contingent uponの意味と例文

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英文契約書の条件に関する表現であるcontingent uponについて解説します。例文をとりあげ、要点と対訳をつけ語注をつけました。

1.解説:

1) contingent upon とは

contingent uponは、契約に定める権利や義務がそのままでは実現せず、特定の条件が満たされることに依存していることを示します。

~を条件とする、~の条件付きと訳されます。

これは、ある事柄が発生するためには、他の事柄が先行して発生することが必要である、という関係性を表現する際に用いられます。

特に、義務の発生や履行、権利の取得などに条件を付す場合によく使われます。

(ご参考):

契約の条件を付ける他の表現は、以下もご参考にしてください。

subject toの意味と例文

on the condition thatとon condition thatの意味と例文

2)契約レビューの重要ポイント:contingent upon条項の戦略的活用と注意点

contingent upon は、契約当事者間の権利と義務の発生に条件を付与するために使われる、極めて重要な表現です。

この条項の解釈を誤ると、予期せぬ義務の発生、権利の喪失、または紛争の激化につながる可能性があります。

特に、「何を」「何に」条件としているのかを明確に理解し、自社にとってのリスクと機会を評価することが不可欠です。

契約レビュー時には、以下の点に細心の注意を払いましょう。

ア.条件付けられる対象の明確化

なぜ問題になるのか?:

何が」条件付けられているのかが不明確だと、権利や義務の有無について当事者間で認識の齟齬が生じ、紛争の原因となります。

例えば、「支払い」が条件付けられているのか(例文①例文③)、それとも「雇用」が条件付けられているのか(例文②)によって、その条項の重要性は大きく異なります。

確認すべきポイント:

主語と動詞の関係:

is contingent upon または made contingent upon の主語(何が条件付けられているのか)と、upon の後に続く目的語(何が条件なのか)を正確に把握しましょう。

具体性の確認:

条件付けられる対象が、契約のどの部分(特定の義務、支払い、権利など)に適用されるのかを具体的に理解しましょう。

抽象的な表現は避け、具体的な行為や結果に紐づいているかを確認します。

イ.条件の内容と充足の客観性

なぜ問題になるのか?:

条件の内容が曖昧だったり、その充足が主観的な判断に委ねられたりすると、相手方によって恣意的に条件の不充足を主張され、自社の権利行使や義務履行が妨げられるリスクがあります。

確認すべきポイント:

客観的な基準:

条件が客観的に判断できる具体的な基準(例:compliance with the Equipment Specification – 例文③、successfully completing the acceptance criteria – 例文③)で記述されているかを確認しましょう。

主観的な表現(例:「満足できる」など)は、できるだけ客観的な指標に置き換えるよう交渉しましょう。

証明の容易さ:

条件が充足されたことを容易に証明できるような仕組み(例:第三者による証明書、特定の文書の提出、測定可能な指標)が組み込まれているかを確認しましょう。

履行の制御可能性:

条件となる事柄が、自社の努力や支配の範囲内にあるかを確認しましょう。

自社がコントロールできない外部要因が条件となっている場合、そのリスクを事前に評価し、代替案やリスクヘッジ条項(例:不可抗力条項)の必要性を検討すべきです。

ウ.条件不充足の場合の対応

なぜ問題になるのか?:

条件が満たされなかった場合に、契約関係がどうなるのか(契約の終了、義務の免除、別途交渉など)が明確でないと、当事者間で混乱が生じます。

確認すべきポイント:

契約の継続性:

条件が充足されない場合、当該義務や権利が消滅するだけなのか、それとも契約全体が解除されるのかを明確に規定しましょう。

一方的な解除権:

特定の条件が満たされなかった場合に、一方の当事者が契約を解除できる権利を持つかどうかを確認しましょう。

再交渉の機会:

条件が満たされなかった場合に、当事者間で再交渉を行う機会が設けられているかも、柔軟な対応を可能にするために重要です。

エ.支払い義務への影響(特に買主側)

なぜ問題になるのか?:

例文①のように、支払い義務が特定の条件にnot contingent upon(条件としない)とされている場合、買主側はサービスの提供や特定の成果物の納品に関わらず、支払義務を負うことになります。

これは買主にとって大きなリスクとなり得ます。

確認すべきポイント:

買主側からの視点:

買主としては、支払い義務が「特定の成果物の受領」「品質基準の達成」「特定のサービスの完了」などにcontingent upon となるよう交渉することで、リスクを軽減し、サプライヤーの履行を促すことができます。

売主側からの視点:

売主としては、支払い義務が可能な限り無条件で発生するよう、not contingent upon と規定することを試みるでしょう。

両者の交渉力と取引の性質によって、このバランスは決まります。

contingent upon 条項は、契約の動的な側面を規定し、特定の事象が発生することを前提とした権利や義務を設定するために不可欠です。

この条項をレビューする際には、「何が、何に、どのような客観的基準で条件付けられているのか」を徹底的に分析し、自社のリスク許容度とビジネス目標に合致するよう、慎重かつ戦略的に策定・交渉することが、予期せぬ損失を回避し、契約の実効性を高める上で極めて重要となります。

2.例文と基本表現:

(注):contingent uponは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。

1) contingent upon(~を条件とする)- 例文①

クライアントは、サービス代金の支払いをソフトウェアの配信等を条件としないことに合意します。

Client shall pay the Company the fees for the Services as set forth in the fee schedule contained in the applicable SOW. Client acknowledges and agrees that payment for Services hereunder is not contingent upon the delivery or performance of any The Company software.

(訳):

クライアントは、該当する作業明細書の料金表に規定するサービス料金を、当社に支払うものとする。クライアントは、本契約に従いサービス料金の支払いが当社ソフトウェアの配信又はパフォーマンスを条件としないことを確認し合意する。

(注):

set forthは、規定するという意味です。詳しくは、set forthの意味と例文をご覧ください。

SOWは、Statement of Workの略です。作業明細書、仕様書を意味します。

acknowledges and agreesは、確認し合意するという意味です。詳しくは、acknowledgeの意味と例文をご覧ください。

hereunderは、本契約に従ってという意味です。詳しくは、hereto, hereof, herein, hereby, hereunder, herewith, hereinafterの意味と例文をご覧ください。

2)contingent upon(~を条件とする)- 例文②

従業員の雇用は、機密保持契約の締結と遵守を条件とします。

Employee’s future employment with the Company is expressly made contingent upon the employee’s agreement to, execution of, and adherence to this Confidentiality Agreement.

(訳):

従業員の今後の会社での雇用は、本機密保持契約の従業員の合意、その締結及び遵守明確な条件とする。

(注):

execution of, and adherence toは、execution((契約の)締結adherence(遵守で、その締結及び遵守という意味です。

3) contingent upon(~を条件とする)- 例文③

代金の最終支払いは、機器仕様の遵守と受入れ基準完了を条件とします。

Final payment is contingent upon compliance with the Equipment Specification and successfully completing the acceptance criteria after installation at Buyer’s facility.

(訳):

最終的な支払いは、機器仕様の遵守及び買主の施設に設置した後の受入れ基準の正常な完了を条件とする。

(注):

compliance withは、の遵守という意味です。

the acceptance criteriaは、受入れ基準という意味です。

 

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