訳:
①約因(やくいん)、②対価
意味合い:
①英米法において、契約が法的に有効となるために必要な「対価的交換」を指します。 ②英文契約の日常実務では、サービスや商品に対する「報酬・代金」そのものを指します。
※ 比較解説(実務的深掘り):
- 英米法の「約因」とは: 英米法では「ただで何かをあげる(贈与)」という約束は、この consideration(見返り)がないため、原則として法的な強制力がありません。契約の前文に in consideration of … と書くのは、「この契約はお互いに見返りがある、有効なものですよ」という宣言です。
- price / fee との比較: price や fee は具体的な金額を指しますが、consideration は「法的に意味のある見返り全般」を指す広い概念です。
用法:
- (契約の有効性): 前文(Preamble) で、契約成立の根拠として。
- (支払義務): 支払い条項(Payment Clause) で、役務に対する「対価」として。
例文1(契約の前文:Preamble から:①約因の意味):
NOW, THEREFORE, in consideration of the mutual covenants and agreements contained herein, the parties hereto, intending to be legally bound, hereby agree as follows:
(訳) よって、本契約に含まれる相互の誓約および合意を約因(対価的交換の根拠)として、本契約の当事者は、法的に拘束されることを意図し、以下の通り合意する。
例文2(支払い条項:Payment Clause から:②対価の意味):
In consideration for the Services rendered by the Consultant, the Client shall pay the total consideration of ten thousand US dollars ($10,000) per month.
(訳) コンサルタントにより提供される本サービスに対する対価として、クライアントは月額合計1万米ドルの対価を支払うものとする。
【注記】
- mutual covenants: 相互の誓約。
- intending to be legally bound: 法的に拘束されることを意図して。(契約成立の意思を明確にする重要フレーズ)
- rendered: (サービスなどが)提供された。