set forthの意味と例文

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英文契約書の基本表現として使われるset forthについて解説します。いくつかの例文もとりあげて対訳をつけました。例文中の基本表現には詳しい注記を入れました。

1.解説:

1)set forthとは

set forth は、英文契約書では、規定する、定めるという意味で用いられます。(下記の例文②例文③をご覧ください)

英文契約書では、 set forth 以外にも、以下の表現や用語が同様に規定する、定めるの意味で用いられます。

・set out

・prescribe

・provide

・stipulate

・specify

・define

2)set forth(規定する)の関連表現

set forthを使った表現として、以下のものがあります。

・set forth in:

~に定める、~に規定するという意味です。(下記の例文①をご覧ください)

・set forth herein:

本契約で定めるという意味です。(下記の例文④をご覧ください)

・except as set forth in:

~に定めがある場合を除きという意味です。

・hereinafter set forth:

以下に規定されるという意味です。

3)set forthが契約書において果たす「情報源の明確化」と
「法的信頼性の確保」の役割

set forth は、単に「規定する」という意味で使われるだけでなく、英文契約書において「特定の情報や条件がどこに、どのように明記されているか」を明確に指示する非常に重要な役割を担います。

この表現が持つ主な機能は以下の通りです。

正確な情報源の特定:

契約書は通常、多くの条項や付属書、さらには関連する別の契約書や外部文書(例:技術仕様書、標準規格、法令など)を参照しながら構成されます。

set forth を用いることで、参照している情報が「どこに(例:in Article 3.2、in Schedule A、in this Agreement)、そして『どのように規定されているか』」を明確に指定できます。

これにより、読み手は迷うことなく正確な情報源にたどり着くことができ、解釈の齟齬を防ぎます。

情報源を特定している例文①「set forth in Article 3.2」はその典型例です。

契約の整合性と信頼性の確保:

契約書内で特定の情報源を参照することは、契約全体の整合性を保ち、その信頼性を高める上で不可欠です。

例えば、重要な定義や具体的な数値、詳細な手続きなどが契約書の本文ではなく、付属書や別の文書に記載されている場合、

set forth を使って「そこに規定されている通りである」と明示することで、契約書本文と参照先の情報との間に法的な連結性を持たせます。

これにより、参照された情報が契約の一部として扱われ、その法的効力が強化されます。

曖昧さの回避と紛争リスクの軽減:

「~に規定されている」という曖昧な表現では、どの文書のどの部分を指すのかが不明確になる可能性があります。

set forth は、特定の条項、付属書、または文書そのものを明確に指定することで、このような曖昧さを排除し、将来の紛争リスクを大幅に軽減します。

当事者が「どこに何が書かれているか」を正確に理解できるため、認識の齟齬が生じにくくなります。

効率的な契約管理:

契約書が長文になりがちな中で、set forth のような表現を用いることで、情報を整理し、効率的に参照できるようになります。

これにより、契約の作成者も使用者も、必要な情報に迅速にアクセスでき、契約管理の効率化にも寄与します。

 

このように、set forth は単なる「規定する」という意味を超えて、英文契約書における「情報の所在を明確にし、契約の法的正確性と信頼性を確保する」という、実務上極めて重要な役割を果たす表現です。

この表現の理解と適切な使用は、契約書を正確に読み解き、あるいは作成する上で不可欠なスキルと言えます。

 

2.例文と基本表現:

(注):英文契約書によく出る基本表現をハイライトし語注を入れています。

(注)set forth青文字で示しています。

1) set forth(規定する)- 例文①

“Purchase Price” shall have the meaning set forth in Article 3.2.

(訳):

「購入価格」とは、第3.2条規定するものをいう。

2) set forth(規定する)- 例文②

Articles 9 and 10 will survive the termination of this Agreement for the period of time set forth therein.

(訳):

第9条および第10条は、そこに規定されている期間、本契約の終了後も存続する。

(注):

*therein は、そこに(その中に)を意味し、Articles 9 and 10 を指します。詳しくは、thereto, thereof, thereafter, thereby, therein|英文契約書の基本表現をご覧ください。

*survive the termination of this Agreementは、本契約の終了後も存続するという意味です。

3) set forth(規定する)- 例文③

IN WITNESS WHEREOF, the Parties hereto have caused their duly authorized representatives to execute this Agreement on the dates set forth under their signatures.

(訳):

上記の証として、両当事者は、署名欄に規定した日に、正当な権限を持つ代表者に署名させて、本契約を締結する。

(注):

*IN WITNESS WHEREOF は、上記の証として(これを証するため)の意味です。詳しくは、英文契約書の構成(structure of contract )をご覧ください。

*the Parties heretoは、直訳するとthe Parties(両当事者)hereto(本契約の)の組み合わせですが、意訳(両当事者)しています。 heretoについては、hereto, hereof, herein, hereby, hereunder, herewith, hereinafterの意味と例文をご覧ください。

*duly authorized representativesは、正当な権限を持つ代表者という意味です。詳しくは、duly authorized representativesの意味と例文をご覧ください。

4)set forth herein(本契約で定める)- 例文④

Seller agrees to indemnify and hold Buyer harmless from any and all claims, damages and liabilities arising from Seller’s breach of its representations and/or covenants set forth herein.

(訳):

売主は、本契約で定める売主の表明又は誓約に係る、売主の違反に起因した一切の請求、損害及び責任から、買主を補償し免責することに合意する。

(注):

*indemnify and hold Buyer harmless fromは、~から買主を補償し免責するという意味です。詳しくは、indemnify and hold harmlessとは|英文契約書の基本表現をご覧ください。

*any and allは、一切のという意味です。英文契約書では当事者の権利・義務の範囲をできるだけ広く捉えて漏れがないようにするため、こうした強調表現がよく使われます。代表的な例として、

・including, without limitation(~を含むが、それらに限定されない)

・or otherwise(その他何であろうと)

・whatsoever(いかなる~もない)

があります。

次に解説する同義語を並べた表現のclaim or demand(請求)もそうです。

*claimsは、請求、申し立てという意味です。なお、製造物責任の条項などでは、同義語を並べた強調表現であるclaim or demand(請求)が使われたりします。

*liabilitiesは、(法的な)責任という意味です。responsibilityとの区別に注意しましょう。liabilityは、法的な責任であり当事者に違反があれば賠償責任を負います。これに対してresponsibilityは、広い意味での責任を意味します。

*arising fromは、~に起因する、~から生じるという意味です。他に、類似の表現である、

・arising out of(~に起因する、~から生じる)

・resulting from(~に起因する)

・deriving from(~に由来する、~から生じる)

もよく使われます。

*representations and/or covenantsは、表明又は誓約という意味です。 

 

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