on behalf ofの意味と例文

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英文契約書で、代理を表す表現であるon behalf ofについて解説します。併せて、例文をとりあげて訳をつけました。例文中の他の基本表現に注記しました。

1.解説:

1)on behalf ofとは

英文契約書では、通常、on behalf ofは、

の代理として~を代表して

という意味で使われます。

2)代理について

英文契約書で、

on behalf of(~の代理として、~を代表して)

が使われるときに、注意すべきことがあります。

それは、on behalf ofは、

第三者が本人に代わって行為を行い、その行為の効果が本人に帰属する代理を表す

表現であることです。

on behalf ofが使われるときで、代理する者が

本人を代理する権限をもっているか

どのような範囲の代理権限を有しているのか

が明らかでないときは、書面で確認する手続きをとることが重要です。

書面で代理権を確認する手続きとしては、

Power of Attorney(委任状)

を提出してもらい、その内容をチェックするやり方があります。

*Power of Attorney(委任状)について、くわしくは、Power of Attorney(委任状)とProxy(委任状)をご覧ください。

3)on behalf ofと他の類似表現との違い

on behalf ofは、「代理」や「代表」を意味する重要な表現ですが、似たような意味で使われるforやin the name ofとの違いを理解することで、より正確な契約解釈が可能になります。

ア.on behalf of と forとの違い

on behalf of は、「代理として」、「本人のために」という信認関係に基づいたニュアンスが強い表現です。

本人の利益のために行動するという意味合いを含みます。

例えば、例文②のsigning this Agreement on behalf of such partyは、「その当事者(=本人)の代わりに署名することで、契約の効果を本人に帰属させる」という代理行為を明確に示しています。

for は、単に「〜のために」という、目的や受益者を示すより広範な意味で使われます。

例えば、I’m acting for my client.は、「私は依頼人のために行動している」という意味であり、代理行為を指す場合もありますが、必ずしも法的な代理権の存在を意味するわけではありません。

イ.on behalf of と in the name ofの違い

in the name of は、「〜の名義で」、「〜の名前で」という意味です。

これは、「誰が契約の当事者であるか」という名義上の問題に焦点を当てた表現です。

例えば、The contract was signed in the name of the company.は、「契約は会社の名義で署名された」という意味であり、署名者本人が誰であれ、その契約は会社に帰属することを明確にします。

on behalf of は、in the name ofとは異なり、「誰が誰の代わりに、どのような行為を行ったか」という行為の代理関係を強調します。

例文①のassume or create any obligation on behalf of the otherは、「相手方という本人の代わりに、義務を引き受ける」という行為を指しており、in the name ofでは表現できない「代理」のニュアンスを含んでいます。

このように、on behalf ofは単なる「〜のために」というだけでなく、「本人に代わって行動し、その法的効果を本人に帰属させる」という、契約書で最も重要な「代理」という概念を明確にするための言葉です。

この違いを理解することで、契約書の条項が誰の責任で、誰に法的効果が及ぶのかを正確に把握することができます。

2.例文と基本表現:

(注):上記で解説したon behalf of青文字で示し、他の基本表現をハイライトしています。

1)on behalf of – 例文①

Relationship of the Parties(当事者の関係条項)からです。一方当事者は、相手方当事者の代理として義務を負うものではありません。

Neither party has any express or implied right under this Agreement to assume or create any obligation on behalf of the other, or to bind the other party to any contract, agreement or undertaking with any Third Party, and no conduct of the parties shall be deemed to infer such right. 

(訳):

いずれの当事者も、本契約に基づいて、相手方の代理として、義務を引き受けたり設けたり、第三者との契約、合意または約束を義務付けたりするいかなる明示的または黙示的な権利も有しておらず、両当事者のいかなる行為も、かかる権利の推測とみなされない。

(注):

*any express or implied rightは、明示的または黙示的な権利という意味です。

*assume or create any obligationは、義務を引き受けたり設けたりするという意味です。

*the otherthe other partyは、相手方という意味です。

contract, agreement or undertakingは、契約、合意または約束という意味です。contract(契約)agreement(合意、合意事項)の違いが分かるセンテンスです。

*be deemed to infer such rightは、be deemed to(~とみなされる)infer such right(かかる権利を推測する)で、かかる権利の推測とみなされると訳しています。be deemed to(~とみなされる)について、くわしくは、deemとconsiderの意味と例文をご覧ください。

2)on behalf of – 例文②

Representations and Warranties(表明保証条項)からです。各当事者は、当事者を代表して契約に署名する者が、契約を締結する正当な権限があることを表明保証します。

Each party represents and warrants that it has full power and authority to enter into and perform this Agreement, and the person signing this Agreement on behalf of such party has been properly authorized and empowered to enter into this Agreement.

(訳):

各当事者は、本契約を締結し履行するための完全な権限を有していること、及び当該当事者を代表して本契約に署名する者は、本契約を締結するための正当な権限が与えられていることを表明し、保証する。

(注):

*represents and warrantsは、表明し、保証するという意味です。詳しくは、represent and warrantの意味と例文をご覧ください。

*power and authorityは、権限という意味です。同義語による強調表現です。同義語による強調表現について、詳しくは、null and voidとright or privilegeの意味と例文をご覧ください。 

*enter intoは、(契約)を締結するという意味です。

*performは、履行するという意味です。詳しくは、performとperformanceの意味と例文をご覧ください。

*authorized and empoweredは、権限が与えられているという意味です。同義語による強調表現です。

 

 

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