Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)について

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英文契約書の作成に重要となるUniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)について、とりあげます。

1)Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)とは

米国では、各州が制定する州法基本法となっています。そのため、州と州の間では、異なる法律が存在しています。

そこで、ビジネスが複数の州をまたぐ場合に、各州の企業が互いにビジネスを行いやすくするために制定されたのが、Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)です。

現在、Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典) は、米国のほとんどの州において、米国のモデル商事法典として、とりいれられて運用されています。

2)Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)の構成内容

以下の構成になっています。

第1編 General Provisions(一般規定)

第2編  Sales and Leases(売買とリース)

*このパートが、特に英文契約書に関係します。(次の3)で解説)

第3編  Negotiable Instruments(流通証券)

第4編 Bank deposits(銀行預金)

第5編 Letters of credit(信用状)

第6編 Bulk sales(一括売買)

第7編 Warehouse receipts, bills of lading, and other documents of title(倉庫証券、運送証券その他の権原証券)

第8編 Investment securities(投資証券)

第9編 Secured transactions(担保取引)

3) Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)と英文契約書との関係

米国企業を相手として英文契約書を結ぶにあたっては、 Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典) の理解が重要となります。

英文契約書の内容や解釈に特に影響するのが、Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)第2編 Sales and Leases(売買とリース)の部分です。

Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)第2編 Sales and Leases(売買とリース) においては、契約一般について、以下にように、詳しく規定しています。

・契約と商人の定義

・契約の成立

・契約当事者の義務

・契約の解釈

・債権者と善意取得者の権利

・契約の履行

・契約の解除

・売主と買主の権利

・債務不履行

債務不履行に対する救済

Uniform Commercial Code(UCC:米国統一商事法典)第2編 Sales and Leases(売買とリース)で、英文契約書に特に関係する以下の部分は、本ブログでも解説しています。(リンクします)

第2編313条. Express Warranties (明示の保証)

第2編314条. Implied Warranty: Merchantability(商品性の黙示の保証)

第2編315条. Implied Warranty: Fitness for Particular Purpose(特定目的の適合性の黙示の保証)

第2編316条. Exclusion of Warranties(保証の排除)

4)UCCに関する英文契約書の実務上のポイント

UCCは、売買契約書に明記されていない事項について、デフォルトのルールを適用する役割を果たします。

そのため、日本の企業が米国企業と取引する際には、UCCのルールを理解した上で契約書を作成・レビューすることが不可欠です。

ア.UCCが定める「黙示の保証(Implied Warranties)」の重要性

UCC第2編は、売買契約において、特に明記がなくても「商品性(Merchantability)」と「特定目的への適合性(Fitness for a particular purpose)」という二つの黙示の保証が自動的に発生すると規定しています。

商品性(Merchantability):

製品が通常の使用目的に適していること。

特定目的への適合性(Fitness for a particular purpose):

買主が売主に伝えた特定の目的に、その製品が適していること。

もし契約書でこれらの保証を排除する規定を設けない場合、予期せぬ法的責任を負うリスクがあります。

イ.UCCのルールを「契約書で上書き」する

UCCはモデル法典であるため、当事者が契約書にUCCとは異なるルールを明記すれば、そちらが優先されます。

これを「契約自由の原則」と呼びます。

そのため、売主の立場であれば、UCCで自動的に発生する黙示の保証を明示的に排除する条項を設けるのが一般的です。

これには、in lieu of(~に代わって)という表現や、AS IS(現状有姿で)という表現がよく使われます。

例:

THIS WARRANTY IS EXPRESSLY IN LIEU OF ALL OTHER WARRANTIES, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING ANY IMPLIED WARRANTY OF MERCHANTABILITY OR FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.(本保証は、商品性または特定目的への適合性の黙示の保証を含む、明示的または黙示的な他のすべての保証に代わるものである。)

ウ.準拠法(Governing Law)の選定

米国企業との取引では、契約の準拠法を「〇〇州法」と定めることが一般的です。

その場合、その州が採用しているUCCのバージョンが適用されることになります。

日本の企業は、米国企業と取引する際に、契約書に日本の準拠法を適用させるように交渉することも可能ですが、一般的には相手方の本拠地となる州法が採用されるケースが多いです。

UCCは、単なる法律の知識としてだけでなく、契約交渉におけるリスク管理という観点から、その内容を理解しておくことが非常に重要です。

特に保証条項と責任制限条項は、UCCの規定を意識して作成されることがほとんどです。

 

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