deemとconsiderの意味と例文

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英文契約書でよく使われるdeemについてです。基本表現のdeemed toを使った例文もいくつかとりあげて、訳を付けています。例文中の他の基本表現に注記を入れました。

1.解説:

1)deemについて

deemは、みなすという意味です。

英文契約書では、ほとんどの場合、be deemed to~の表現型式で用いられます。

be deemed to~で、~とみなされるという意味になります。

英文契約書では、be deemed to~(~とみなされる)が、ひんぱんに使われます。(以下の例文①~例文④をご覧ください)

2) deem(みなす)と似た用語

deem(みなす)と似た用語に、以下のようなものがあります。

・consider(みなす、検討する)

・regard(みなす)

・treat(みなす)

presume(推定する)

大きな違いは、 deem(みなす) は、当事者間の約束や事実がどうであっても、反証することができないということです。

しかし、上記の consider(みなす、検討する)regard(みなす)treat(みなす)presume(推定する)は、いずれも反証することができることに違いがあります。

3) assumeについて

この他、assumeについてです。

assume は、通常、推測する、と訳されます。

しかし、英文契約書では、assumeは、(責任を)負うという意味に使われます。

4) deemおよび類似表現の法的・実務的な意義

deemという表現は、単なる「〜と考える」という意味合いを超え、英文契約書において特定の法的効果を付与するために用いられる強力な動詞です。

その特性を理解することは、契約書の正確な解釈と、将来の紛争予防に不可欠です。

ア.「deem」の法的拘束力と「反証不能」の意味

「法的擬制」としてのdeem:

deemが使用される場合、それは事実がどうであれ、特定の法的効果を「〜であるとみなす」という、一種の法的擬制(legal fiction)を生じさせます。

これは、例えば「通知が郵送後5日経過した時点で受領されたとみなされる(shall be deemed to be received 5 business days after mailing)」という規定のように、実際に相手方がその時点で通知を受け取ったか否かにかかわらず、法律上、その時点で受領が完了したと扱うことを意味します。

「反証不能」の重要性:

「deemは反証することができない」という説明は、この法的擬制の強さを端的に表しています。

つまり、一旦契約書で「deemed(〜とみなされる)」と規定された場合、たとえ後からその「みなされた事実」が実際の事実と異なると証明しようとしても、原則としてその反証は認められません。

これは、契約当事者間の法的安定性を確保し、無用な事実認定の争いを避けるための重要な機能です。

リスクと機会:

送付側(通知元)のメリット:

例えば通知条項(下記の例文③)において、郵送した通知が「5日後に受領されたとみなされる」とあれば、相手方が実際に受け取ったかどうかに関わらず、送付側は5日後に法的効果が発生すると自信を持って行動できます。

受領側(通知先)のリスク:

一方で、通知先は、たとえ実際には通知を見ていなかったとしても、契約書に定められた「みなされる」タイミングで法的な義務が生じるため、郵便物やメールの確認を怠ることは許されません。

イ.「consider」「regard」「treat」「presume」との比較

上記「1. 解説:2) deem(みなす)と似た用語」で挙げられているこれらの動詞は、deemと異なり、「反証可能」な「推定」や「解釈」の意味合いが強いです。

consider, regard, treat:

これらの動詞が「〜とみなす」という意味で使われる場合、それは「〜と解釈する」「〜として取り扱う」というニュアンスが強く、契約当事者がある事実を特定の観点から評価することを示します。

