英文と日本語のビジネス契約書の作成・チェック(レビュー)・翻訳の専門事務所です。(低料金、全国対応)
英文契約書で根拠や理由を表す表現であるreasonable groundsについて解説します。 例文をとりあげ、要点と対訳と語注をつけました。
1.解説:
1)reasonable groundsとは
reasonable groundsは、英文契約書で根拠や理由を表す表現です。
reasonable groundsは、合理的な根拠、正当な理由という意味になります。(下記の例文①をご覧ください)
2)組み合わせ表現
reasonable grounds(合理的な根拠、正当な理由)の組み合わせ表現として、以下のものがあります。
・on reasonable grounds:
合理的な根拠、正当な理由に基づいてという意味です。(下記の例文②をご覧ください)
・reasonable grounds to believe that ~:
~と信じるにつき合理的な根拠、正当な理由という意味です。(下記の例文③をご覧ください)
3)留意点
reasonable grounds(合理的な根拠、正当な理由)は、曖昧さが残る表現です。
合理的な根拠や正当な理由とは何を指すのか、その具体的な内容を確認しておくべきといえます。
4)reasonable groundsとbest efforts等の裁量基準
の比較
英文契約書では、義務や権利の行使を定める際に、その根拠や判断基準として「合理的な(reasonable)」という言葉をよく用います。
reasonable groundsは、特定の行為(例:契約の拒否や解除)を行う根拠の客観性を求める基準です。
ア. 行為の根拠(grounds)をめぐる基準
reasonable groundsは、「第三者から見て、その行為が妥当であると認められる根拠」があるかどうかを問う、客観的な基準です。
reasonable grounds:
基準:
客観的。
意味:
誰から見ても納得できる事実や証拠が存在するか。
これに対し、もし契約書がsole discretion(単独の裁量)と規定していた場合、それは根拠の客観性を問わず、当事者の一存で決定できることを意味します。
reasonable groundsは、sole discretionのような完全な裁量権の行使に一定の歯止めをかける機能を持っています。
イ. 義務の履行(efforts)をめぐる基準
reasonable groundsは「根拠」の基準ですが、契約書には義務の「履行」に関する基準も規定されます。
commercially reasonable efforts(商業的に合理的な努力):
自社のビジネスにおいて通常行う、合理的な努力を要求する基準です。
best efforts(最大限の努力):
利用可能なあらゆる手段を尽くす、最も厳格な努力を要求する基準です。
reasonable groundsが「なぜそう判断したか」という判断の正当性を問うのに対し、reasonable effortsは「どの程度の努力をもって義務を果たすか」という行動の程度を問う基準である、という違いを理解することが重要です。
ウ. 実務上の注意:具体的な事実の記録
3)留意点」にあるように、reasonable groundsの具体的な内容が不明確な場合、紛争時にその合理性を証明できなければ、契約違反と見なされる可能性があります。
実務では、reasonable groundsに基づき行動を起こす場合(例:例文③で解除する場合)は、その根拠となった事実や証拠(例:過去の不払い記録、信用調査報告書など)を詳細に記録・文書化しておくことが、将来の紛争を防ぐための最良の対策となります。
2.例文と基本表現
(注):reasonable groundsは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。:
1) reasonable grounds(合理的な根拠、正当な理由)- 例文①
顧客が契約を遵守していないと疑う合理的な根拠がある場合、サプライヤーは、製品の配送を拒否できます。
The Supplier is entitled to refuse the delivery of the Products and/or to withdraw from the individual purchase contract when there are reasonable grounds for suspecting that the customer do not comply with the aforementioned provisions.
(訳):
サプライヤーは、顧客が前述の規定を遵守していないと疑われる合理的な根拠がある場合、製品配送を拒否し又は個々の購入契約を撤回する権利を有する。
(注):
*is entitled toは、権利を有するという意味です。
*and/orは、又はと訳しています。 詳しくは、and/orの意味と例文をご覧ください。
*withdraw fromは、を撤回するという意味です。
*comply withは、を遵守するという意味です。詳しくは、comply withの意味と例文をご覧ください。
*the aforementioned provisionsは、前述の規定という意味です。
2)on reasonable grounds(合理的な根拠、正当な理由に基づいて)- 例文②
データ保護に係わる合理的な根拠に基づく場合、顧客は、会社の受託業者の入れ替えについて異議を唱えることができます。
Customer may object to The Company’s addition or replacement of a third-party subcontractor prior to its appointment or replacement, provided such objection is based on reasonable grounds relating to data protection.
(訳):
当社が行う外部受託業者の追加又は入れ替えに係わる顧客の異議申し立てが、データ保護に関連した合理的な根拠に基づく場合に限って、顧客は、かかる追加又は入れ替えに先立ち、異議申立てを唱えることができる。
(注):
*providedは、provided thatの略です。~の場合に限ってという意味です。詳しくは、provided thatとprovided, however, thatの意味と例文をご覧ください。
3)reasonable grounds to believe that ~(~と信じるにつき合理的な根拠、正当な理由)- 例文③
顧客が支払い義務を遵守しないと信ずる合理的な根拠がある場合、会社は、通知により契約を解除できます。
The Company may terminate this Agreement by written notice without taking into account a notice period in any of the following events if The company has reasonable grounds to believe that Customer shall not comply with its payment obligations.
(訳):
当社は、顧客が支払い義務を遵守しないと信ずる合理的な根拠がある場合、以下のいずれかの場合に通知期間を考慮せず書面による通知を以って、本契約を解除することができる。
(注):
*taking into accountは、考慮するという意味です。
*in any of the following eventsは、以下のいずれかの場合にという意味です。
英文契約書・日本語契約書の作成・チェック(レビュー)・翻訳は、当事務所にお任せください。リーズナブルな料金・費用で承ります。
お問合せ、見積りは、無料です。お気軽にご相談ください。
受付時間: 月~金 10:00~18:00
メールでのお問合せは、こちらから。
ホームページ:宇尾野行政書士事務所
