訳:
不可抗力事由
意味合い:
当事者の合理的な支配を超えた、予測不能かつ回避不能な事象を指します。この事態が発生し、契約上の義務履行が不可能または著しく困難になった場合、その不履行に対する責任が免除されます。
法的解釈(Legal Interpretation):
英米法では「契約は絶対」という原則があるため、この条項がないと、たとえ天災であっても債務不履行責任を問われるリスクがあります。そのため、どのような事象が「不可抗力」に該当するかを具体的に列挙し、責任免除の範囲を法的に確定させる重要な意義を持ちます。
実務のヒント(Practical Tip):
リストの最後に “including but not limited to“(~を含むがこれらに限定されない)を付けることで、列挙されていない未知の事象(パンデミック等)もカバーできるようにしておくのが一般的です。また、通知義務の発生条件とセットで確認する必要があります。
force majeure event と act of God の違い:
- force majeure event: 戦争、ストライキ、輸出入禁止措置など、人為的な事象を含む広い範囲の不可抗力。
- act of God: 地震、洪水、台風など、自然現象(天災)に限定された不可抗力。
用法:
主に、不可抗力(Force Majeure Clause)において使用されます。
免責される対象範囲を具体的に特定し、不測の事態における損害賠償リスクを回避する役割を果たします。
例文(force majeure event:不可抗力事由):
【不可抗力条項(Force Majeure Clause)より】
“Force Majeure Event” means any event beyond the reasonable control of the affected party, including but not limited to acts of God, war, terrorism, riots, embargos, acts of civil or military authorities, fire, floods, accidents, strikes, or shortages of transportation, facilities, fuel, energy, or materials.
(日本語訳)
「不可抗力事由」とは、天災地変、戦争、テロ、暴動、輸出入禁止措置、文民または軍事当局による行為、火災、洪水、事故、ストライキ、あるいは輸送手段、施設、燃料、エネルギー、または資材の不足を含め(ただしこれらに限定されない)、影響を受けた当事者の合理的な支配が及ばないあらゆる事象を意味する。
例文の注記:
- beyond the reasonable control: 「合理的な支配が及ばない」と訳し、当事者の努力ではどうにもならない不可避性を表す核心的フレーズです。
- acts of God: 直訳は「神の行為」ですが、法律用語では「天災地変(地震、台風など)」を指します。
- including but not limited to: 例示列挙であることを示し、リスト以外の事象も包括するための重要な限定解除表現です。