• breaching party

    訳:

    違反当事者

    意味合い:

    契約上の義務に違反した側の当事者を指します。これに対し、違反をされていない側は「non-breaching party(非違反当事者)」と呼ばれます。条文内では「甲・乙」のような固有名称ではなく、「違反した側」という属性で権利義務を割り振るために使われます。

    用法:

    主に 解除条項(Termination Clause) で使用されます。

    1. (解除通知の対象): 重大な違反があった際、非違反当事者が違反当事者に対して通知を行い、契約を終わらせる手続きを規定する。

    例文(解除条項:Termination Clause から):

    In the event of a material breach, the non-breaching party may terminate this Agreement by giving thirty (30) days’ written notice to the breaching party.

    (訳) 重大な契約違反が発生した場合、非違反当事者は、違反当事者に対して30日前に書面で通知することにより、本契約を解除することができる。

    【注記】

    • material breach: 重大な(契約)違反。
    • terminate: 解除する、終了させる。

  • breach or threatened breach

    訳:

    違反又は違反のおそれ、違反の脅威

    意味合い:

    実際に違反が起きた場合だけでなく、「今にも違反が起きそうな状況」や「違反すると予告された状況」を含めて、先行的に法的措置を講じることができるようにするための表現です。秘密情報の流出防止など、一度起きたら取り返しのつかない(Irreparable)事態を防ぐ際に重要です。

    用法:

    主に 差止条項(Equitable Relief / Injunctive Relief Clause) で使用されます。

    1. (予防的救済): 違反が現実化する前であっても、違反の恐れがある段階で裁判所から差止(Equitable Relief)を得る権利を認める。

    例文(差止条項:Equitable Relief Clause から):

    In the event of a breach or threatened breach of this Agreement, the non-breaching party shall be entitled to obtain equitable relief from any court of competent jurisdiction.

    (訳) 本契約の違反が発生し、またはその恐れがある場合、非違反当事者は、管轄権を有する裁判所から衡平法上の救済を得る権利を有するものとする。

    【注記】

    • threatened: (違反が)差し迫った、恐れのある。
    • equitable relief: 衡平法上の救済(金銭賠償以外の、差止などの措置)。
  • breach of warranty

    訳:

    保証違反

    意味合い:

    「表明及び保証(Representations and Warranties)」で誓約した事実が真実でなかった場合、または「品質保証」などの約束を果たせなかった場合の違反を指します。

    ※ 救済の違い: 一般的な債務不履行(breach of obligation)は「履行の強制」や「解除」が主目的となりますが、breach of warranty は、「金銭による補償(Indemnification)」や「修理・交換」が主な救済手段となることが多いのが実務上の特徴です。

    用法:

    主に 保証条項(Warranty Clause)救済条項(Remedies Clause) で使用されます。

    1. (仕様不適合への対応): 商品が仕様を満たさない(保証に反する)場合の、買主による保証違反への救済請求権を規定する。

    例文(救済条項:Remedies Clause から):

    The Buyer may seek remedies for breach of warranty if the Goods do not conform to the specifications.

    (訳) 本商品が仕様に適合しない場合、買主は保証違反に対する救済措置を求めることができる。

    【注記】

    • remedies: 救済措置、是正手段。
    • conform to the specifications: 仕様に適合する

  • breach of obligation

    訳:

    義務の違反、債務不履行

    意味合い:

    契約上の個別の義務を果たさないことを指します。

    ※ breach of contract との比較: breach of contract が契約全体に対する違反という広い視点なのに対し、breach of obligation は「通知義務」「報告義務」といった、特定の具体的な義務に対する不履行を強調する際に用いられます。

    用法:

    主に 損害賠償条項(Damages Clause) で使用されます。

    1. (軽微な違反の免責): 義務の不履行が極めて軽微(negligible)な場合に、履行に代わる損害賠償(損害賠償請求)を制限する。

    例文(損害賠償条項:Damages Clause から):

    The customer shall not be entitled to claim for damages in lieu of performance, should the company’s breach of obligations be negligible.

    (訳) 会社の義務不履行(義務の違反)が軽微である場合、顧客は履行に代わる損害賠償を請求する権利を有しないものとする。

    【注記】

    • in lieu of performance: 履行に代わる(履行に代えて)。
    • negligible: 無視できるほどの、軽微な。
  • breach of contract

    訳:

    契約不履行、契約違反

    意味合い:

    契約全体、あるいは契約の重要な条項に違反することを指します。

    ※ default との比較: breach of contract は広く「契約違反」全般を指しますが、default は特に「金銭債務の不履行(デフォルト)」や、通知後に一定期間が経過しても是正されない「是正不能な違反」を指す際に使い分けられる傾向があります。

    用法:

    主に 責任制限条項(Limitation of Liability Clause)解除条項(Termination Clause) で使用されます。

    1. (損害賠償の制限): 意図的(willful)な契約違反でない限り、賠償額を通常損害に限定することを規定する。

    例文(責任制限条項:Limitation of Liability Clause から):

    If there is no willful breach of contract, Company’s liability for damages is limited to the predictable damage that may typically occur.