しかし、これは「事実そのもの」を確定させるものではなく、例えば、後に客観的な証拠によって異なる事実が示されれば、その「みなされた解釈」が覆される可能性があります。

presume(推定する):

presumeは「〜と推定する」という意味であり、これは「反証がない限り〜であると仮定する」という法的効果を持ちます。

つまり、推定された事実と異なることを証明できれば、その推定は覆されます。

これはdeemの「反証不能」とは対照的です。

ウ.assumeの契約書における特殊な意味合い

上記「1. 解説:3) assumeについて」で述べられている通り、assumeが契約書で「(責任を)負う」という意味で使われるのは非常に重要です。

責任の引き受け:

assumeが「責任を負う」「債務を引き受ける」という意味で使われる場合、それは特定の義務やリスクを自らが引き受けるという意思表示になります。

例えば、「譲受人は本契約における譲渡人のすべての義務をassumeする」といった表現は、譲受人が譲渡人の契約上の責任を全面的に引き継ぐことを意味します。

この意味合いは、日常会話の「推測する」とは大きく異なるため、注意が必要です。

エ.実務上の最適な方法

deem使用時の注意:

deemが使われている条項は、当事者の意図しない法的効果を生じさせる可能性があるため、特に注意深くレビューすべきです。

「いつ、何が、どのようにdeemedされるのか」を明確に理解し、自社にとって不利益にならないかを確認することが重要です。

通知条項の厳密な遵守:

通知に関するdeem条項は、契約上の期限と法的権利の行使に直結するため、通知を送る際も受け取る際も、条項で指定された方法とタイミングを厳密に遵守する必要があります。

記録が残る方法を選択し、送付・受領の証拠を保管することが不可欠です。

類似表現のニュアンス理解:

deemと類似するconsider、regard、treat、presumeなどが使われている場合は、その言葉が持つ「反証可能性」の有無を意識し、その条項が当事者に与える法的効果の強さを正確に把握することが重要です。

deemという一見地味な単語一つにも、英文契約書特有の深い法的意味合いが込められています。

これらの表現のニュアンスを正確に理解し、契約レビューや交渉、そしてその後の実務に活かすことが、法的リスクを最小限に抑え、契約を効果的に運用するための鍵となります。

2.例文と基本表現:

以下の例文①~例文④のように、be deemed to( ~とみなされる は、英文契約書のさまざまな場面で使われます。

(注):be deemed toは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。

1) be deemed to (~とみなされる)の例文①

The relationship of the Parties under this Agreement is that of independent contractors. Nothing herein shall be deemed to make either Party the agent, partner, or joint venturer of the other.

(訳):

本契約に基づく両当事者の関係は、独立した契約者の関係である。本契約のいかなる条項も、いずれかの当事者を他方の当事者、代理人、または合弁会社とみなされるものではない。

(注):

independent contractors は、独立した契約者の意味です。詳しくは、Relationship of the Parties(当事者の関係条項)をご覧ください。

2) be deemed to (~とみなされる)の例文②

Company will be deemed to have accepted the Software if Company fails to notify Developer on or before the expiration of the Inspection Period.

(訳):

会社が検査期間の終了時またはその前に開発者に通知しない場合、会社は、ソフトウェアの引渡しを受けたものとみなされる

(注):

fails to notifyは、通知しないという意味です。

on or before the expirationは、終了時またはその前にという意味です。

3) be deemed to (~とみなされる)の例文③

If sent by airmail, the notice shall be deemed to be received 7 business days after the date of postmark or on such earlier actual delivery date as is evidenced by the signed return receipt or internet tracking.

(訳):

航空便で送付される場合、通知は、消印の日付7営業日後またはサイン入り受け取り証明もしくはインターネット追跡で証明できる前の実際の配達日に受領されたものとみなされる

(注):

*the date of postmarkは、消印の日付という意味です。

as is evidenced byは、~で証明できるという意味です。

4) be deemed to (~とみなされる)の例文④

Any alleged breach of warranty that cannot be duplicated or otherwise objectively confirmed by Seller shall be deemed to not be a breach of warranty.

(訳):

売主が再現できない等、客観的に確認できない保証の不履行申し立ては、保証の不履行とみなされないものとする。

(注):

Any alleged breachは、不履行申し立てという意味です。 allegedについては、詳しくは、allegeの意味と例文をご覧ください。

cannot be duplicated or otherwise objectively confirmedは、cannot be duplicated(再現できないor otherwise(または別の方法で、~かそうでないもの)cannot be objectively confirmed(客観的に確認できないで、再現できない等、客観的に確認できないと訳しています。

 

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