renderの意味と例文

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英文契約書で使われる独特の契約用語であるrenderについて解説します。 例文をとりあげ、要点と対訳をつけました。例文中の基本表現に語注をつけました。

1.解説:

1) renderとは

英文契約書では、renderは、主に、二つの意味で用いられます。

ひとつは、(義務として)~を提供する(provide)という意味です。

もうひとつは、~にする(make)という意味です。

2)render(~を提供する、~にする)が使われる場面

英文契約書では、renderは、多くは、以下の表現で使われます。

render the services

この場合は、renderは、~を提供する(provide)の意味です。

render the servicesで、サービスを提供すると訳すことができます。

render the services(サービスを提供する)の表現は、

Service Agreement(業務委託契約)

Consulting Service Agreement(コンサルティング契約)

などに見られます。

文字どおり、

『サービス会社やコンサルタントがサービスを提供する

という内容で使われます。(下記の例文①をご覧ください)

render invalid

この場合は、renderは、~にする(make)の意味です。

render invalidで、無効にすると訳すことができます。

render invalid(無効にする)の表現は、主に、英文契約書の一般条項である

Severability(分離条項)

の規定に見られます。

『契約の条項のひとつが、裁判所により無効と判断されても、契約の他の条項は無効にはならない

というような内容で使われます。(下記の例文②をご覧ください)

be rendered impossible

この場合は、render invalid(無効にする)で使われるrenderの意味と同じです。

renderは、~にする(make)という意味です。

be rendered impossibleで、不可能となると訳すことができます。

be rendered impossible(不可能となる)の表現は、主に、英文契約書の一般条項である

Force Majeure(不可抗力条項)

の規定で見られます。

『不可抗力により、契約の履行が不可能となる

というように使われます。(下記の例文③をご覧ください)

 

3)renderが明確にする「行為の履行」「法的効果」、そして「リスクの分配」

renderという単語は、英文契約書において、単なる動詞としての意味を超え、契約当事者の「行為の履行(義務)」、「特定の法的状態(結果)の創出」、そして「予期せぬ事態におけるリスクの分配」 を明確にするための重要な機能を持っています。

その使用例は多岐にわたり、契約の法的効力や当事者の責任範囲に直接影響を与えます。

「行為の提供・実行」の明確化:

render the services(サービスを提供する、例文①)のように、特定のサービスや援助などの「行為を実行し、提供する」義務を明確に記述する際に用いられます。

これにより、契約当事者の一方が、どのようなサービスを、どのような条件で提供する責任を負うのかが明確になります。

これは、業務委託契約やコンサルティング契約において、サービス提供者側の具体的な義務範囲を定める上で不可欠な表現です。

「法的効力の発生・変更(~にする)」の規定:

render invalid(無効にする、例文②)やbe rendered impossible(不可能となる、例文③)のように、ある事象や行為が「契約の法的効力(またはその一部)を変化させる」結果をもたらす際に使用されます。

無効化(Invalidation):

render invalid(無効にする)は、特定の条項が無効であると判断された場合に、他の条項がその影響を受けずに有効に存続する(または無効になる)ことを明確にするために使われます。

Severability(分離条項)で使われるrender invalid(無効にする)は、契約の一部が無効と判断されても契約全体が破綻しないようにする、という契約の安定性を確保する上で非常に重要な機能を担っています。

履行不能(Impossibility of Performance):

be rendered impossible(不可能となる)は、不可抗力事由などによって契約上の義務の履行が客観的に不可能になった状態を指します。

これはForce Majeure(不可抗力条項)において、特定の事由が発生した場合に、当事者が不履行責任を免れる条件を規定する際に用いられ、予期せぬリスクを当事者間でどのように分配するかというリスク管理の観点から極めて重要です。

契約の「結果」への注目:

renderは、単に行為を記述するだけでなく、その行為や事象がもたらす「結果」に焦点を当てています。

例えば、ある行為が「無効にする(render invalid)」という結果をもたらす、不可抗力が「履行を不可能にする(be rendered impossible)」という結果をもたらす、といったように、具体的な法的帰結や状態の変化を明示する点で、より強力な表現となります。

 

このように、renderという単語は、英文契約書において、当事者の義務の遂行、特定の法的状態の発生、そして予期せぬ事態への対応策とリスクの分配を明確かつ厳密に規定するための、非常に多機能かつ重要な役割を果たす表現であると理解することが重要です。

 

2.例文:

(注):render ~は、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。

1)render the services(サービスを提供する)– 例文①

サービス会社は、期限内にサービスを提供するため、必要な措置を講じなければなりません。

The Service Provider shall take all necessary steps to render the Services in due time, however the Service Provider shall not be liable in respect of any failure to meet the specified date or timeframe in cases of any delay caused by the circumstances which are outside the Service Provider’s control.

(訳):

サービス会社は、期限内にサービスを提供するために必要なすべての措置を講じるものとするが、サービス会社は、その支配が及ばない事情により遅延が生じたことにより、指定の期限又は期間内に履行できない場合は、責任を負わないものとする。

(注):

*be liableは、責任を負うという意味です。詳しくは、liable forの意味と例文をご覧ください。

*in respect ofは、ついてはという意味ですが、意訳しています

*any failure to meetは、直訳するとに間に合わないですが、(期間内)に履行できないと訳しています。

2)render invalid(無効にする)– 例文②

契約の条項のひとつが、無効と判断されても、他の条項は無効にはなりません。

If any provision of this Agreement is deemed invalid by a competent court, this will not render invalid all other provisions, as the invalid provision will be separated from the remaining provisions of this Agreement, which will remain in effect.

(訳):

本契約のいずれかの条項が管轄裁判所によって無効と判断された場合でも、無効な条項は本契約の残りの条項から分離されるため、他の残りの条項は、有効に存続し無効にはならない。

(注):

*is deemed invalidは、無効と判断されるという意味です。

*competent courtは、管轄裁判所という意味です

*remain in effectは、有効に存続するという意味です。詳しくは、in forceとin effectの意味と例文をご覧ください。

3)be rendered impossible(不可能となる)– 例文③

不可抗力により、契約の履行が不可能となる場合、不履行や履行遅滞は免責されます。

Any non-performance or late performance of either party shall be excused to the extent that performance is rendered impossible or delayed by strike, fire, flood, governmental acts or orders or restrictions, failure of suppliers, or any other reason where failure to perform is beyond the reasonable control of the nonperforming or late-performing party whether or not similar to the foregoing.

(訳):

いずれかの当事者の不履行又は履行延滞が、ストライキ、火災、洪水、行政の措置、命令、制限、サプライヤーの不履行、その他の理由により履行が不可能となり又は遅滞となり、その不履行当事者又は履行遅滞をした当事者合理的な支配が及ばない場合、上記と同様な理由か否かに関わらず、免責されるものとする。

(注):

*non-performanceは、不履行という意味です。

*late performanceは、履行遅滞という意味です。

*to the extent thatは、~の限り、~の範囲での意味ですが、意訳しています。

*the nonperforming or late-performing partyは、不履行当事者又は履行遅滞をした当事者という意味です。

*beyond the reasonable controlは、合理的な支配が及ばないという意味です。

 

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