英文と日本語のビジネス契約書の作成・チェック(レビュー)・翻訳の専門事務所です。(低料金、全国対応)
英文契約書の定義条項などでよく使われるcollectively について、とりあげます。例文をとりあげ訳をつけて、例文中の基本表現に注記を入れました。
1.解説:
1)collectivelyとは
collectivelyは、総称して(まとめて)という意味です。
collectively(総称して)は、複数の用語を、まとめて定義したい場合に、以下の慣用表現で使われます。
・collectively referred to as ~:
総称して~というという意味です。
(下記の例文①と例文②をご覧ください。)
・hereinafter collectively referred to as ~:
以下、総称して~というという意味です。
(下記の例文③と例文④をご覧ください。)
英文契約書において、上記の二つの慣用表現は、
Premises (頭書) や、
Definitions(定義条項)
などでよく使われます。
なお、Premises (頭書)とは、
英文契約書の冒頭に置かれるパートであり、その趣旨は、契約の発効日と当事者の特定にあります。特に、契約の当事者の特定のため、当事者である会社の種類、会社設立の準拠法、当事者の本店所在地、当事者の商号など、
が詳しく記載されます。
また、Definitions(定義条項)とは、
双方の契約当事者の間で、用語の意味を正確に定義することにより、その解釈に食い違いがおきないようにする
ための契約条文のことをいいます。
2)なぜcollectivelyが重要なのか:簡潔さと解釈の一貫性
collectivelyという言葉は、契約書全体の可読性(読みやすさ)と法的正確性を向上させるために不可欠な役割を果たします。
特に、複数の当事者や、複数のカテゴリーの対象物を扱う場合にその真価を発揮します。
ア.契約書の簡潔化と効率化
契約書に登場する当事者や用語は、しばしば長くなりがちです。
例えば、例文④のように「all employees (whether permanent, fixed-term or temporary), consultants, contractors, agency staff or any other person providing services to the Group」といった長いリストを、その都度本文に書くことは非効率的です。
collectivelyを使用することで、この長いリストを「workers」といった簡潔な一語で表現できるようになります。これにより、
・契約書の記述が簡潔になり、読みやすさが向上する。
・契約書の作成やレビューの時間を節約できる。
といった実務的なメリットが生まれます。
イ.解釈のブレをなくし、一貫性を保つ
collectivelyは、単に契約書を短くするだけでなく、法的解釈の正確性を担保する上でも重要です。
例えば、複数の関連会社が「Affiliates(関連会社)」として一括して定義される場合、collectivelyの有無は、契約の効力がどのように及ぶかに影響します。
collectivelyがない場合:
もし「ABC社とXYZ社」が「当事者」として何度も登場する場合、その都度、両社が共同で義務を負うのか、あるいは個別に義務を負うのかが不明確になる可能性があります。
collectivelyがある場合:
collectively referred to as the “Parties”と明確に定義することで、the “Parties”という言葉が使われた際には、常に「ABC社とXYZ社の両者」を意味することが明確になります。
これにより、解釈に一貫性が生まれ、将来的な紛争を避けることができます。
collectivelyは、「契約書全体を通して、このグループをこのように呼ぶ」というルールを冒頭で宣言するための強力なツールです。
これにより、契約書が複雑になっても、各条項が同じ意味で一貫して解釈されることが保証されるのです。
2.例文と基本表現:
(注):collectivelyは、青文字で示しています。
1) collectively referred to as ~(総称して~という) の例文①
Party A and Party B may be collectively referred to as the “Parties” or individually as a “Party.”
(訳):
当事者Aおよび当事者Bは、総称して「両当事者」、それぞれ「当事者」という。
(注):
*partyとthe partiesは、それぞれ、partyが当事者を、the partiesが両当事者を意味します。詳しくは、partyとparties他の関連表現の意味と例文をご覧ください。
*individuallyは、それぞれという意味です。
2) collectively referred to as ~(総称して~という) の例文②
この例文では、collectivelyの次の、referred to asの部分が省略されています。
This “Agreement is entered into effective XX between ABC company, a XX having its head office at XX and XYZ company a XX having its head office at XX (collectively the “Parties” or individually a “Party”).
(訳):
本契約は、XX(日付)から効力を有するものとして、XXに本店を置くABC会社と、XXに本店を置くXYZ会社(総称して「両当事者」、それぞれ「当事者」という。)との間に締結される。
3)hereinafter collectively referred to as ~(以下、総称して~という) の例文③
Customer and the Developer shall hereinafter collectively be referred to as the “Parties” and individually as the “Party”.
(訳):
顧客とデベロッパーは、以下、総称して「両当事者」、それぞれ「当事者」という。
4)hereinafter collectively referred to as ~(以下、総称して~という) の例文④
This agreement applies to all employees (whether permanent, fixed-term or temporary), consultants, contractors, agency staff or any other person providing services to the Group (hereinafter collectively referred to as “workers” ).
(訳):
本契約は、すべての従業員(正社員、期間社員、臨時社員)、コンサルタント、受託業者、代理店スタッフ、またはグループ会社にサービスを提供するその他の者(以下、総称して「労働者」という。)に適用される。
*applies toは、に適用されるという意味です
*all employees (whether permanent, fixed-term or temporaryは、すべての従業員(正社員、期間社員、臨時社員)という意味です
英文契約書・日本語契約書の作成・チェック(レビュー)・翻訳は、当事務所にお任せください。リーズナブルな料金・費用で承ります。
お問合せ、見積りは、無料です。お気軽にご相談ください。
受付時間: 月~金 10:00~18:00
メールでのお問合せは、こちらから。
ホームページ:宇尾野行政書士事務所
