General Provisions(一般条項)とPrincipal provisions (主要条項)

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英文契約書のGeneral Provisions(一般条項)Principal provisions (主要条項)について、その条項例と併せて解説します。

1.解説 

1)さまざまな英文契約書

英文契約書には、日本語の契約書と同様に、さまざまなものがあります。

たとえば、

Sales Contract(売買契約)

Service Agreement(サービス委託契約)

Distribution Agreement(販売店契約)

Lease Agreement(賃貸借契約)

Joint Venture Agreement(合弁契約)

License Agreement(ライセンス契約)

Manufacturing Agreement(製造委託契約)

Asset Purchase Agreement (事業譲渡契約)

Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約)

などです。

2)General Provisions(一般条項)とPrincipal provisions (主要条項)

そして、これらの英文契約書の中で記載される条項は、おおむね、以下の二種類に区分されます。

①契約の種類にかかわらず、共通して規定される一般的な条項 

②各契約の種類ごとに、固有に規定される独特な条項

General Provisions(一般条項)とは、上記①の契約条項のことをいいます。 

英文契約書の種類にかかわらず、各契約に共通して規定される一般的な条項のことです。

これに対して、上記②の各契約の種類ごとに、固有に規定される独特な条項は、Principal provisions (主要条項)といわれます。

3)General Provisions(一般条項)の名称

General Provisions(一般条項)の見出しは、代わりに、

“General Terms”とか

“Miscellaneous”

と表記されたりもします。

あるいは、General Provisions(一般条項)のことを、通称で、

“Boilerplate Provisions”(ボイラープレート条項)

と呼ばれたりもします。

ただし、これらGeneral Provisions(一般条項)の見出し条項が、英文契約書の中で、使われることがあれば、使われないこともあります。

4)なぜGeneral Provisions(一般条項)が重要なのか?見落としがちなリスク

General Provisions(一般条項)は、その名の通り「一般的」な条項であり、契約の種類を問わず多くの契約書に登場します。

そのため、内容が定型化されており、つい「これはいつもの条項だから」と深く確認せずに読み飛ばしてしまいがちです。

しかし、実はこの一般条項こそ、契約書全体のリスクを左右する非常に重要な役割を担っています。

一般的な条項だからといって内容がすべて同じなわけではありません。

同じように見える一般条項でも、その詳細な文言や表現一つで、契約当事者の権利や義務、そして万が一のトラブル時の対応が大きく変わることがあります。

例えば、以下のようなリスクが見落とされがちです。

予期せぬ紛争解決地:
「Jurisdiction(管轄)」条項で、自社にとって遠隔地や不利な国の裁判所が指定されていることに気づかず、紛争発生時に多大なコストや負担が生じる。

重要な権利の喪失:
「Waiver(権利放棄)」条項に不注意な表現が含まれており、一度の寛容な対応が将来の権利行使を妨げる原因となる。

不都合な契約の継続:
「Survival(存続)」条項や「Termination(契約解除)」条項の規定を見落とし、契約終了後も予期せぬ義務(秘密保持期間の長期化など)が残ったり、解約がスムーズに進まなかったりする。

契約変更の困難さ:
「Amendments(修正・変更)」条項に厳格な手続きが定められているにもかかわらず、その確認を怠ったために、後の契約内容の変更が非常に難しくなる。

これらの一般条項は、普段のビジネスではあまり意識されないかもしれませんが、契約にトラブルが発生した際に、その後の対応や結果を大きく左右する、いわば、「縁の下の力持ち」のような存在です。

そのため、General Provisions(一般条項)は、Principal Provisions(主要条項)と同じくらい、あるいはそれ以上に注意深く内容を確認し、自社にとって不利な点がないか、潜在的なリスクがないかをしっかりと見極めることが、契約書を扱う上で非常に重要になります。

単なる「定型文」として捉えるのではなく、その一つ一つが持つ意味と、自社への影響を理解することが肝要です。

2.General Provisions(一般条項)の条項の例:

General Provisions(一般条項)として規定される条項の例として、以下のようなものがあります。

Definitions(定義)

Termination(契約解除)

Term/Duration (契約期間)

Force Majeure(不可抗力条項)

Assignment(譲渡制限)

Non-Competition(競業避止条項)

Confidentiality(秘密保持)

Governing Law(準拠法)

Dispute(紛争解決)

Jurisdiction(管轄)

Arbitration(仲裁)

Notices(通知)

Amendments(修正・変更)

Entire Agreement(完全合意)

Relationship of the Parties(当事者の関係)

Limitation of Liability(責任制限)

Indemnification(補償)

Waiver(権利放棄)

Set-off(相殺条項)

Time of Essence(時間厳守)

Headings(表題)

Counterparts(副本条項)

Language(言語)

No Third Party Beneficiary(第三者利益)

Remedies(救済)

Severability(分離)

Survival(存続)

3.General Provisions(一般条項)と Principal provisions (主要条項)の区別について:

General Provisions(一般条項)Principal provisions (主要条項)の区分は、

絶対的なものではなく、あくまで、便宜的なものです。

General Provisions(一般条項)が英文契約書によく使われる一般的な条項、

Principal provisions(主要条項)が特定の英文契約書に使われる独特な条項、

とご理解ください。

 

 

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