or otherwiseの意味と例文

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英文契約書で何かを列挙したり、対象範囲を拡大する場面でよく使われる表現のor otherwiseについて解説します。例文に訳をつけています。例文中の他の基本表現に注記しました。

(目次)
1.解説
 1)or otherwiseとは
 2)or otherwiseと似た表現 – 対象範囲の拡大
 3)or otherwiseの使い方と注意点
 4)or otherwiseの実務上の重要点と交渉の視点
2.例文と基本表現
 1)例文 – 秘密保持条項から
 2)例文 – 譲渡制限条項から
 3)例文 – 競業避止条項から

1.解説:

1)or otherwiseとは

英文契約書では、or otherwiseは、通常、

又はその他の方法で

その他何であろうと

という意味で使われます。

よくあるのは、いくつかのやり方や方法を列挙した後に、

or otherwise(又はその他の方法で、その他何であろうと)

の表現が置かれます。

そして、通常、否定文と一緒に使われて、

その他何であろうと(~でない)

という意味になります。

このように、or otherwiseの表現は、以下の働きがあります。

・否定文と一緒に使われて、否定の内容を強調する

列挙したやり方や方法の対象範囲を広げる

(具体的な使い方は、項目3)or otherwiseの使い方をご覧ください)

2)or otherwiseと似た表現 – 対象範囲の拡大

英文契約書の特徴として、意図的に

当事者の責任や義務の対象を広げようとする

ことがあります。

or otherwise(またはその他の方法で、その他何であろうと)は、そのような当事者の責任や義務の対象範囲を広げるときに使われる表現ですが、他にも同じような目的をもった表現や用語が以下のように数多くあります。

including, but not limited to(~を含むが、それらに限定されない)
 例示列挙
に使われます。

whatsoever(いかなる~もない、少しの~もない)
 否定の内容を強調するときに使われます。

directly or indirectly(直接的又は間接的にも):
 否定文と一緒に使われ、直接的又は間接的にも(~でない)という意味になります。

in any way(いかなる方法でも
 否定文と一緒に使われ、いかなる方法でも(~でない)という意味になります。

in any way or form(いかなる方法又は形式でも
 否定文と一緒に使われ、いかなる方法又は形式でも(~でない)という意味になります。

anyあらゆる、いずれの~でも
否定文肯定文のどちらでもかなり頻繁に使われます。

3)or otherwiseの使い方と注意点

or otherwise(またはその他の方法で、その他何であろうと)の代表的な使い方は、以下のとおりです。(青字部分)

いくつかのやり方や方法を列挙した後に、否定文と一緒に使われます。(下線部)

Confidentiality(秘密保持条項)で:

いずれの当事者も、他方当事者の同意なしに、取得した情報を使用し、公開し、配布し、又はその他の方法で開示することはできない。(例文①をご覧ください)

Assignment(譲渡制限条項)で:

いずれの当事者も、他方当事者の同意なしに、本契約の権利義務を譲渡し、委任し、再委託し、担保に入れ、又はその他の方法で移転することはできない。(例文②をご覧ください)

Non-Competition(競業避止条項)で:

売主は、指定販売地域において、競合製品を、販売、マーケティング、開発、流通、製造又はその他の方法で促進を行わないことに合意する。(例文③をご覧ください)

これら以外でも、or otherwiseは、

Warranty Disclaimer(保証の免責条項)

Limitation of Liability(責任制限条項

No Set-off(相殺禁止条項)

Termination(契約解除条項)

などでも、よく使われます。

以上のように、or otherwise(またはその他の方法で、その他何であろうと)が使われた場合、

責任や義務の対象が、何でもかんでも、つまり全部に及ぶ

ということになるので、責任や義務の対象となる側の当事者は注意する必要があります。

4)or otherwiseの実務上の重要点と交渉の視点

or otherwiseは、契約における当事者の義務や制限の網羅性を高めるために不可欠な表現です。

これにより、列挙されていない抜け穴を突いた主張を防ぎ、予期せぬリスクを排除することができます。

しかし、この表現が使われている箇所を理解し、その影響を正しく評価することは、交渉において非常に重要です。

ア.ドラフティングの目的と「抜け穴」の防止

契約書を作成する際、すべての可能性のある行為や方法を列挙することは困難です。

例えば、競業避止条項で「販売、マーケティング、開発、流通、製造」と列挙したとしても、これ以外の方法(例:ライセンス供与、コンサルティング提供など)で競合製品をpromote(促進)する可能性は残ります。

or otherwiseの役割:

or otherwise promoteとすることで、列挙された項目以外の、あらゆる関連する行為も禁止の対象に含まれることになります。

これは、相手方が契約の文字通りの解釈に固執し、意図しない方法で制限を回避することを防ぐための強力なツールです。

イ.交渉における「義務を負う側」の視点

or otherwiseが使われている条項は、義務を負う当事者にとって、その義務範囲が予期せぬ形で拡大するリスクをはらんでいます。

義務範囲の明確化を要求する:

