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英文契約書で、責任に関係する表現であるbe solely responsible forについて解説します。 例文をとりあげ、要点と対訳と語注をつけました。
1.解説:
1)be solely responsible forとは
be solely responsible forは、当事者の責任を表す表現です。
直訳すると
solely(単独で)と
be responsible for ~(~について責任を負う)の
組み合わせで、
英文契約書でbe solely responsible forの表現型式で使われると、
~について全責任を負う
という意味になります。
2)be solely responsible forの使い方
当事者の責任を明確にするために、be solely responsible for(~について全責任を負う)は、英文契約書のさまざまな場面で使われます。たとえば、以下のようにです。(青字部分)
取引の費用について:
『各当事者は、契約の取引に関連する費用について全責任を負う(be solely responsible for)』 以下の英文契約書の例文①をご覧ください。
業務委託契約で:
『サービス会社は、成果物の開発と納品について全責任を負う(be solely responsible for)』 以下の英文契約書の例文②をご覧ください。
売買契約で:
『納品時以降、買主が商品の保管と保守について全責任を負う(be solely responsible for)』 以下の英文契約書の例文③をご覧ください。
3)solely responsibleの法的意味合いとリスク管理
be solely responsible forという表現は、単に責任の所在を示すだけでなく、その責任を他者と分担しないという法的かつ実務的な意味合いを強く持ちます。
ア. 共同責任(Joint Liability)の排除
通常のbe responsible forの場合、当事者間に共同責任(Joint and Several Liability)が発生する可能性が残ります。
例えば、第三者に対する損害について、共同で責任を負う可能性があります。
これに対し、solely(単独で)という副詞を挿入することで、「その責任は唯一、当該当事者のみが負うものであり、契約相手方や第三者と責任を分担するものではない」という意思を明確に示します。
これは、責任条項におけるリスクの帰属先を確定する上で、極めて重要です。
イ. 義務履行の独占と費用負担
solely responsible forは、責任だけでなく、その義務を履行する義務も単独で負うことを意味します。
例文①(費用):
各当事者が自社の費用のみを負担し、相手方に対して費用の請求をしないことを明確化します。
例文②(業務委託):
サービス提供者(Service Provider)が、成果物の品質、スケジュール、および必要な手段の選択について、クライアントから干渉を受けることなく単独で責任を負い、その結果も独占的に引き受けることを確定します。
solelyは、責任を押し付けられる側にとってはリスクが増大する表現であり、交渉においては、その範囲を限定することが重要になります。
2.例文と基本表現:
(注):上記で解説したbe solely responsible forは青文字で示し、他の基本表現をハイライトしています。
1)be solely responsible for(~について全責任を負う)– 例文①
費用についての責任です。各当事者は、契約の取引に関連する費用について全責任を負います。
Except as expressly provided for in this Agreement, each Party will be solely responsible for all expenses incurred by such Party in connection with the negotiation, execution, and performance of this Agreement and in connection with the transactions contemplated hereunder.
(訳):
本契約で明示的に規定されている場合を除き、各当事者は、本契約の交渉、締結及び履行並びに本契約で意図される取引に関連して、当該当事者に生じるすべての費用について全責任を負う。
(注):
*Except as expressly provided forは、明示的に規定されている場合を除きという意味です。詳しくは、except asとexcept as provided inの意味と例文をご覧ください。
*in connection withは、~に関連してという意味です。
*the negotiation, execution, and performance of this Agreementは、本契約の交渉、締結及び履行という意味です。
*contemplated hereunderは、本契約で意図されるという意味です。詳しくは、contemplateの意味と例文をご覧ください。
2)be solely responsible for(~について全責任を負う)– 例文②
業務委託契約からです。サービス会社は、成果物の開発と納品について全責任を負います。
Unless otherwise expressly agreed to in a Statement of Work, Service Provider shall be solely responsible for all aspects of the development and delivery to Client of the Deliverables described in a Statement of Work (including a complete copy of all of the Work Products in and related thereto) in accordance with the Specifications and in the time frames specified in the Implementation Schedule.
(訳):
作業指示書で別途明確な同意がない限り、サービス会社は、仕様書及び運用スケジュールで指定の時間枠に基づき、作業指示書(関連する作業成果物の全てのコピーを含む)に記載された、成果物の開発及びクライアントへの納品のあらゆる点について全責任を負うものとする。
(注):
*Unless otherwise expressly agreedは、別途明確な同意がない限りという意味です。詳しくは、unless otherwiseの意味と例文をご覧ください。
*Statement of Workは、作業指示書という意味です。
*the Work Productsは、作業成果物という意味です。
3)be solely responsible for(~について全責任を負う)– 例文③
売買契約からです。納品時以降、買主が商品の保管と保守について全責任を負います。
From the time of delivery the Goods shall be at the risk of the Buyer who shall be solely responsible for their custody and maintenance but, unless otherwise expressly agreed in writing, the Goods shall remain the property of the Company until all payments under the Contract have been made in full and unconditionally.
(訳):
納品時以降、買主が商品の危険を負担し、その保管と保守について全責任を負うものとするが、別途書面にて明示的に合意する場合を除き、本契約に基づき、すべての支払いが完全に無条件に完了するまでは、商品の所有権は、会社に引き続き帰属する。
(注):
*unless otherwise expressly agreed in writingは、別途書面にて明示的に合意する場合を除きという意味です。詳しくは、unless otherwiseの意味と例文をご覧ください。
*remain the property of the Companyは、会社に引き続き帰属するという意味です。
*unconditionallyは、無条件にという意味です。
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