reserve the right to(~する権利を留保する)の解説と例文

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当事者の権利を表す表現であるreserve the right toについて解説します。 併せて、例文をとりあげ対訳をつけました。例文中の基本表現には注釈を入れました。

1.解説:

1)reserve the right toとは 

reserve the right toは、当事者が有する権利を表す表現です。

reserve the right toは、

(当事者は)~する権利を留保する

(当事者は)~することができる

という意味です。

同様の意味をもつ用語・表現に、以下のものがあります。

・may

・be entitled to~

・have the right to~

2)reserve the right toの使い方

reserve the right toは、二つの使い方があります。

ひとつは、

単に、~する権利を有する(=~することができる)

という意味の使い方です。(下記のAudit Rights(監査権条項)例文①をご覧ください)

もうひとつは、

~の場合は(当事者は)~の権利を行使できる(=~する権利を留保する)

という意味の当事者の持つ権利を表す使い方です。

②の使い方は、下記の

Termination(契約解除条項)例文②

Remedies(救済条項)例文③

ご覧ください。

なお、この二つの意味の使い分けは、それほど厳密なものではありません。

①と②のいずれの使い方も、

・may

・be entitled to~

・have the right to~

に置き換えて使うこともできます。

3)reserve the right toが持つ法的意味合いと交渉上
の役割

reserve the right toは、他の権利表現(may, have the right to)と意味が近いものの、特に以下の二点で「契約当事者間の交渉の力関係」を示す重要な役割を果たします。

ア. 権利の「留保」による強調

reserve(留保する)という動詞を使うことで、その権利が「相手方に対して譲渡または放棄されていない、強固な権利である」というニュアンスを強調します。

これは、以下の条項で特に意味を持ちます。

自由解約権:

Either party reserves the right to terminate this Agreement for any reason with 90 days prior notice.(いずれの当事者も、90日前通知により、理由を問わず本契約を解除する権利を留保する。)

のように、契約上の義務とは別に、一方的な裁量で権利を行使できることを強く示したい場合に用いられます。

権利放棄条項(Waiver Clause)との関連:

権利放棄条項(Waiver)で「特定の権利を行使しなかったとしても、将来その権利を行使する権利を放棄したことにはならない」

と規定する際、「将来の権利行使の可能性を留保する」という文脈でreserveの概念が活きます。

イ. 将来の状況変化への対応(Conditional Right)

例文②例文③のように、in the event that…やIn the case of…といった条件節と組み合わせて使用される場合、その権利が「特定の事態が発生した場合に初めて行使されるオプション」であることを明確にします。

この表現を使うことで、契約締結時点ではその権利を行使しないが、将来的に相手方が違反した場合(条件発生)に、その権利を行使する選択肢を確保している、という法的ポジションを強化できます。

2.例文と基本表現:

(注):上記で解説したreserve the right to青文字で示し、他の基本表現をハイライトしています。

1)reserve the right to~することができる– 例文①

Audit Rights(監査権条項)からです。ベンダーは、サービス会社を、いつでも監査することができます。

Vender reserves the right to audit, inspect, and make copies or extracts of Service Provider’s records and processes associated with Service Provider’s performance under this Agreement at any time with 5(five) business days prior notice to Service Provider.

(訳):

ベンダーは、サービス会社への5営業日前の通知により、本契約に基づくサービス会社の履行に関係する記録及びプロセスを、いつでも監査、検査並びにコピー又は抜粋することができる。 

(注):

extractsは、抜粋という意味です。

associated withは、~に関係するという意味です。 

performanceは、履行という意味です。くわしくは、performとperformanceの意味と例文をご覧ください。

at any timeは、いつでもという意味です。

with 5(five) business days prior noticeは、5営業日前の通知によりという意味です。

2)reserve the right to~する権利を留保する– 例文②

Termination(契約解除条項)からです。下線部のin the event that(~の場合)があり、reserve the right toは、する権利を留保するという意味で使われています。

The Company reserves the right to terminate the Contract in the event that the Contractor fails to comply with any of the above clauses.

(訳):

会社は、受託業者がいずれかの上記の条項を遵守しない場合、本契約を解除する権利を留保する。

(注):

terminateは、解除するという意味です。くわしくは、terminateとexpireの意味と例文をご覧ください。

Contractorは、受託業者という意味です。

*fails to comply withは、遵守しないという意味です。

3)reserve the right to~する権利を留保する– 例文③

Remedies(救済条項)からです。下線のIn the case of~の場合)が前にあり、reserve the right toは、~する権利を留保するという意味で使われています。

In the case of any violation of these rules and regulations, the company reserves the right to seek all remedies available by law and in equity for such violations.

(訳):

これらの規則や規制に違反があった場合、会社は、かかる違反に対し、コモンローおよびエクイティ上利用可能なあらゆる救済措置を求める権利を留保する。

(注):

seek all remediesは、あらゆる救済措置を求めるという意味です。

*by law and in equityは、コモンローおよびエクイティ上のという意味です。くわしくは、remedy at law(コモンローによる救済 )と remedy in equity (エクイティによる救済)をご覧ください。

 

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