義務を負う側(例文③の売主など)は、or otherwiseという表現が抽象的すぎる場合、その具体的な対象範囲を定義するよう交渉することが考えられます。

例えば、「or otherwise promote」の代わりに「or by way of sublicensing(サブライセンス供与の方法で)」のように、特定の行為に限定することで、義務の範囲を明確にすることができます。

善意の行為を保護する:

or otherwiseは悪意のある行為だけでなく、善意の行為も禁止する可能性があります。

例えば、競業避止条項で「or otherwise assist(その他の方法で支援)」と規定されている場合、単なる情報提供やアドバイスといった行為も禁止される可能性があります。

そのため、willful misconduct(故意の不正行為)やgross negligence(重過失)に限定するよう交渉することで、正当なビジネス活動を保護する余地を探ります。

ウ.or otherwiseと関連表現の組み合わせ

or otherwiseは、directly or indirectlyやany and allといった他の広範囲な表現と組み合わせて使われることが多く、これらが合わさることで、義務の範囲が非常に広範になります。

directly or indirectly:

直接的な行為だけでなく、子会社や代理人、下請け業者を通じた間接的な行為も対象とします。

or otherwise:

列挙された手段以外の、あらゆる方法を対象とします。

これらの表現がセットで使われている場合、契約上の義務を果たすためには、文字通りあらゆる手段と方法を網羅して慎重に検討する必要があることを意味します。

このため、契約書をレビューする際は、or otherwiseが使われている文脈全体を注意深く読み解き、自社が負うリスクを正確に評価することが不可欠です。

2.例文と基本表現:

(注):上記で解説したor otherwiseは、青文字で示し、その他の基本表現をハイライトしています。

1)or otherwise – 例文①

秘密保持条項からです。いずれの当事者も、他方当事者の同意なしに、取得した情報を使用し、公開し、配布し、又はその他の方法で開示することはできません。

Subject to the provisions of this Agreement, neither Party shall directly or indirectly, use, publish, disseminate or otherwise disclose any Information obtained in connection with this Agreement without the prior written consent of the other Party.

(訳):

本契約の規定に従っていずれの当事者も、他方当事者の事前の書面による同意なしに、本契約に関連して取得した情報を直接間接を問わず使用し、公開し、配布し、又はその他の方法で開示することはできない。

(注):

*neither Partyは、いずれの当事者もという意味です

*subject to the provisions of は、~の規定に従うことを条件としてという意味です。

directly or indirectlyは、直接間接を問わずという意味です。directly or indirectlyも義務の対象を広げるための表現です。例文③でも使われています。

*disseminateは、配布するという意味です。

*in connection withは、~に関連してという意味です。

*without the prior written consentは、事前の書面による同意なしにという意味です。

2)or otherwise – 例文②

譲渡制限条項からです。いずれの当事者も、他方当事者の同意なしに、本契約の権利義務を譲渡し、委任し、再委託し、担保に入れ、又はその他の方法で移転することはできません。

Unless otherwise permitted in this Agreement, neither Party may assign, delegate, subcontract, mortgage or otherwise transfer any or all its rights and obligations under this Agreement without the prior written consent of the other Party.

(訳):

本契約で別途認められている場合を除き、いずれの当事者も、他の当事者の事前の書面による同意なしに、本契約に基づく全部又は一部の権利義務譲渡し、委任し、再委託し、担保に入れ、又はその他の方法で移転することはできない。

(注):

*Unless otherwiseは、別途~の場合を除きという意味です。詳しくは、unless otherwise の関連表現と例文をご覧ください。

*assign, delegate, subcontract, mortgageは、それぞれ、譲渡する、委任する、再委託する、担保に入れるという意味です。

any or allは、全部又は一部という意味です。 

*rights and obligationsは、権利義務という意味です。 詳しくは、rights and obligationsの意味と例文をご覧ください。

*without the prior written consentは、事前の書面による同意なしにという意味です。

3)or otherwise – 例文③

株式譲渡契約の競業避止条項からです。売主は、指定地域において、競合製品を、販売、マーケティング、開発、流通、製造又はその他の方法でプロモーションできません。

Seller agrees that for the period commencing on the Closing Date and ending on the fifteenth anniversary of the Closing Date, neither Seller nor its Subsidiaries will directly or indirectly sell, market, develop, distribute, manufacture or otherwise promote, pursuant to a license, any Competing Product in the Territory, or actively and knowingly assist any Third Party to do any of the foregoing.

(訳):

売主は、クロージング日から始まり、クロージング日15年目までの期間、売主とその子会社が、指定販売地域において、ライセンス条件に従って直接間接を問わず競合製品を販売、マーケティング、開発、流通、製造若しくはその他の方法でプロモーションを行わず、又は前述のいずれかを行うために積極的かつ意図的に第三者を支援しないことに合意する。

(注):

*the Closing Dateは、株式譲渡契約などの取引実行日(資産の受け渡し日)を意味しますが、クロージング日と訳されます。

*the fifteenth anniversaryは、直訳すると15年後の応当日ですが、意訳(15年目)しています。

*Competing Productは、競合製品という意味です。

*actively and knowinglyは、積極的かつ意図的にという意味です。

*the foregoingは、前述のという意味です。詳しくは、the foregoingとthe aforementionedの意味と例文をご覧ください。

 

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