Generally Accepted Accounting Principles

訳:

一般に公正と認められた会計原則(GAAP)

意味合い:

企業が財務諸表を作成する際に準拠すべき、共通のルールや慣行のセットです。英文契約の実務では、定義条項などで Generally Accepted Accounting Principles (“GAAP”) と正式名称で定義した上で、以降は GAAP(ギャップ) という略称を用いるのが標準的です。ロイヤリティの算出、利益配分、あるいはM&Aにおける買収価格の調整(ワーキングキャピタル調整)などにおいて、計算の「客観的な根拠」を担保し、当事者間の恣意的な操作を排除するために不可欠な「会計上の世界共通言語」として機能します。

法的解釈 (Legal Interpretation):

単なる計算手法の提示ではなく、当事者間の「誠実な義務履行」の指標として機能します。契約書にこの文言がある場合、独自の会計処理は許されず、客観的な第三者(公認会計士等)が検証可能な基準で帳簿を付ける法的義務が生じます。

実務のヒント (Practical Tip):

米国式の「US GAAP」や国際基準の「IFRS」など、どの国の会計原則を指すのかを明確にする必要があります。特にクロスボーダー取引(国際間取引)では、準拠するGAAPの国名を指定し忘れると、計算結果に大きな差異が生じ、紛争の原因となるため注意が必要です。

類似・関連する用語との違い:

  • standard accounting practices(標準的な会計実務) との関係:
    GAAP(一般に公正と認められた会計原則)よりも範囲が広く、必ずしも厳密な法的基準を指さない場合があるため、契約書ではより明確な GAAP が好まれます。
  • audit(監査) との関係:
    GAAP に基づいて作成された帳簿が、実際に正しいかどうかを第三者が確認する行為を指します。

用法:

Audit Rights(監査権条項)Financial Covenants(財務制限条項) 、または Payment Terms(支払い条件条項) において、計算の「モノサシ」として指定されます。「不透明な会計処理を排除する」役割を持ちます。

例文(generally accepted accounting principles:一般に公正と認められた会計原則):

【監査権条項(Audit Rights)より】
The Licensee shall maintain accurate books and records in accordance with generally accepted accounting principles, allowing the Licensor to audit such records to verify the accuracy of royalty payments made hereunder.

(日本語訳)
ライセンシーは、一般に公正と認められた会計原則(GAAP)に従って正確な会計帳簿および記録を維持するものとし、ライセンサーが本契約に基づくロイヤリティ支払いの正確性を検証するために、当該記録を監査することを認めるものとする。

例文の注記:

  • in accordance with:~に従って。特定の基準や規則に準拠することを義務付ける際の定型表現です。
  • verify the accuracy:正確性を検証する。監査の目的を明示し、恣意的な計算が行われていないかを確認する権限を裏付けています。
  • made hereunder:本契約に基づいてなされた。「hereunder」は本契約を指し、契約範囲内の支払いに限定した監査であることを示しています。