英文と日本語のビジネス契約書の作成・チェック(レビュー)・翻訳の専門事務所です。(低料金、全国対応)
英文契約書のライセンス許諾の条項で使われる表現であるgrant licenseとgrant sublicensesについて解説します。 例文をとりあげ、要点と対訳と語注をつけました。
1.解説:
1)grant licenseとgrant sublicensesとは
grant licenseとgrant sublicensesは、いずれも、ライセンス契約に置かれるGrant of License(ライセンス許諾条項)で使われる表現です。
・grant license:
ライセンスを許諾するという意味です。(下記の例文①と例文②をご覧ください)
・grant sublicenses:
ライセンスを再許諾するという意味です。(下記の例文③と例文④をご覧ください)
(ご参考):Grant of License(ライセンス許諾条項)の解説については、こちらをご覧ください。
2)ライセンス許諾(grant)における三つの主要な論点
grant licenseという表現はシンプルですが、この動詞一つで知的財産権(IPR)の使用に関する重要な三つの権利の範囲が決定されます。
これらの論点は、ライセンシー(許諾を受ける側)にとっての権利の価値と、ライセンサー(許諾する側)にとってのリスクを左右します。
ア. 独占性(Exclusivity)
ライセンスの許諾において、「独占的(exclusive)」か「非独占的(non-exclusive)」かを規定することは最も重要です。
Non-exclusive:
ライセンサーが他の第三者にも同じライセンスを許諾できる
(例文①、例文②)。
ライセンシーにとっては競争が生まれるリスクがあるが、通常はロイヤリティが低く設定される。
Exclusive:
ライセンサーはそのライセンシーのみに許諾し、ライセンサー自身も同じ使用を行わない。
ライセンシーにとって最も強力な権利。
イ. 譲渡性(Assignability)
non-assignable(譲渡不能な)は、ライセンシーが第三者にそのライセンスを売却したり移転したりできないことを意味します
(例文①)。
ライセンサーにとって、誰が自分のIPを使用するのかを管理する上で不可欠な規定です。
通常、ライセンスはnon-assignableとするのが一般的です。
ウ. 再許諾性(Sublicensing)
grant sublicenses(再許諾)は、ライセンシーが自己の権利の範囲内でさらに第三者に使用権を与えることを意味し、通常、ライセンシーの事業展開の柔軟性に直結します(例文③、例文④)。
制限の必要性:
再許諾を認める場合でも、ライセンサーは通常、not be unreasonably withheld(不合理に拒否しない)を付したライセンサーの事前承認を義務付けたり(例文④)、in compliance with and not inconsistent with the terms of this Agreement(本契約の規定に従い、矛盾しない)という条件を付します(例文③)。
これは、IPの管理と保護の観点から非常に重要です。
2.例文:
(注):grant licenseとgrant sublicensesは、青文字で示し、基本表現をハイライトしています。
1)grant license(ライセンスを許諾する)– 例文①
ライセンサーは、ライセンシーに対し、ライセンスを許諾します。
The Licensor hereby grants to the Licensee, a non-exclusive and non-assignable license subject to the terms and condition hereafter set forth to use the Service.
(訳):
ライセンサーは、ライセンシーに対し、本サービスの使用のため、以下に規定される条件に従って非独占的かつ譲渡不能なライセンスをここに許諾する。
(注):
*herebyは、ここに(本契約により)という意味です。くわしくは、hereto, hereof, herein, hereby, hereunder, herewith, hereinafterの意味と例文をご覧ください。
*non-exclusive and non-assignable licenseは、非独占的かつ譲渡不能なという意味です。
*hereafterは、以下にという意味です
*set forthは、規定するという意味です。くわしくは、set forthの意味と例文をご覧ください。
2)grant license(ライセンスを許諾する)– 例文②
ライセンサーは、ライセンシーに対し、ライセンスを許諾します。
The Licensor grants the Licensee a limited, non-exclusive license to use the software according to the applicable terms set forth below, subject to Licensee’s compliance with this agreement.
(訳):
ライセンサーは、ライセンシーに対し、ライセンシーが本契約を遵守することを条件に、以下に定める適用条件に従ってソフトウェアを使用するための限定的かつ非独占的なライセンスを許諾する。
(注):
*set forthは、定める、規定するという意味です。
*subject to Licensee’s compliance with this agreementは、subject to(を条件に)とcompliance with(を遵守する)で、ライセンシーが本契約を遵守することを条件にという意味です。
3)grant sublicenses(ライセンスを再許諾する)– 例文③
ライセンシーは、第三者にライセンスを再許諾する権利を有します。
The licensee will be entitled to grant sublicenses to third parties under the license granted pursuant to Section 3.1. Any such Sublicense shall be on terms and conditions in compliance with and not inconsistent with the terms of this Agreement.
(訳):
ライセンシーは、3.1条に従って許諾されたライセンスに基づき、ライセンスを第三者に再許諾する権利を有する。 かかるライセンスの再許諾は、本契約の規定に従い、矛盾しない取引条件であることを前提とする。
(注):
*be entitled toは、~の権利を有するという意味です。
*in compliance withは、~に従うという意味です。
*not inconsistent withは、~と矛盾しないという意味です。
4)grant sublicenses(ライセンスを再許諾する)– 例文④
ライセンシーは、第三者にライセンスを再許諾することができます。
The licensee may grant sublicenses to third Parties under the Agreement with the approval of Licensor, which approval shall not be unreasonably withheld.
(訳):
ライセンシーは、ライセンサーの承諾を得て、本契約に基づき第三者にライセンスを再許諾することができるが、その承諾は不合理に拒否しないものとする。
(注):
*not be unreasonably withheldは、不合理に拒否しない(保留しない)という意味です。consent not unreasonably withheldの意味と例文をご参考にしてください。
英文契約書・日本語契約書の作成・チェック(レビュー)・翻訳は、当事務所にお任せください。リーズナブルな料金・費用で承ります。
お問合せ、見積りは、無料です。お気軽にご相談ください。
受付時間: 月~金 10:00~18:00
メールでのお問合せは、こちらから。
ホームページ:宇尾野行政書士事務所
