訳:
① 準拠(じゅんきょ)する
② 適用される、優先する
意味合い:
準拠法として: 契約全体を支配する法律が何であるかを定め、その法律の規律下に置くことを指します。
優先順位として: 複数の書類間に矛盾がある際、どの規定を優先的に適用させて解決するかという、支配的な効力を指します。
法的解釈 (Legal Interpretation):
準拠法として: 当事者間の合意に対し、どの国家・州の法体系が「解釈の基準」となるかを決定する法的拘束力の源泉を規定します。
優先順位として: 契約書本体と別紙の間で条件が食い違う際、どちらの意思表示が最終的な決定権を持つかを法的に確定させます。
実務のヒント (Practical Tip):
準拠法として: 一般に be governed by の受動態で使われます。実務家は特定の州法を選択することで、将来の紛争における予見可能性を確保します。
優先順位として: 優先順位条項では govern and control と並記され、矛盾を解消するための「決定的な指針」として機能します。
類似・関係する用語との違い:
- control(制御・優先する) との違い:
govern とセットで使われることが多く、ほぼ同義ですが、control は「矛盾を上書きする」というニュアンスが強調されます。 - apply to(適用される) との違い:
単にルールが当てはまることを指す apply に対し、govern はそのルールが「最上位として支配する」という強い力を意味します。
用法:
準拠法の場合: 主に Governing Law Clause(準拠法条項) において、契約の解釈基準となる法域を特定するために使われます。
優先順位の場合: 主に Order of Precedence Clause(優先順位条項) において、規定間の矛盾を解決する優先順位を示すために使われます。
例文(govern:準拠する;適用される、優先する):
【例文1:準拠法条項(Governing Law Clause)より】
This Agreement shall be governed by and construed in accordance with the laws of the State of New York, without giving effect to any principles of conflicts of law.
(日本語訳)
本契約は、法の抵触に関するいかなる原則も適用することなく、ニューヨーク州法に準拠し、同法に従って解釈されるものとする。
【例文2:優先順位条項(Order of Precedence)より】
In the event of any conflict or inconsistency between the terms of this Agreement and any Exhibit, the terms of this Agreement shall govern and control.
(日本語訳)
本契約の条件と別紙との間に相違または矛盾が生じた場合、本契約の条件が適用(優先)され、支配するものとする。
例文の注記:
- be governed by:~に準拠する。受動態の形で、契約が特定の法律に支配されることを示します。
- conflicts of law:法の抵触。どこの国の法律を適用すべきかという争いを指し、これを排除することで予見性を高めます。
- govern and control:適用(優先)され、支配する。矛盾が生じた際に「こちらが勝つ」ことを断定する定型表現です。