    (訳) 本契約の意図的な不履行(契約違反)がない限り、会社の損害賠償責任は、通常生じ得る予測可能な損害に限定されるものとする。

    【注記】

    • willful: 意図的な、故意の。
    • predictable damage: 予測可能な損害。
  • breach

    訳:

    (法律・合意などの)違反、不履行(名詞);〈法律・合意などに〉違反する(動詞)

    意味合い:

    契約上の義務を正当な理由なく果たさないこと、または合意内容に反する行為を指します。契約解除や損害賠償請求の発生要件となる最も基本的な概念です。単なる遅滞から完全な不履行まで幅広く含みます。

    用法:

    主に 秘密保持条項(Confidentiality Clause)一般条項 で使用されます。

    1. (義務違反の定義): 受領当事者が契約に違反した場合に、開示当事者が取り得る法的対抗措置(差止請求など)を規定する。

    例文(秘密保持条項:Confidentiality Clause から):

    If the Receiving Party breaches this Agreement, the Disclosing Party shall be entitled to seek injunctive relief in addition to any other remedies.

    (訳) 受領当事者が本契約に違反した場合、開示当事者は、他の救済手段に加え、差止請求を求める権利を有するものとする。

    【注記】

    • injunctive relief: 差止請求、差止による救済。
    • be entitled to: 〜する権利を有する。
  • both dates inclusive

    訳:

    いずれの日も含む、両端入れ、両日算入

    意味合い 期間を計算する際、始点となる日と終点となる日の両方を計算に含める(1日としてカウントする)ことを指します。

    用法:

    主に 期間(Term)協議期間(Consultation Period) の規定で使用されます。

    1. (協議期間の確定): 通知から発効までの期間算定において、いずれの日も含むことを規定し、実日数を明確にする。

    例文(通知期間条項:Notice Period Clause から):

    The period for mutual consultation shall be seven (7) days, commencing from the date of the notice of termination to the effective date of termination, both dates inclusive.

    (訳) 協議期間は、解除の通知日から解除効力発生日までを計算して7日間とする。なお、算定にあたっては、いずれの日も算入する(算入するものとする)。

    【注記】

    • mutual consultation: 相互協議。
    • commencing from: 〜から開始する。
  • both dates exclusive

    訳:

    いずれの日も除く、両端入れず、両日不算入

    意味合い:

    期間を計算する際、始点となる日と終点となる日の両方を計算に含めない(カウントしない)ことを明示する表現です。

    ※ both dates inclusive との比較: both dates inclusive(両端入れ)が始点と終点の両方を1日として数えるのに対し、exclusive(両端入れず)は、その間の「純粋な経過日数」のみを数えます。例えば「1日から3日(両日不算入)」は2日の1日間のみを指すことになり、解釈の争いを防ぐために重要です。

    用法:

    主に 通知期間条項(Notice Period Clause)有効期間条項 で使用されます。

    1. (期間計算の明確化): 通知日から終了日までの算定において、いずれの日も算入しないことを明示する。

    例文(通知期間条項:Notice Period Clause から):

    The Notice Period shall be sixty (60) days, calculated from the date of the notice to the date of termination, both dates exclusive.

    (訳) 通知期間は、通知の日から終了の日までを計算して60日間とする。なお、算定にあたっては、いずれの日も算入しない(不算入とする)ものとする。

    【注記】

    • calculated from: 〜から計算(算定)される。
    • date of termination: 終了日、解除日
  • borrower

    訳:

    借主、借り手、債務者

    意味合い:

    金銭消費貸借契約(Loan Agreement)などにおいて、資金を借り入れ、その返済義務(および利息の支払い義務)を負う当事者を指します。

    用法:

    主に 金銭消費貸借契約(Loan Agreement)保証条項 で使用されます。

    1. (返済義務の規定): 借主が、元本と利息を期日に全額返済することを義務付ける。

    例文(金銭消費貸借契約:Loan Agreement から):

    The Borrower shall repay the principal amount of the Loan to the Lender in full on the Maturity Date together with accrued interest.

    (訳) 借主は、貸主に対し、本ローンの元本を、発生した利息とともに、支払期日に全額返済するものとする。

    【注記】

    • repay in full: 全額返済する。
    • accrued interest: 発生した(未払の)利息。
  • books and records

    訳:

    帳簿及び記録、会計記録、事業記録

    意味合い:

    契約の履行に関連して作成・保管されるあらゆる種類の文書、データ、および会計記録を網羅的に指す包括的な表現です。監査条項において、調査の対象範囲を漏れなく指定するために使われます。

    用法:

    主に 監査条項(Audit Clause)記録保持条項(Records Retention Clause) で使用されます。

    1. (監査対象の指定): 契約の遵守状況を確認するために、相手方の帳簿及び記録を監査する権利を規定する。

    例文(監査条項:Audit Clause から):

    Upon reasonable notice, the Supplier shall permit the Customer to audit its books and records to verify compliance with the terms of this Agreement.

    (訳) サプライヤーは、事前の合理的な通知があった場合、本契約の条件の遵守状況を確認するため、顧客による会計帳簿及び記録の監査を認めるものとする。

    【注記】

    • verify compliance: 遵守状況を確認(立証)する。
    • permit: 許可する、認める。