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英文契約書の契約期間条項などで使われる契約用語であるinclusiveとexclusiveについて解説します。例文をとりあげ、対訳と語注をつけました。
1.解説:
1)inclusiveとexclusiveとは
inclusiveは、(契約のその日付が)含まれるという意味です。
exclusiveは、(契約のその日付が)含まれない、(その日付を)除くという意味です。
inclusiveとexclusiveは、
英文契約書のTerm(契約期間条項)で特によく使われる契約用語です。
また、Definitions(定義条項)でもよく目にすることができます。
ちなみに、Term(契約期間条項)とは、
契約期間、つまり契約が有効となる契約の始期と終期を定義する
ための条項です。
そして、Definitions(定義条項)とは、
契約当事者の間で、用語の意味を正確に定義することにより、その解釈に食い違いがおきないようにする
ための条項です。
付け加えると、exclusiveについては、
独占的、排他的という意味にも使われます。
exclusive distributor(独占的販売店)
exclusive right(独占的権利、排他的権利)
というようにです。
詳しくは、exclusiveとnon-exclusiveの意味と例文をご覧ください。
2)inclusiveとexclusiveの使い方
inclusiveとexclusiveは、たとえば、
契約の開始日と終了日のいずれかの日について、その日付を含むのか、含まないのか、を明確にする
ときに使われます。
契約の開始日と終了日の両方を使って、期間で表現する場合は、
both dates inclusive(いずれの日も含む)
both dates exclusive(いずれの日も除く)
という表現を使います。(英文契約書の例文③をご覧ください)
3)inclusiveとexclusiveが担保する「期間の法的明確性」と「権利義務の範囲」
inclusiveとexclusiveという表現は、英文契約書において、契約の期間や特定の定義における「日付の包含関係」を極めて明確にし、それによって当事者の権利や義務の開始・終了時期、および責任の範囲を画定するための不可欠な要素です。
これらの単語の有無や選択は、実務上、法的な解釈の相違や紛争を防ぐ上で非常に重要な意味を持ちます。
期間の「始まり」と「終わり」の法的明確性:
契約期間(Term)や特定の業務の期限を定める際、その開始日や終了日を「含む」のか「含まない」のかは、非常に重要な法的意味を持ちます。
例えば、December 31, inclusive(12月31日を含む)と明記することで、その日の終わりまで契約が有効であることを明確にできます。
もしこの記載がない場合、当事者間で「12月31日は含むのか、それとも12月30日で終わるのか」という解釈の争いが生じる可能性があります。
これは、契約期間中の権利行使、義務の履行、さらには解除の可否や損害賠償の発生時期に直接影響するため、曖昧さを排除することが不可欠です。
定義の厳密性と範囲の画定:
Definitions(定義条項)において、
「calendar year will mean that twelve (12) month period from January 1 to December 31, inclusive.」(暦年とは、1月1日から12月31日(当日を含む)までの12か月の期間を意味する、例文①)
のように使用することで、特定の用語が指す期間や範囲を厳密に定義できます。
これにより、将来的にその用語が用いられた際の解釈のブレを防ぎ、契約全体の一貫性を保つことができます。
これは、例えば会計期間、報告期間、支払いサイクルなど、期間が重要となるあらゆる定義に適用されます。
実務上の注意点とリスク回避:
inclusiveとexclusiveの使い分けは、些細な違いに見えても、実際のビジネス上の影響は甚大になる可能性があります。
例えば、あるライセンス契約の期間が「2025年1月1日から2025年12月31日までexclusive」と記載されていた場合、ライセンシーは12月31日にはすでにライセンスを使用する権利がないことになります。
もしその日に何らかの業務を行う計画があった場合、大きな支障が生じ、さらには契約違反となる可能性も出てきます。
逆に、サービス提供契約で「料金は2025年1月1日から2025年12月31日までinclusiveのサービスを対象とする」と明記されていれば、その最終日のサービスまで料金に含まれることが明確になり、追加料金の請求などのトラブルを防げます。
契約締結時には、それぞれの当事者が、これらの表現が自身の権利と義務に与える影響を十分に理解し、意図する期間の包含・除外を正確に反映させる必要があります。
曖昧な表現は、高額な訴訟費用やビジネス機会の損失につながりかねません。
このように、inclusiveとexclusiveは、英文契約書における期間の法的明確性を確立し、当事者の権利義務を正確に画定し、将来の紛争リスクを最小限に抑えるための、基本的でありながら極めて重要な表現であると理解することが重要です。
2.例文と基本表現:
(注):上記で解説したinclusiveは青文字で示し、他の基本表現をハイライトしています。
(注):例文のinclusive(含まれる)の部分は、その日付を含まないとする場合は、exclusive(含まれない、除く)に置き換えます。
1)inclusiveとexclusiveの例文①:
Definitions(定義条項)からです。
For the purpose of this Agreement, “calendar year” will mean that twelve (12) month period from January 1 to December 31, inclusive.
(訳):
本契約において、「暦年」とは、1月1日から12月31日(当日を含む)までの12か月の期間を意味する。
(注):
*For the purpose of this Agreementは、本契約において、本契約の解釈上という意味です。
2)inclusiveとexclusiveの例文②:
Term(契約期間条項)からです。
This Agreement shall be for a term of five (5) years with effect from 2016, January 1 to 2020 December 31, inclusive.
(訳):
本契約は、2016年1月1日から2020年12月31日(当日を含む)までの5年間有効とする。
(注):
*with effect fromは、から有効という意味です。
3)inclusiveとexclusiveの例文③:
Term(契約期間条項)からです。
Unless this Agreement shall be terminated sooner as provided herein, the initial term of this agreement shall be for a period of four (4) years, commencing on the 1st day of September, 2016, and ending on the 30th day of August, 2020, both dates inclusive.
(訳):
本契約の当初の期間は、本契約に定めるとおりに早期に本契約が解除される場合を除き、2016年9月1日から始まり、2020年8月30日まで(いずれの日も含む)の4年間とする。
(注):
*terminatedは、(本契約が)解除されるという意味です。
*as provided hereinは、本契約に定めるとおりにという意味です。
*commencing onは、から始まるという意味です。
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