、相続、破産などの法的イベントによって、権利義務が自動的に移転することを指します。通常の譲渡禁止条項だけでは、この「法律の作用による移転」を防げない場合があるため、M&Aによる事実上の当事者交代を制限したい場合には、この文言を明記することが実務上極めて重要です。

    主に 譲渡条項(Assignment Clause) において、一般的な譲渡だけでなく、合併等による移転も制限の対象に含める際に使用されます。

    用法 :

    1. (包括的な譲渡制限): 法律の作用によるものか否かを問わず、相手方の同意なしに契約上の地位を譲渡することを禁じる。

    例文(譲渡条項から):

    Neither Party shall assign this Agreement, in whole or in part, by operation of law or otherwise, without the prior written consent of the other Party.

    (訳) 両当事者は、法律の作用によるか否かを問わず、事前に相手方の書面による承諾を得ることなく、本契約の全部または一部を譲渡してはならない。

    【注記】

    • by operation of law or otherwise: 法律の作用によるか、あるいはその他の方法(通常の譲渡契約)によるかを問わず。あらゆる形態の移転を網羅する定型表現。
    • M&A対策: 相手方が競合他社に買収(合併)された際に、契約を解除したい場合などにこの文言が効力を発揮します。