need to knowの意味と例文

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英文契約書の秘密保持契約で使われる表現のneed to knowついて解説します。 例文をとりあげて、要点と対訳と語注をつけました。

1.解説:

1) need to knowとは

need to knowは、Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約)や、通常の英文契約書のConfidentiality(秘密保持条項)で使われる表現です。

need to knowは、知る必要があるという意味です。

以下のような使い方です。(青字部分)

『受領当事者は、秘密保持に署名した知る必要がある関係者に対して、機密情報を開示できる』(下記の例文①例文②をご覧ください)

2)need to knowの関連表現

関連表現として、on a need to know basisがあります。

on a need to know basisは、知る必要性に基づいてという意味です。

以下のような使い方です。(青字部分)

『受領当事者は、関係者に対して、知る必要性に基づいてのみ、目的に必要な範囲でのみ、秘密情報を開示できる』(下記の例文③をご覧ください)

知る必要のあると意訳することもできます。

3)need to know原則の法的・実務的機能

need to knowは、単なる慣用句ではなく、秘密保持条項において「バケツのリレー」を制限するという非常に重要な法的機能を果たします。

この原則が機能することで、開示当事者(Discloser)は、情報が不必要に拡散されるリスクを最小限に抑えることができます。

ア. 情報漏洩リスクの最小化

秘密情報を受領した当事者(Recipient)は、通常、その情報を自社の従業員やコンサルタント、関連会社など、「必要最小限の範囲の関係者」にのみ開示することが許されます。

このneed to know原則は、開示範囲を「職務上、その機密情報がなければ契約上の目的(Purpose)を達成できない人」に厳格に限定するものです。

(例):
M&Aのデューデリジェンス(DD)において、対象会社の技術情報を知る必要があるのは、財務担当者ではなく、技術部門の担当者に限られます。

この線引きをするのがneed to knowの役割です。

イ. need to know原則を機能させるための二つの要素

例文でも示されているように、need to know原則が有効に機能するためには、通常、以下の二つの要素がセットで規定されます。

1.開示範囲の制限(need to know):

「誰に」開示するかを制限します。
(例:to employees who have a need to know)

2.保護の義務付け(be bound to protect):

開示を受けた「その者」が、情報を受領した当事者と同じ、またはより厳格な秘密保持義務(at least as protective as this Agreement)を負うことを要求します。(例文①例文②参照)

この二つを組み合わせることで、「必要最小限の人に開示し、かつ、その全員に秘密を守る義務を負わせる」という強固な情報管理体制が開示当事者に対して保証されます。

ウ. 実務上の対応

受領当事者としては、情報を受領した際、誰が、なぜ、どの情報をneed to knowに基づいて閲覧したかを記録に残しておくことが、将来的な情報漏洩時の責任追及や調査において重要になります。

2.例文と基本表現:

(注):need to knowは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。

1)need to know(知る必要がある)– 例文①

受領当事者は、秘密保持に署名した知る必要がある代理人と独立契約者に機密情報を開示できます。

The Recipient may disclose the Confidential Information to its agents and independent contractors with a need to know in order to fulfill the Purpose who have signed a nondisclosure agreement at least as protective of the Discloser’s rights as this Agreement.

(訳):

受領当事者は、目的を達成するために知る必要がある代理人および独立した契約者であって、少なくとも本契約と同程度に開示者の権利を保護する秘密保持契約に署名した者に機密情報を開示することができる。

(注):

*The Recipientは、受領当事者という意味です。

*discloseは、開示するという意味です。

*agentsは、代理人という意味です。

*independent contractors独立した契約者の意味です。詳しくは、Relationship of the Parties(当事者の関係条項)をご覧ください

*the Discloser’s rightsは、開示当事者の権利という意味です。

2)need to know(知る必要がある)– 例文②

受領当事者は、機密情報を合理的に知る必要があり、秘密保持義務を負う自社、関連会社、コンサルティング会社の従業員以外は、機密情報を開示できません。

All CONFIDENTIAL INFORMATION shall not be distributed or disclosed in any way or form by the receiving PARTY to anyone except its own, its RELATED COMPANIES’ or its consulting firms’ employees, who reasonably need to know such CONFIDENTIAL INFORMATION for the PURPOSE and who are bound to protect the confidentiality of CONFIDENTIAL INFORMATION in the possession of the receiving PARTY either by their employment agreement or otherwise to an extent not less stringent than the obligations under this AGREEMENT.

(訳):

受領当事者は、一切の機密情報を、その目的のために当該機密情報を合理的に知る必要があり本契約に基づく義務以上に厳格な範囲雇用契約その他の方法により、受領当事者が保持する機密情報の秘密性の保護について義務を負う自社、関連会社又はコンサルティング会社の従業員を除き、いかなる者に対しても、いかなる方法若しくは形式でも、配布又は開示してはならない。

(注):

*in any way or formは、いかなる方法若しくは形式でもという意味です。

*the receiving PARTYは、受領当事者という意味です。

*are bound toは、~することに拘束されるという意味ですが、義務を負うと訳しています。

*in the possession ofは、~に保持されている、~が保持するという意味です。

*or otherwiseは、その他の方法でという意味です。詳しくは、or otherwiseの意味と例文をご覧ください。

*to an extentは、~の範囲でという意味です。

*not less stringent thanは、以上に厳格なという意味です。not less thanの部分は、~以上を意味します。

3)on a need to know basis(知る必要性に基づいて、知る必要のある)– 例文③

当事者は、従業員等に対して、知る必要性に基づいてのみ、目的に必要な範囲でのみ、情報を開示しなくてはいけません。

The Parties shall disclose the Information to their employees, Affiliates, external experts and/or consultants only on a need to know basis and only to the extent absolutely necessary for the Purpose.

(訳):

両当事者は、その情報を、従業員、関連会社、外部の専門家又はコンサルタントに対し、知る必要性に基づいてのみ且つ本目的に絶対に必要な範囲でのみ、開示するものとする。

(注):

*to the extent absolutely necessaryは、絶対に必要な範囲での意味です。詳しくは、to the extent thatの意味と使い方|英文契約書の基本表現をご覧ください。

 

 

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