have madeとhave manufacturedの意味と例文

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英文契約書の製造委託に関係する表現であるhave madehave manufacturedについて、とりあげます。 例文をとりあげ要点と対訳をつけました。例文中のその他の基本表現に注記を入れました。

1.解説  :

1)have madeとhave manufacturedとは

英文契約書の製造委託契約ライセンス契約などでは、

have madeや、

have manufactured

という表現がよく使われます。

製造委託を受けた製造業者やライセンシー(ライセンスを受けた者)が、

have madeとかhave manufacturedする、

というように表現されます。

これは、どういうことなのかというと、以下のことを意味します。

have made:

製造業者やライセンシーが、製造を自社で行うのでなく第三者に下請けに出す、製造委託することを意味します。(下記の例文①をご覧ください)

have manufactured:

have made(製造委託する)と同じです。

製造業者やライセンシーが、製造を自社で行うのでなく第三者に下請けに出す、製造委託することを意味します。(下記の例文②をご覧ください)

なお、製造委託契約とは、

契約の一方当事者が、他方当事者に物品の製造を委託し、その製造物の供給を受ける契約

のことをいいます。

また、ライセンス契約とは、

特許発明、意匠、商標ノウハウなどの知的財産の利用を相手方に許諾する契約

のことをいいます。

2)have made / have manufactured が担保する
「品質管理」と「知的財産保護」の重要性

have made や have manufactured という表現は、単に「製造を委託する」という事実を述べるだけでなく、

特に製造委託契約やライセンス契約において、「委託元(発注側やライセンサー)が、製造プロセスや品質、そして知的財産に対してどこまで管理権限を持つべきか」という重要な論点を明らかにします。

これらの表現の有無や、それに付随する条件は、契約当事者にとって極めて戦略的な意味合いを持ちます。

委託製造の許可・禁止の明確化:

このフレーズを契約書に含めるか否か、あるいは含める場合に「with a right to sublicense(サブライセンス権付き)」といった条件を付すか否か(例文①)は、製造プロセスをどこまでサプライヤー(ライセンシー)に任せるかを決定します。

許可する場合:

発注側は、サプライヤーが製造能力を補完するために第三者を利用することを容認することで、供給の柔軟性を確保できます。

ただし、その場合でも、委託先(下請け)の品質管理や秘密保持義務の遵守をサプライヤーに徹底させるための追加条項(例:委託先に関する事前の承認、監査権、秘密保持契約の締結義務など)が必要になります。

禁止する場合:

例文②のように「shall not manufacture, process, or have manufactured or processed」と明記することで、ライセンシーがライセンス製品の製造を第三者に委託することを明確に禁止します。

これは、品質の一貫性を厳格に管理したい場合や、ライセンサーが提供するノウハウや秘密情報が外部に漏れるリスクを最小限に抑えたい場合に特に重要です。

特定の技術や製造プロセスが企業秘密に当たる場合、委託製造を禁止することは、知的財産保護の観点からも極めて有効な手段となります。

品質管理と責任の所在:

製造を委託する(have made / have manufactured)ということは、直接製造する当事者ではない第三者が関与することを意味します。

この場合、最終製品の品質に対する責任の所在を明確にする必要があります。

通常、契約では、委託先の行為についても直接の契約相手(ライセンシー)が責任を負うことを定めます。

これにより、品質問題が発生した場合でも、責任追及が容易になり、発注側のリスクが軽減されます。

知的財産権の保護:

製造委託を行う際には、委託先に製品の設計情報、製造プロセス、ノウハウといった機密性の高い情報や知的財産が開示されることが多々あります。

have made / have manufactured という権利を付与する(あるいは禁止する)条項は、これらの知的財産が不正に利用されたり、第三者に漏洩したりするリスクを管理する上で中心的な役割を果たします。

委託先に対しても秘密保持義務を負わせる条項や、知的財産権の帰属を明確にする条項と連携して機能します。

 

have made / have manufacturedの表現は、単語の意味を超えて、製造・ライセンス供給チェーンにおけるリスクと管理、品質保証、そして知的財産保護という、ビジネスの根幹に関わる戦略的な意思決定を反映しています。

契約書を検討する際には、これらのフレーズが自社のビジネスモデルやリスク許容度と合致しているかを慎重に評価することが極めて重要です

2.例文と基本表現:

(注):have madehave manufacturedは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。

1)have made(製造委託する)– 例文①

Manufacturing Agreement(製造委託契約)からです。製造業者が、製品を製造委託するために、他の会社に、製造業者の権利をライセンス許諾(with a right to sublicense)します。

Manufacturer hereby grants to the Company a non-exclusive, royalty-free, fully-paid license, with a right to sublicense, to use any Manufacturer Rights necessary or useful for the manufacture or servicing of Products, and to make, have made and distribute the Products manufactured or serviced using said Manufacturer Rights.

(訳):

本契約により、製造業者は、製品の製造又はサービスに必要若しくは有用な製造業者の権利を使用し、及び製造業者の当該権利を使用して製造又はサービスされた製品を製造し、製造委託し、販売するために、サブライセンス権利付きの非独占的かつロイヤリティフリーの全額一括払いのライセンスを、会社に対し許諾する

(注):

*hereby grants toは、本契約により~に(ライセンスを)許諾するという意味です。herebyについて、くわしくは、hereto, hereof, herein, hereby, hereunder, herewith, hereinafterの意味と例文をご覧ください。
grants toについて、くわしくは、grant licenseとgrant sublicensesの意味と例文をご覧ください。

*non-exclusive, royalty-freeは、非独占的かつロイヤリティフリーのという意味です。

*fully-paidは、全額一括払いのという意味です。 

*with a right to sublicenseは、サブライセンス権利付きのという意味です。

2)have manufactured(製造委託する)– 例文②

License Agreement(ライセンス契約)からです。ライセンシーは、ライセンス製品を製造委託することはできません。

During the term of this Agreement, Licensee shall not manufacture, process, or have manufactured or processed, or sell Licensed Products or any products which are substantially equivalent to Licensed Products except as provided in this Agreement.

(訳): 

本契約の期間中、ライセンシーは、本契約で規定されている場合を除き、ライセンス製品またはライセンス製品と実質的に同等の製品を製造し、加工し、製造委託し、加工委託し、又は販売してはならない。

(注):

*processedも、haveがかかっており、加工委託するという意味です。

*substantially equivalent toは、と実質的に同等のという意味です。 

*except as provided inは、except as(~する場合を除いてprovided in(で規定されているで、で規定されている場合を除きという意味です。くわしくは、except asとexcept as provided inの意味と例文をご覧ください。

 

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