rescindとrescissionの意味と例文

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英文契約書で使われる独特の用語であるrescindrescissionについて解説します。 例文をとりあげ、要点と対訳をつけ、基本表現に語注をつけました。

1.解説:

1)rescindとrescissionとは

rescindは、取り消すという意味です。

rescissionは、rescindの名詞で取り消しという意味です。

rescindrescissionも、日常ではあまり聞きませんが、法律関係の用語として英文契約書でよく使われます。

2)rescindとrescissionの使い方

rescindrescissionは、特に、契約の取り消しを表すときに使われる用語です。(下記の英文契約書の例文①例文②をご覧ください)

契約を取り消すという意味で、rescind the contractという表現がよく使われます。(英文契約書の例文①をご覧ください)

rescindrescissionは、過去に遡って契約を失効させるという意味合いがあります。(厳密に使われないケースもあります)

なお、rescindの同義語に、revokeがあります。

契約の取り消しを強調するときは、revokeと並べて、

revoke and rescind the agreement(本契約を取り消す)

などと表現されることもあります。

3)Rescindが意味する「遡及的失効」の法的重み

英文契約書における「契約を終わらせる」表現には、terminate(終了させる)やcancel(解除する)がありますが、rescindはこれらとは法的効果が大きく異なるため、そのニュアンスの理解が極めて重要です。

ア. Rescission (取消し)の法的性質

Rescindの核心は、その行為が「遡及的失効(Retroactive Effect)」をもたらす可能性がある点です。

遡及的失効:

契約を最初から存在しなかったことにする効果を意味します。

これは、当事者が契約締結前の状態(原状)に戻す義務(原状回復義務)を負うことを意味します。

Terminateとの決定的な違い:

Terminate(終了)は、契約を将来に向かって失効させる効果(将来効)しか持ちません。

終了前の契約行為や権利義務はそのまま有効です。

したがって、詐欺重大な錯誤など、契約の成立そのものに瑕疵があった場合に、契約自体をなかったことにしたいときにrescindが使われます。

イ. 契約書上の用語選択の注意点

契約書においては、当事者の真の意図(将来に向かって終わらせたいのか、最初からなかったことにしたいのか)に応じて、厳密に用語を使い分ける必要があります。

rescind:

主に契約の成立段階の瑕疵(例:不実表明、詐欺)に基づき、原状回復を求める場合に用いる。

terminate:

主に契約の履行段階の違反(例:重大な不履行)に基づき、将来的な関係を断ち切る場合に用いる。

例文①のように不可抗力条項でrescindが使われる場合も、その契約関係を清算し、法的関係を根本的に解消するという重い意思を表明しています。

2.例文と基本表現:

(注):上記で解説したrescindrescission青文字で示し、他の基本表現をハイライトしています。

1)rescind – 例文①

Force Majeure(不可抗力条項)からです。不可抗力が3か月以上続く場合、売主は、契約を取り消す権利を有します。

War, strikes, lockouts, lack of raw materials or energy, operating or traffic delays, acts decreed by public authorities as well as any other circumstances of force majeure which prevent or delay the production or dispatch of the Goods or render it uneconomical shall exempt the Seller from its delivery obligation for the term and to the extent of the disturbance or interruption. If such circumstances continue to exist for a term of more than three months, the Seller shall be entitled to rescind the contract.

(訳):

物品の生産もしくは発送を妨げたり、遅らせたり、不経済にしたりするなどの不可抗力の状況と同じく、戦争、ストライキ、ロックアウト、原材料もしくはエネルギーの不足、操業もしくは交通の遅延または公権力が命じる行為により、これら妨害の期間中および妨害の発生の限度で、売主は、その引渡し義務から免除されるものとする。 かかる状況が3か月以上続く場合は、売主は、契約を取り消す権利を有する

*acts decreed by public authoritiesは、公権力が命じる行為という意味です。

*the production or dispatch of the Goodsは、物品の生産もしくは発送という意味です。

*renderは、~にする(make)という意味です。詳しくは、renderの意味と例文をご覧ください。

*exempt fromは、~から免除されるという意味です。

*to the extent ofは、~の限度でという意味です。

*the disturbance or interruptionは、同義語を並べた強調表現です。妨害の発生と意訳しています。

*be entitled toは、~する権利を有するという意味です。

2)rescission – 例文②

契約合意の書面条件の規定からです。契約の取消しは、書面で行われなくてはいけません。

All agreements which are made between Seller and Purchaser for the purpose of execution of a contract as well as all ancillary agreements, amendments, termination or rescission of the contract or its cancellation must be in writing. This shall also apply for waiver of the writing requirement or its amendment.

(訳):

契約の締結を目的として売主と買主の間で行われる一切の合意、および契約に付属する合意、契約の修正、終了取消しもしくは解除は、書面で行われるものとする。 これは、当該書面要件またはその修正に関わる権利放棄にも適用される。

(注):

*agreementsは、合意、合意事項という意味です。

executionは、(契約の)締結という意味です。 

ancillary agreementsは、付属する合意という意味です。

*amendmentsは、契約の修正という意味です。

terminationは、ここでは(契約の)終了という意味です。 

cancellationは、ここでは(契約の)解除という意味です。

*be in writingは、書面でという意味です。 

*waiverは、権利放棄という意味です。

 

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