in the course ofの意味と例文

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英文契約書の秘密保持条項などでよく使われる表現のin the course ofについて解説します。例文をとりあげ、要点と対訳と語注をつけました。

1.解説:

1)in the course ofとは

in the course ofは、英文契約書の

Confidentiality(秘密保持条項)Indemnification(補償条項)

をはじめとして、さまざまな場面で使われる契約表現です。

~の過程でという意味で用いられます。

in the course ofは、

in the course of transaction取引の過程で

in the course of performance:(契約の)履行の過程で

というように、進行中の過程を表す場合に使われる表現です。

なお、Confidentiality(秘密保持条項)とは、

契約の中で、第三者に漏洩されてしまうと相手方や自己のビジネスに支障のある情報について、秘密に保持する義務を課す

ことを目的とする条文です。

また、Indemnification(補償条項)とは、

A(一方当事者)に契約違反や義務違反があり、B(相手方当事者)が損害を被った場合に、AがBに損害を補うことを約束する

ことを規定する条文です。

2)in the course ofの使い方

使い方は、以下のようになります。(青字部分

Confidentiality(秘密保持条項)で:

『サプライヤーが取引の過程で(in the course of)知りうる製造業者に関わる情報は、機密情報として扱われる』(英文契約書の例文①をご覧ください)

『当事者は、契約の履行の過程で(in the course of)、機密情報を開示する場合があることを認識する』(英文契約書の例文②をご覧ください)

Indemnification(補償条項)

『 買主は、契約の履行の過程で(in the course of)、買主の過失や不履行により生じた請求から、売主を補償する』(英文契約書の例文③をご覧ください)

3)In the Course ofが定義する義務の「時間的・行為的
スコープ」

in the course ofは、「~の過程で」という時間的・行為的な枠組みを明確に定義し、契約上の義務や責任の適用範囲(スコープ)を限定する役割を果たします。

ア. 秘密保持条項における「情報開示の関連性」の限定

秘密保持契約(NDA)において、in the course ofが果たす最も重要な役割は、「秘密情報として保護されるべき情報の範囲」を、契約の目的(取引、履行など)と関連付けられた情報に限定することです。

目的:

単に「知った情報」すべてを秘密情報とするのではなく、「本取引(または本契約の履行)を遂行する過程で、その目的のために開示・受領した情報」のみに、重い秘密保持義務を課すことを明確にします。

法的含意

これにより、当事者は、本契約とは無関係に知った情報や、取引の過程外で得た情報については、秘密保持義務を負わないという境界線が確立されます。

イ. 補償条項における「因果関係の範囲」の限定

補償条項(Indemnification)において、in the course of「補償義務の発生原因」を限定します。

例文③

買主の補償義務が、「本契約の履行の過程で(in the course of performance)、買主の過失や不履行により引き起こされた」損害に限定されています。

リスク排除:

買主は、契約履行と無関係に生じた損害や、契約履行中であっても買主の過失を伴わない損害については、売主を補償する義務を負わないことが明確になり、補償範囲が合理的に制限されます。

2.例文と基本表現:

(注):上記で解説したin the course of青文字で示しています。

(注):他の基本表現をハイライトし語注をつけています。

1)in the course of の例文①:

Confidentiality(秘密保持条項)からです。サプライヤーが取引の過程で知りうる製造業者に関する情報は、機密情報として扱われます。

Any production and commercial information relating to Manufacturer of which Supplier may become aware of in the course of transaction (including and not limited to: technical information, drawings, specifications, commercial conditions) will have to be essentially treated as confidential and can not be used or disclosed without prior written permission from Manufacturer.

(訳):

サプライヤーが取引の過程で知りうる製造業者に関する生産および営業情報(技術情報、図面、仕様もしくは営業状況を含むがこれらに限定されない)は、本質的に機密情報として扱われるものとし、メーカーからの事前の書面による許可なしに使用または開示することはできない。

(注):

*relating toは、~に関するという意味です。

*become aware ofは、~を知るという意味です。 

*including and not limited toは、を含むがこれらに限定されないという意味です。詳しくは、including, but not limited to/including, without limitationの意味と例文をご覧ください。 

*without prior written permissionは、事前の書面による許可なしにという意味です。 

2)in the course of の例文②:

Confidentiality(秘密保持条項)からです。当事者は、契約の履行の過程で、機密であると識別された情報を開示する場合があることを認識します。

The Parties acknowledge that, in the course of performance under this Agreement, a Party may disclose, deliver or permit access by the other Party to information that is either identified as, or should reasonably be understood by the other Party to be, proprietary or confidential given the nature and the circumstances surrounding disclosure.

(訳):

両当事者は、本契約に基づく履行の過程で一方当事者が、他方当事者によって、専有もしくは機密であると識別された情報または開示を取り巻く状況からして専有もしくは機密であると合理的に理解される情報を開示し、提供し、もしくは他方当事者のアクセスを認める場合があることを認識する

(注):

*The Parties, a Party, the other Partyは、契約当事者を表す用語で、それぞれ両当事者、一方当事者、他方当事者という意味です。

*acknowledgeは、認識するという意味です。詳しくは、acknowledgeの意味と例文をご覧ください。 

*performanceは、履行という意味です。詳しくは、performとperformanceの意味と例文をご覧ください。 

*permit access by the other Partyは、他方当事者のアクセスを認めるという意味です。

*should reasonably be understoodは、合理的に理解されるという意味です。 

*proprietaryは、専有のという意味です。 

*givenは、~からして(=~を考えると)という意味です。 

*the nature and the circumstancesは、直訳すると性質と状況ですが、意訳(状況)しています。

3)in the course of の例文③:

Indemnification(補償条項)からです。買主は、契約の履行の過程で、買主の過失や不履行により生じた訴訟や請求から、売主を補償します。

Buyer hereby indemnifies Seller in respect of all damage or injury occurring to any person or to any property and against all actions, suits, claims, demands, costs, charges, or expenses arising in connection to the extent that the same shall have been caused by the negligence or default of Buyer, agents or any third party in the course of performance of or arising out the Agreement.

(訳):

買主は、本契約により、人もしくは財産に生じた一切の損害もしくは傷害について本契約の履行の過程で、または本契約に起因して買主、代理人、第三者の過失もしくは不履行により引き起こされた範囲で生じる一切の訴訟、主張、請求もしくは費用から、売主を補償する

(注):

*herebyは、本契約によりという意味です。詳しくは、hereto, hereof, herein, hereby, hereunder, herewith, hereinafterの意味と例文をご覧ください。 

*indemnifies~against~は、~から~を補償するという意味です。

*in respect ofは、~についてという意味です。 

*actions, suits, claims, demands, costs, charges, or expensesは、actionssuitsclaimsdemandscostschargesexpensesで類語が並んでおり、それぞれ、訴訟、主張、請求もしくは費用と訳しています。 

*arising in connection to the extentは、範囲で生じると意訳しています。 

*the negligence or defaultは、過失もしくは不履行という意味です。 

*agentsは、代理人という意味です。

*performanceは、履行という意味です。 

*arising outは、に起因してという意味です。 

 

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